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1-3

 お母様には学院入学の話をして、一緒に王都行きの人選を決めてもらった。寂しいけれど、お母様は領地でお留守番だ。お母様にはお母様の仕事がある。


王都には専属侍女のラナとネルが同行してくれることになった。二人は私の乳母の娘で、姉のような存在だ。頼れる2人がいてくれて嬉しい。


リヴァン先生も引き続き王都で、私の魔法研究をサポートしてくれるそうだ。

びっくりしたのは、マレーゼ先生。先生も一緒に来てくれることになった。

そして、お母様には週末は必ずマレーゼ先生の授業を受けることを厳命された。


 

王都までは馬車で5日程掛かる。

私にとって初めて領地から出る旅。今回はお父様も一緒に王都へ行けることになった。楽しい旅になりそう。






そして出発の日の朝、お母様に挨拶をして、私達は領地を出た。やっぱり寂しい。

私は馬車の中で少しだけ泣いてしまった。




それから私達は無事に5日間の旅を終えて、王都へと入った。

旅は悪天候に当たらず順調に進んだ。実は天気予測の魔法も開発中で、今回の旅の日程を組むのに大いに役立った。まだ精度の問題が残っているけれど、近いうちにお披露目できるはずだ。




王都の邸に着くと、使用人達が私達を温かく歓迎してくれた。

思った以上に大きなお邸に、私はキョロキョロと周りを見渡す。

そんな私をお父様が優しく、邸の中へと促した。


執事のルーベルと挨拶を交わし、ラナとネルを連れて初めて私の部屋へと入る。

その部屋は落ち着いたブラウンを基調とした家具が並び、10歳の私には少し大人向け。けれど本棚が多く、机が広いこの部屋を私はすぐに気に入った。



「カーテンやリネンはお嬢様用に可愛らしいもので統一いたしました。気に入らないところがございましたらすぐに変更できますよ。」

後から入ってきたルーベルが部屋の説明をしてくれた。


この部屋は元々お父様の妹のマイリー叔母様が使っていた部屋らしい。叔母様は私が生まれる前に外国へ嫁いでしまったのでお会いしたことはない。とても読書家だったそうだ。



「私、このお部屋大好きだわ。大切に使うね」

ルーベルは満足そうに微笑みながら頷いてくれた。


 

お部屋探索を終え、私は今後の予定を考える。学院に形式ばった入学式はない。魔法科は入学を許可されれば、いつから行ってもいいらしい。すでに制服や学用品は全て揃えてある。いつから行こうかな。


ふと、入学式がないことを残念に思った。桜の中で入学式を迎えたかったと。


ん?一瞬頭に浮かんだ花に見覚えはない。

なんだか頭に痛みを感じた私は、座っていたソファに寝そべった。

旅の疲れが出たのか、私はそのまま眠ってしまった。





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