ステータス
翌朝。パーティの募集をするべく冒険者ギルドへと向かった。冒険者ギルドでは様々なクエストを発行していたり、パーティメンバーを募集したりする場所だ。
さっそく建物の中に入り、カウンターの向こうにいる受付嬢の側まで近寄った。
「ご用件は何でしょうか?」
「メンバーの募集をしたいんだ。もしくは募集しているパーティがあれば紹介してほしいんだけど……」
「分かりました。では冒険者カードの提示をお願いします」
「えーっと……はい、これね」
冒険者カードには俺のステータスが載っていて、自身が冒険者だと証明するための物だ。これがないとクエストを受けられないし、報酬も受け取ることができない。
ちなみこれが俺の冒険者カードだ。
■名前
アルゼスト
■職業
聖騎士
■レベル
32
■ランク
B
■スキル
ヒール
バッシュ
リフレクトシールド
ホーリーボール
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・
・
と、このように様々な情報が載っている。
「お待たせしました。では冒険者カードを元に、アルゼスト様に近いレベル帯で募集を行いますね」
「ああ、頼む」
3年間ずっと同じ面子でクエストやダンジョンに行ってたからな。こういうパーティ募集は久しぶりだ。
とりあえず、しばらくそこらで暇を潰してこよう。そう思って動こうとしたが――
「よう。アルゼスト。まさかこんなに早く再会するとは思わなかったぜ」
「コレオ……」
どうやらコレオ達3人もクエストを受けに来ていたようだ。なんとタイミングの悪い……
「奇遇ですねアルゼストさん。僕達もさっき来たところなんですよ」
「てゆーか。ほんと亀みたいだよね。前から思ってたけどダサくなーい?」
俺は盾を背負っているからな。そんな格好だから亀を連想してしまうのだろう。
「おいおい、リアーヌ。失礼だろう。大事なのは格好じゃなくて性能だろうが。大体リアーヌだって似たようなもんじゃねーか」
笑いながらコレオが反論する。
リアーヌも背中に弓を背負っているからな。
「アタシのはスマートだし? あんなにダサくないもん」
「センスは人それぞれですから……」
「でもまぁ。たしかにアルゼストにはお似合いの格好だな。いつも鈍足だし」
「言えてる~!」
……もういいや。さっさとこの場から離れよう。ここに居ても不愉快になるだけだ。
3人の笑い声を背にして、冒険者ギルドから出て行くことにした。