わたしのプロローグ
独りでいる方が楽。男なんて面倒だわ。とか、お金は自分に与えられた報酬よ、何で貢がなければならないわけ? 等々、わたしの周りの女子友はみんな、強すぎたかもしれない。
金谷みつき、もうすぐ三十路突入。読んで字のごとく、金の話は深刻。もとい、名字が金の山だからって、それが関係している訳じゃない。
とはいっても、名前でいじられることはしばしば。アクの強い友達がいたってだけ。それなのに、そんなことを言っていた友達みんな、彼氏もしくはすでに結婚してるって、ズルくないですか? わたしだけ独りって笑えない。
一流大学入ろうが、そうでなかろうが死んだらみんな一緒。なんてことをほざいていた奴がいた。それに同調して、わたしは所謂Fラン大学に入った。そいつは一流大学生だった。ついでにいうと、彼氏だった。別れた原因は細かすぎる男過ぎて、生きるのがイヤになりかけたこと。
割り勘でいいよ。それって今は大体、携帯アプリで計算してくれるから楽だったのに、ソイツは一円単位でうるさかった。うん、無理。うざい、キテる、やかましい。会計の度にそんなことになっていたので、気が狂いそうになった。おおざっぱですが、何か? それが通じない男は要りません。
「あ、そう。みつきは独りで生きればいんじゃね? 誰にも頼らずに自由にすればいい」
「言われなくても!」
きっと元から合わなかったんだ。見てくれがよくても、細かすぎる男はこっちから願い下げだっての。
これが大学時代のわたし。そこから彼氏が出来たかについてはお察し。そんなこんなで、わたしの話は始まります。
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連載ですが、短期連載となります。