表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 21話 お菓子の家 の巻

作者: たかはら りょう


ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。


もしも三兄弟がヘンゼルとグレーテルの話だったら...



ある日の夜、ドンゼルとチャンテルの仲良し兄妹は、森の奥へ置き去りにされてしまいました。


夜が明けて、ドンゼルとチャンテルは、しばらく森の中をさまよっていましたが、

やがて、お菓子でできた家を見つけました。


チャンテル「ドンにいちゃん、お菓子の家よ。おいしそう!」

ドンゼル「お腹すいたし食べちゃおう!」


2羽は、パクパクとお菓子の家を食べ始めました。


そのとき、お菓子の家のドアが開いて、

おばあさんが顔を出しました。

『私の家を食べているのはだれだい?』


ドンゼルとチャンテルは、びっくりしました。


『さあ、かわいい子どもたち。おうちへおはいり。おいしいごちそうがたくさんあるよ』


ドンゼルとチャンテルは、言われるままに家に入りました。

するとそこには先客がいました。


ドンゼル「きみはだあれ?」

ゴン王子「ボクはゴン王子。ここはごちそうが

たくさんあって最高だよ」

チャンテル「あなたも迷子なの?ずいぶん色白の王子ね」


3羽は、ステーキやらハンバーグやらお寿司やら、ケーキにプリンにアイスクリームと、ごちそうをたくさん食べました。


ドンゼル「お腹いっぱいで眠くなっちゃった」

やがてお腹いっぱいになった3羽は、いつの間にか眠ってしまいました。


翌朝、目が覚めてみると、3羽はそれぞれ、檻の中にとじこめられていました。

チャンテル「これはどういうこと?」


『アッハッハ、うまくだまされたね。おまえたちを、1羽ずつ丸焼きにしたら、さぞかしおいしいだろうねえ』

おばあさんは、子どもたちを食べるとっても悪い魔女だったのです。


『でもまずたくさん食べさせて丸々に太らせよう』


それから魔女は、毎日毎日食べ物をたくさん運んできました。


ドンゼル「ぼくたち食が細いから、たくさん食べられないよ」

あまり食べないドンゼルとチャンテルに比べて、

ゴン王子は、パクパクと豪快に食べ続けました。


チャンテル「ゴン王子、そんなに食べて太ったら、すぐに食べられちゃうわよ」

ゴン王子「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

ゴン王子は、2羽にウィンクをして、ひたすら食べ続けました。


そして1週間もたったころ、

「おやおや、おまえはすっかり丸々太ったな、そろそろ食べごろじゃないか」


魔女は、ゴン王子の檻の鍵を開けました。


ゴン王子は檻から出た途端、

バッコーン!

と、魔女の顔にパンチを一発お見舞いしました。


強烈なパンチをくらった魔女は、そのまま倒れて死んでしまいました。


ドンゼル「ゴン王子すごい!」

チャンテル「カッコイイ!」

2羽は、ペチペチと手をたたいて喜びました。


ゴン王子「このくらい、軽いものさ」

ドンゼル「でもあんなに食べてばかりいたのに、どこにそんな力が」


ゴン王子「毎晩檻の中でトレーニングしてたのさ。ほら見て」

ゴン王子は、腕を曲げて見せました。

そこには、大きな力こぶが盛り上がっていました。


めでたしめでたし


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ