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アントナイト~蟻ほどの騎士~  作者: 花言葉
カール公爵の反逆
30/33

 その頃、アルーは、馬の上に乗っていた。

(たくっ、エリーゼ、投げるのうまいじゃないか)

 エリーゼは、うまくアルーを馬車の上に投げていたのだ。

(今、出て行くわけにもいかないし、しばらく様子を見る事にしよう)

 アルーは、アリの姿で、馬車の中に入った。

「ラカシアの王は、喜ぶだろうな」

「でも、アーヌストの王国の方々に、これがばれてしまったら、戦争は起こせないでしょうね」

「大丈夫、ばれてないさ」

 カール公爵は、もう地位が手に入ったような態度だった。

(いまから、あんたは、罪人になるんだよ)

 アルーは、心の中でそう思っていた。

「ラカシアまで、後、十五キロか、早くついてくれたらいいのにな~」

 カール公爵の向かいに座っている、ひげの生えたおじいさんがそう言う。

(そろそろ、出ていくか)

 アルーは馬の上に乗り、着地して、体を大きくした。

「とまりなさい」

 馬車の前に立ちはだかった。

「何だ!」

「人を引いてはいけませんよ、今すぐ止めなさい」

 馬車は、止まり、カール公爵が降りてきた。

「カール公爵、アーヌスト王国の騎士です。あなたに罪があると、エリーゼ姫から聞きました。もう一度城で話をしたいと、ファルド様が言っておりましたので、伝えに参りました」

「あの小娘」

 カール公爵は、悔しそうにそう叫んだ。

「私が、このままラカシアに向かえば問題なかろう」

「あなたの罪をエリーゼ様の口から言われれば、あなたは、ラカシアからもいらないものでしょう」

 アルーは、目を光らせてそう言うと、カール公爵は、慌てて。

「そうなのか、大変だ。せっかく築き上げた地位が~」

 カール公爵は、崩れ落ちた。

「待てよ、まだ、挽回のチャンスはある、小娘の言う事よりも私の言う事が尊重される状況を作り出して、戦争を仕掛ければ……」

 カール公爵は、目を血走らせてそう言う。

「まだ、そんなことを言うの? 無駄だと思うけど」

 アルーが言うが、カール公爵は、聞き耳を持たない。

「とりあえず、アーヌストの城に戻ろうか」

「そうしよう」

 アルーも馬車の従者席に座って、アーヌスト王国へ引き返して行った。カール公爵は、作戦を練っている様だった。

(うまく行くわけがないのに……)

 アルーは、カール公爵の欲深さに呆れていた。


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