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2-13

 あれから私は、午前の授業が終わるとすぐに帰宅し、研究室に籠った。


私とリヴァン先生は、初めに、火水風土の4属性を組みあげて結界を構成する理論を考えた。

けれど、1週間ふたりで実験を繰り返しても、魔力自体を防ぐ結界までには至らなかった。


「先生、こちらもダメでした。」


「先生?」

ダメだ。あれは聞こえていない。先生は机に突っ伏して眠っていた。先生の服の皺具合からも昨夜は自室に戻らず、ずっと研究をしていたのだろう。

私もこのままここにいても、良いアイデアは浮かばない。

お茶でも淹れようと席を立つと、ノックの音が聞こえた。




「失礼いたします。お嬢様にお客様がお見えになっていますが、いかがいたしますか?」

ルーベルが私に来客を告げる。


「お客様?」


「はい。リングドン子爵家のウィルフレイ様でございます。」


「ウィルが?」


「ただいま、サロンで旦那様が対応なさっております。」


「そう、お父様が。すぐに行きますね。」

私は研究室の鏡で身なりを確認すると、サロンへと急いだ。





「お待たせいたしました。」

私は一度息を整えてから、ゆっくりとサロンへと入る。

ウィルが私に笑顔を向けてくれた。でもどことなく笑顔が固い。そして部屋の空気が重い。なぜ?


「ウィル、どうかしたの?」

お父様の隣に座った私は、気を取り直してウィルに尋ねた。


「突然ごめんね。でもなんだか、最近のリル、疲れてそうだったから。だからクラスメイトを代表して僕が様子を見に来たんだ。みんなも心配してたよ。」

そう言ってウィルは、アルベルティーナ様からの手紙を私に差し出した。


「レブロン嬢も手伝いに来たいってさ。僕ももちろん手伝うからね。」




連日の失敗は、思っていた以上に私を落ち込ませていたらしい。みんなに心配をかけてしまった。でも今すごく心が温かい。


「ありがとう、ウィル。すごく心強い。」


「お父様、明日からお友達を研究室に招待してもいいですか?」


「リルがいいのなら、私は反対しないよ。でも無理はしないように。」

お父様は私の頭を優しく撫でてくれた。


「それに、ウィルフレイ君。ちゃんと約束は守ってね?」

笑い合っているお父様とウィルの笑顔が怖い。これは踏み込んではいけない気がする。

私はそっと2人から目を逸らした。







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