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2-6

「お父様が主席宮廷魔法士様とお知り合いなんて知りませんでした。」

私は数日ぶりに会ったお父様にこれまでのことを問いただす。



「ああ。リルも会えたようだね。中々お茶目な方だっただろう?私とは仕事仲間なんだ。」


 お父様とルーイ先生はアルト商会が魔道具部門を立ち上げた時からの知り合いだそうだ。今ではルーイ先生自ら、魔道具の安全性を検査し、商会に認定書を発行してくれているらしい。

その為最近は結構頻繁に会っているとか。



「お父様、もう少し早く教えていただきたかったです。恐れ多くも、主席宮廷魔法士様が私の魔法の先生ですよ。」


「ごめんごめん。私もまさか本当になるとは思わなかったんだ。いつもの彼の冗談だと思っていたんだよ。でもまあ、何かあってもリルに責任は無いから気にしないで学院生活を楽しみなさい。」



「はい。」

もう少し言いたい事はあったけれど、お父様の優しい笑顔を見たらこれ以上は何も言えなくなってしまった。

 



「そう言えば、レイズから解析魔法の魔道具化の件、もう少し時間が欲しいって言われたよ。素案が出来たら連絡するって。」


「分かりました。その内、リヴァン先生と様子を見に行ってきます。」

レイズが今回は珍しく手こずっているようだ。差し入れでも持って行ってあげよう。

 





 

「こんにちは。ルーイ先生。今日もよろしくお願いします。」


「やあ、リルちゃん。今日も頑張ってみようかー。」


 まず先生と始めたのは融合魔法発動のスピードを上げることだった。

今まで私はそれぞれ個別に属性の魔法陣を作り上げてから、その魔法陣を少しずつ融合させていた。

けれどこれからは、魔力を練り上げる段階から属性化し、それをほぼ同時に混ぜ合わせ1つの魔法陣を構成するという方法に変更した。確かにこの方法なら2段階で魔法陣を作る必要がなくなる為、スピードが上がる。

 

 でもこれがかなり難しい。同時に数種類の属性魔力を練り上げるのでいつも以上に繊細な調整が必要になる。もう2週間も同じ事を繰り返しているけれど、上手く出来ない。



「属性のある魔力を作り上げようとしてない?元々君の中にあるものを取り出すだけだよ。前に雷の魔法陣を瞬時に構成してたでしょ?雷だって水と闇の融合だよ。はい。自分の中の魔力と対話してみよー。」


そうなのだ。私は特に意識していなかったけれど、瞬時発動の融合魔法をすでに使えている。どうして意識すると出来ないのだろう。


先生曰く、人の中には6つの属性魔力が糸のように絡み合った状態で存在している為、必要な属性魔力を引っ張り上げればいいらしい。


でも私、自分の魔力に属性を上手く感じとれないんだよね。


 


 結局今日も上手くいかず、授業の時間が終わってしまった。

落胆しながら教室に戻るとウィルが優しく私の頭を撫でてくれる。

また明日も頑張ろうと思えた。










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