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2-14

 それからウィルとアルベルティーナ様は授業が終わるとすぐに、私の研究室に来てくれるようになった。



「これでもダメでしたわね。」


「属性魔力の配合率を変えても意味はなさそうだね。」


「うーん。根本的にこれだとダメなのかも。特定のものを防ぐ方法でアプローチしてみるべきか。リルちゃんまだ魔力残ってる?」


「はい。まだ大丈夫です。」


「いや、一回休憩にしよう。リルはずっと融合魔法使ってるから辛いはずだよ。」

ウィルは私の手を引いてソファに座らせてくれた。



「私、お茶を淹れますね」

アルベルティーナ様の淹れるお茶は香りが良くて美味しい。今日も態々公爵家からお土産にと持ってきてくれた。


4人で一息つき、疲れた頭を休める。



「そう言えば、私、師事する先生ができましたの。」

アルベルティーナ様が唐突に、けれど嬉しそうに話し始めた。


「ずっと、私は属性転化をどうにかしなくてはと思っていました。でも、今の自分に出来る事をしようって。リルメリア様のおかげで、そう思えるようになりましたの。ですからまず、風属性特化の先生に教えを乞うことにしました。」

頑張りますねと笑ったアルベルティーナ様はもう心配なさそうだ。



「だからその。私も、皆さんのようにリルと呼んでもいいかしら。私のことはティーナと呼んでくれたら嬉しいわ。」


「うん、もちろん。ティーナ。」

ふたりで照れながらお互いの名前を呼び合った。


すると、隣に座っていたウィルがそっと私の髪に触れた。

赤い顔でウィルを見ると、ウィルは私の頭を軽く撫でた。


「僕もいること、忘れないでね。」


リヴァン先生がお茶を吹いていたが、私には全く気にする余裕はなかった。



 




 連日、ウィルとティーナが手伝ってくれてはいるけれど、まだ良い結果は出ていない。私の研究は完全に行き詰まっていた。

このまま研究室に篭っていても、良い考えは浮かばない。だから私は、気分転換に学院の図書室に来ていた。

何か良い本はないかと探していると、2階へと通じる階段からバリー先生が降りてきた。



「こんにちは、先生。」


「こんにちは、リルメリアさん。何か興味深い本はありましたか?」


「はい。時間があれば、読んでみたい本が沢山ありました。あの、先生!2階のフロアへはどうしたら行けるようになりますか?」

せっかくここで先生に会えたので質問してみる。


「立ち入り許可は最終学年進級試験に合格すれば、得られますよ。ですが、2階は少し作りが特殊なんです。」


「特殊ですか?」


「はい。空間魔法が張り巡らされていて、幾つかの書庫に分かれています。許可がない者は決して書庫には入れませんし、能力のない者は閲覧出来ないようになっています。もちろん本を持ち出すことも出来ません。」


「空間魔法ですか。」


「ぜひ試験に合格して体験してください」


バリー先生と別れた後、私は空間魔法について調べてみた。あまり資料は多くなかったけれど、魔道具化されていることが分かった。

これなら上手くいくかもしれない。

私は急いで帰り支度を済ませた。







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