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アントナイト~蟻ほどの騎士~  作者: 花言葉
ドワーフの穴
10/33

 そして、暗い牢に入って一時間が経った。地下は寒く、震えていた。

「エリーゼ様、ウェルカム」

 ルシードが、一肌で温めるので、こっちに来いと言っている。

「いやよ、いや、ルシードに温めてもらうなんていや!」

 エリーゼは、断固拒否した。

「アルー、どうにかしてくれ」

「じゃあ、僕になら、大人しく温められたい?」

「うん」

 エリーゼは、深く考えず頷いた。そして、アルーに抱きしめられていた。

「ルシードさん、今まで一体何して来たんですか? エリーゼ様が嫌がると言う事は、何かしたのでしょう?」

「何もしていない、ただ、エリーゼ様が大好きなだけで、今もギュッと抱きしめてあげたいと……」

「……それは、下心丸出しの男じゃ怖いよね、エリーゼちゃん」

「うん」

「……」

 ルシードは、とても落ち込んでいた。

 アルーにギュッと抱きしめられて、数時間が過ぎた。

「おい、お前ら、話をしよう」

 ドワーフがやっと声をかけて来た。

「お前達は、何のためにここに来た?」

「アントナイトを探しに来たのです」

 エリーゼは強気でそう言った。

「うそをつくな、財宝でも探しに来たのだろう? 残念ながら私達の住処に財宝などないのだよ」

 ドワーフは偉そうに言った。

「まるで財宝があるみたいな言い方だな」

 アルーがそう言うと、ドワーフはこちらを睨み、警戒した。

(やっぱり、財宝はあるんだわ)

 ドワーフは、財宝を護りたいだけで、危害を加える気は無いのだと思った。しかし、次にドワーフは、「お前達三人を死刑にしてやる」と言い放った。

「な、なぜ?」

「財宝があると言って、大人数で攻めて来る前にお前達を殺す」

「そんなのだめ」

 エリーゼは、一生懸命訴えるが意味はなかった。

「エリーゼちゃん、ドワーフの村に財宝がある話は、有名なんだ。だから、時々、狙う奴がいるんだよね。実は、ドワーフは、そのうわさが有名な事を知らないんだよね」

 アルーはだるそうにそう言った。

「つまり、とばっちりを受けたのね」

「そういうこと」

 アルーは、冷静にそう言うと。

「さて、ドワーフを説得する方法でも考えるか」

 やっと本気になったようだ。

「あなたって命が関わらないと本気を出さないの?」

「ええっと、そうかもね、死にたくはないから」

 アルーはウインクしてそう言った。


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