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そして、暗い牢に入って一時間が経った。地下は寒く、震えていた。
「エリーゼ様、ウェルカム」
ルシードが、一肌で温めるので、こっちに来いと言っている。
「いやよ、いや、ルシードに温めてもらうなんていや!」
エリーゼは、断固拒否した。
「アルー、どうにかしてくれ」
「じゃあ、僕になら、大人しく温められたい?」
「うん」
エリーゼは、深く考えず頷いた。そして、アルーに抱きしめられていた。
「ルシードさん、今まで一体何して来たんですか? エリーゼ様が嫌がると言う事は、何かしたのでしょう?」
「何もしていない、ただ、エリーゼ様が大好きなだけで、今もギュッと抱きしめてあげたいと……」
「……それは、下心丸出しの男じゃ怖いよね、エリーゼちゃん」
「うん」
「……」
ルシードは、とても落ち込んでいた。
アルーにギュッと抱きしめられて、数時間が過ぎた。
「おい、お前ら、話をしよう」
ドワーフがやっと声をかけて来た。
「お前達は、何のためにここに来た?」
「アントナイトを探しに来たのです」
エリーゼは強気でそう言った。
「うそをつくな、財宝でも探しに来たのだろう? 残念ながら私達の住処に財宝などないのだよ」
ドワーフは偉そうに言った。
「まるで財宝があるみたいな言い方だな」
アルーがそう言うと、ドワーフはこちらを睨み、警戒した。
(やっぱり、財宝はあるんだわ)
ドワーフは、財宝を護りたいだけで、危害を加える気は無いのだと思った。しかし、次にドワーフは、「お前達三人を死刑にしてやる」と言い放った。
「な、なぜ?」
「財宝があると言って、大人数で攻めて来る前にお前達を殺す」
「そんなのだめ」
エリーゼは、一生懸命訴えるが意味はなかった。
「エリーゼちゃん、ドワーフの村に財宝がある話は、有名なんだ。だから、時々、狙う奴がいるんだよね。実は、ドワーフは、そのうわさが有名な事を知らないんだよね」
アルーはだるそうにそう言った。
「つまり、とばっちりを受けたのね」
「そういうこと」
アルーは、冷静にそう言うと。
「さて、ドワーフを説得する方法でも考えるか」
やっと本気になったようだ。
「あなたって命が関わらないと本気を出さないの?」
「ええっと、そうかもね、死にたくはないから」
アルーはウインクしてそう言った。




