プロローグ 『輪廻転生』
何も無い真っ暗な空間。空も、足をつく場所も無ければ、地平線も見えない。
そんな場所に俺、佐々木当麻と神がポツリと立っていた。
神は言う。
「貴様は俺の手違いで死んでしまった。申し訳ないと思っている」
俺は俯き、怒った。
「顔が悪いからといってそれは流石に酷すぎでは無いですか?」
神は提案した。
「ならば、貴様にどんなチートでも何でもくれて、異世界に連れてやる」
俺は顔をあげた。
「であれば、イケメンチートをお願いします! 人生イージーモードでお願いします!」
神は残念がる。くそう、無理なのか。
「イケメンがイージーモードなのは分かるが、それは出来ない。貴様には務まらない」
くっ、やはり駄目なのか。
「……でしたら、魔法の知識と、それにみあった魔法を扱える肉体を所望します」
神はようやく、ようやく頷いた。
「それならいいだろう。トウマ・ササキ。貴様には異世界の魔導知識を脳にインプットし、且つ貴様にはそれを扱うに相応の肉体を授ける。では、異世界での第二の人生、存分に楽しむといい」
俺は跪く。
「はっ、ありがとうございます」
意識が遠退き、視界が真っ暗になった。
さっきから暗いな。