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アントナイト~蟻ほどの騎士~  作者: 花言葉
ドワーフの穴
12/33

 エリーゼが、取り調べをされている最中、ルシードとアルーは、牢の中でいがみ合っていた。

「エリーゼ様が殺されたらどうするつもりだ」

「落ち着いて、ルシードさん、僕も牢に女の子がいないのは不服だよ」

 アルーは、つまらなさそうに言った。

「何を考えている。エリーゼ様が好きなのか?」

「どうかな? まだ、会ったばかりだしな~」

「そ、そうか」

 ルシードは、顔を赤くして話し出した。

「エリーゼ様は、小さなころから、お可愛らしくて」

「姫は、出来れば、かわいい方が良いものね、仕える方の気合の入り方だって変わってくるからね~」

 アルーはルシードを冷めた目で見てそう言った。

「それだけじゃない、エリーゼ様には、ついて行こうと思える力強さが生まれつきあります」

「君が従う理由は、その強さ?」

「まあ、そうとも違うとも言えないな」

「ふ~ん」

 アルーは少しエリーゼの事を考えてみた。

(乗合馬車で気を失う、世間知らずな姫だ。だが、ドワーフと会ってから彼女は、泣いたりしただろうか? むしろ、力強く、自分を差し出すと言った)

 ただの弱い姫じゃなさそうだ。

 アルーは、もう少しエリーゼを観察することにした。

「エリーゼ様と恋仲になってですね、夫婦に成れたらどんなにステキか……」

「君、王にでもなりたいのか?」

「違う、私は騎士だ。一生エリーゼ様だけのナイトでいるんだ」

「ふ~ん、ナイトね」

 アルーは、冷たくそう言った。

「次、ルシードさんの取り調べみたいだよ」

「は、はい、今、行きます」

 ルシードは、威厳なく牢を出て行った。

「エリーゼは、面白い女の子なのかもしれないな、もう少しだけ、一緒に旅してみようかな?」

 アルーは、さっぱりした表情でそう言った。

 ルシードが取り調べから帰ってきた。

「さて、僕も行きますか」

 アルーは、取調室へ入って行った。


  ☆ ☆ ☆


 アルーの取り調べが終わった途端、ルシードも牢から出された。

「二人共、勘違いで捕まえて、失礼だった」

 ドワーフは、謝り出した。

「アルー、一体お前、どうやって説得した」

「ヒミツ」

 アルーはニヤリと笑った。


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