三日月を眺めながら温泉たまごを食べるのは何と贅沢な事か
ふぅ~、と小さく息を吐きお湯につかる。
もくもくと立ち昇る白い煙の中で友人も蕩けた表情をしている。
かく言う私も人の事は言えないかも。
首から伝わる、ちょっと高めなお湯にほだされて今どんな顔をしているのかわからないからだ。
「まさか外で温泉たまごが食べられるとはね」
「確かに。朝食だけかと思った」
友人がお湯に浮かんでいるとっくりを手にする。
「旅館の人の善意なんだから零さないでよ」
「わかってるって」
彼女が少しあぶなげな手つきでお酒を飲んでいる。
染み渡るのは分かるけどなんかおじさんっぽい。
くすっと笑いながら私もお酒を飲んで、また肩まで浸かる。
流れて来るお湯の音を聞きながら夜空を見上げて、「来週も頑張ろう」と思った。
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