表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アントナイト~蟻ほどの騎士~  作者: 花言葉
束の間の休憩
16/33

 町宿に着くと、エリーゼは、ベッドに寝かされた。

「よく眠ってね」

「うん」

 エリーゼは、夢の中だった。

「もし、アントナイトが見つかったら、アルー、お前に騎士を変わって欲しいと思っている」

 ルシードの声がする。

「何で? 僕は、情報屋なんだよ。騎士ではないし、力もない。君の代わりなんて勤まらないよ」

 アルーの声がする。

「もう少しだけ考えてごらん、ルシードさん、あんたエリーゼちゃんに本音をぶつけたことがある?」

「……」

 アルーは部屋から出て行った。

「エリーゼ様、こんな状態になっても、俺は、何もしてあげられない」

 エリーゼは、頭がボーとする中で、ルシードに向き合った。

「ルシードは、私が可愛いお姫様だから好きなんでしょ」

「確かに、エリーゼ様は、かわいいです。ですから、どんな時でも側に居たいと思ったのです」

 ルシードは、エリーゼを寝かせ、子守唄の様に。

「あなたは、私が下級騎士のころ、よく騎士小屋に迷い込んでいた。「迷子なの?」って訊くと、「ううん、遊びに来たの」と答えましたね。その時、あなたの腕は震えていた。そう、迷子だったのでしょう。それなのに、「お兄さん、ケガ痛そうね」とケガの手当てをしようとしてくれました。その時からずっと好きなのですよ。付き合いたいと言うよりも、幸せにしたい、幸せになって欲しいと思っていたのでしょうね」

 ルシードは、そう言って離れようとした。

「待って、ルシード、私が悪かった。あなたは、下心だけしかないと決め付けていたわ。私、ルシードの事誤解していた」

 袖をつかんでそう言った。

「よかった。エリーゼ様に必要としてもらえた」

 ルシードは、うれしそうに、泣きそうな顔をして笑った。

「ルシード……」

 じーっと見つめると、ルシードが真っ赤になり。

「あの、そんな潤んだ瞳でみつめられると……わかっていますよ、お疲れで熱があるんですよね」

 もう一度、ジーと見つめる。

「キス位しても怒りませんよね」

 ルシードにあごを優しくつかまれた。

「あー、ルシードさん、何しているんですか! エリーゼちゃんは、熱があるんですよ、抵抗できないからって、そんなことしちゃう?」

「なっ、アルー」

「僕は、別にいいんですけど、エリーゼちゃんが可愛そうだと思いましてね」

 アルーは、おかゆを作って来たらしく、枕元に置く。

「エリーゼちゃん、ご飯食べれる?」

「う、うん」

 ぼーと、アルーを見つめる。

「確かに、この眼で見られるのは、辛いかも……」

 アルーは、大きめのスプーンをエリーゼの口へ運ぶ。

「どう? 食べられそう?」

「うん」

「アルーは、医者とか、薬師でもしていたのか? 妙に気が利くよな~」

 ルシードが負け惜しみのようにそう言うと。

「ああ、ただの旅人だよ、旅って言うのは、自分の健康管理ができないとすぐ死ぬよ、一人旅だったから、特にそう思った」

「そうか」

 アルーのリュックは、二つ、斜め掛けのいつでも取り出せるようになっている物と、普通のリュック。

「そういえば、アルーは滅多にリュックを降ろさないよな」

「色々、入っているからね」

 アルーは、楽しそうに言う。

 エリーゼは、アルーにおかゆを食べさせてもらい眠った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ