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アントナイト~蟻ほどの騎士~  作者: 花言葉
束の間の休憩
15/33

 しばらく歩いて、乗合馬車の乗り場が見えて来た。

「休もうよ~」

 エリーゼは、旅と言う物に、ひどく疲れていた。

「エリーゼ様、大丈夫ですか?」

「疲れたんだろ、知らないところばかり行くから、どこかゆっくり休める所で寝ないと、その疲れはとれないだろうな」

 アルーは、エリーゼの様子を見てそう言った。

「少し、熱があるかもしれないな」

 アルーが額をくっつけて来た。

「うん、少し熱い、次の町で休むべきだな」

 アルーは、持っていた瓶を開けて、エリーゼに渡した。

「とりあえず、疲れた時の葛根湯と言う薬だ」

「ありがとう……って、にがい!」

「薬はね、昔から苦い物って決まっているの、ガマンして飲んで」

「うん」

 エリーゼは、グイッと飲み干した。

「偉い、偉い」

 アルーがエリーゼの頭をなでる。

 ルシードは、イライラしている様だった。エリーゼが、アルーに懐いているのが、気に喰わないのだろう。

(だって、ルシードは、少し苦手なの)

 今まで、少しだけ一緒にいる用事ばかりだったので、ガマン出来たが、四六時中一緒にいる今の状況では、ガマンしきれないのだ。

 いつの間にか、乗合馬車が入って来ていた。

「三人乗ります」

 ガタガタ揺れる馬車に気分が悪くなっていると、アルーが背中をさすってくれた。

「苦しいかもしれないけど、がんばれ」

 アルーは優しく声をかける。

 ルシードは、ただ、見ているだけだった。


   ☆ ☆ ☆


 二十分後、小さな村に着いた。

「エルドール村だ」

 野菜がたくさん育っている、大きな平地。とても、日当たりが良く、野菜が笑っている様だった。

「ここなら、ゆっくり休める。三日位、ここに泊まろう」

「うん」

 エリーゼは、熱があり、ふらふらだった。

「エリーゼ様……」

 ルシードは、抱き上げようとしたのか、手を差し伸べて来た。しかし、エリーゼが手を取ったのは、アルーの方だった。

「エリーゼちゃん、肩しかかせないけど、がんばって」

「うん」

 ルシードは、もどかしそうにしていた。

(ルシード、怒っているかな?)


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