過去の話 その一
何を作るか考えているがなかなか決まらない、タブレットで料理のSNSアカウントで気になるものが
あったのを思い出した。
「これでいいか」
料理を作り終えてそのまま食べ始める。食べようとすると京がでてきた。
「風呂ありがとな お、おれのもあるじゃん!サンキュー!」
いや、おまえの分までつくってないぞと思ったがまあいい
テーブルをはさんで対面に座る京、いただきますと言いながら食い始めた。
「そういえば、大学の事とか聞いたことなかったな。どうだったんだ?」
「大した事してこなかったな、卒業だけしてきたって感じ、おれ自身あまり大学行く気なかったしな。」
「でもなんやかんや結構遊んだだろ?俺も大学行って遊びたかったよ。親が仕事しろなんて言わなかったら
俺は行きたかったからな」
親がね、それは関係無いだろ、なんて思っていた。口には出さないが。俺も学んだのである。これを口に出すと雰囲気が悪くなる、と。
「だけど、今楽しんでるんじゃないか?金も時間もあるだろ?」
「そりゃそうだけど、よく言うじゃん?若い時の時間は、若い時だけだって」
人それぞれだと思う。俺は大学は本当に失敗だと思っているからである。親に半ば強制的に大学に進学を決められ入ってしまったからである。仕事か大学かという二択になったとき仕事はしたくない、勉強もしたくないとなったとき仕事をしたくないという方が勝っただけである。
「まあ、大学で遊んだのは遊んだけどな。」
「浮いた話の一つもないのかよ~」
非常に面倒だ、ただこいつはこうなったらしつこい仕方がない。
色々とはなしてやった。なんて事はない、底辺大学生の日常だ。
自分で言うのもなんだが大分下のほうの部類だと思う、ただそれでもいいと思っていた。
迷惑かけようがかけまいがどちらにしろ卒業か、中退 さらに言えば人間なぞ最後には死ぬのだ。
俺はそう考えて生きている。その時にやりたいことを、
よぼよぼになって年金でパチンコなぞをうってまで生きて時間をつぶそうなんて思わないのである。
「女の一人や二人、経験したんだろ?」
ないわけではない。ただ経験して思ったことは面倒の一言。
「面倒なだけだ、プライド、思いやり、金銭面、まあ考えることが多いのなんのって。
そんなんで頭を悩ませるのが不毛すぎる」
「お前は、優しすぎるんだよ。考えすぎなんだよな」
俺が優しい、ね。優しいのではなくて面倒なだけ。ちっぽけなプライドも邪魔をしてくる。
捨てられればどれだけ楽なことか。
「風呂入るわ、適当に帰れよ」
「今日は止めてくれ、明日このまま仕事いくから」
「勝手にしてくれ」
本当に面倒な奴、そう思いながら風呂場に行った。
京の仕事場はかなり近い 車で1分とか。京の家は俺の家から歩いて5分くらい、もういえかってほしいよね!うん