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夜のお城でディスカッション!

「……」


 久しぶりに客を呼んだマイホームは小汚ない。ギシギシと風に揺れる窓は戦慄き、すきま風を通す壁。これETCつけたら……、もういいか。

 チラッと時計を見ると十時。午前ではなく午後十時。古舘さんが熱弁を奮い始める頃だ。今日日曜だ。


「ねぇ、あなたのお仲間はまだなの?」


 卓を挟んで向かいの座布団に座る女性が声をかけてくる。

 赤みのかかった黒髪を払う女性は昼間とは印象が全く違っていた。リクルートスーツでビシッと決めた様はなかなか画になる。ただキツそうなイメージは高まっており、もはや完全武装。


「そぅ……ですね。社長の到着はもうすぐかと」


 わざとらしく時計を見て答える。

 俺の返答を聞いて、女性は出された湯呑みを啜った。それに続いて後ろに控えるスーツ姿の男性も湯呑みを啜る。

 「お前ら誰だよ。オラ通報すっぞ!」とか言いたいが、状況が状況だ。恐らく彼らも無関係ではないのだろう。


「私が聞いているのはプリンセスのことよ。社長なんて要らないから、姫を呼んでいただけるかしら?」

「と言われても、話し合いならば関係者全員がいた方がいいでしょう?」


 「もう少し待ちません?」などと言うと女性は大人しくした。しかし爪先で卓をカツカツと鳴らしている。ご立腹のようだ。

 それも無理はない。社長は、


「九時頃行くから用意しとけよ!」


 なんて言っておいて一時間も遅れている。あの人の体内時計どうなってんだよ。

 気まずくなる雰囲気から気を逸らそう。

 まずはここに至るまでの過程でも振り替えったら解決策があるのではないか──?



――  ――  ――  ――  ――  ――




「あなたはプリンセス?」


 目を丸くして姫をプリンセスと呼ばわる女性。このただの顧客であった女性が言った言葉を頭の中で反芻する。


 結論、ちょいと面倒。


 そして先手は取った。


「姫、逃げるよ!」

「あいさー」


 姫に一言かけて地面を蹴り出す。小脇に小柄な姫を抱えて屋根をかける。普段は決してしない奥の手で逃走を謀るが、やはりそうは問屋が卸さない。

 やはり相手方も追いかけるだけの能力は持っていた。

 屋根の上での追いかけっこが始まる。


「待ちなさい! 待てって!」

「待てって言われて待つ逃走者はいないって!」

「きっちゃんレリゴー!」


 口々に適当なことを言い散らして駆ける。誰かに見られようものなら一大事だ。オカルト番組に呼ばれて人気者! ……マジで笑えねぇな。


「姫、ちょいと本気出すから割りとマジで掴まっててね」


 ボソッと姫に一言かける。姫は一瞬耳を疑うかのように聞き返そうとしたが、その後すぐに声を荒げた。


「えっ? きっちゃん、それはタンマ、まだ心の準備がぁぁ!」


 姫の絶叫を引き連れて疾風と駆ける。背中にいた女性の影は遥か向こうに遠くなり、残ったのは腕の中の姫と微かな疲労。


「ごめんね、姫。善は急げってことで許して?」

「う、うん。たまにはジェットコースター乗るべきだね、夢の国に行く手間が省けたよ」


 強がりつつも目を回す姫。

 これは天に召されかけておりますね。


「その代わり夢の国に召されかけてる気がするよ。本当にごめんね、姫」


 項垂れる姫は超かわいいというデータを頭に書き込んで姫を下ろす。


「じゃあ俺は仕事に戻るから、姫は大人しく家に戻るんだよ」

「ほーい」


 そうやって姫と別れる。崩れたスーツを整えて気合いを入れ直す。

 するとポケットの携帯が震えた。


「おっと、電話か。電話には出んわってな」


 なんだこのテンション、訳分かんねぇな。しかしその程度には思考が麻痺ってるのだろう。モモンのみを食べるか。あれ? チーゴだっけ?


「もしもし、社長? ちょうどいいや。少し報告しておかなければならないことが出来ました」

「おう、奇遇だな。俺もお前に用件があるんだよ」

「? まぁ用がなければ電話はしないですよね? 何です?」


 軽い気持ちで問いかける。社長は一息吸って声を出した。


「顧客からのオファーだ。今晩お前の家に突撃するから覚悟しろよ!」


 ……。は?


「ちょっ、社長。話が見えない」

「九時頃行くから用意しとけよ!」

 プツン。ツーツー……。

「訳分かんねぇ!?」



――  ――  ――  ――  ――  ――



 ──え? 何の問題解決も見つからないんですけど。結局分かったのは社長の横暴さくらいか。

 何はともあれ、彼女の家のポストに入れていた名刺から会社に電話し、会社を経由して俺に電話が来たようだ。不覚っ!


「ねぇ、社長さんはまだかしら?」


 女性がさらに苛立った声音で問うてくる。


「もう少々だけ……。えっと……、お名前は?」

足立あだち、今はその名前で暮らしているわ」

「もう少々お待ちください足立さん」


 湯呑みに次の緑茶を注ぐ。後ろに控えている二人組の男達にもお代わりを淹れた。


「よお! 少し遅れたな、悪い悪い!」


 豪快に笑いながら、つまり、何が楽しいのか大爆笑しながら社長が到着した。


「社長! 少しじゃないですよ。どれだけ先方をお待たせしてると思って」

「喧しいな。たかが時計一回転じゃねえか」

「その一回転の重みを知ってください」

「龍……。世の中にはな、『適材適所』って言葉があるんだ」

「『だから俺に求めるな、諦めろ』とか言わないでくださいよ。社長が社会不適合者とか嫌ですから」

「ちょっと、いいかしら?」


 玄関先でガタガタと言い合う間に、冷水の如く降り注いだ声は、足立さんの声だ。


「コント中に悪いけど本題に入りたいの。よろしくて?」

「おう、そうだったな。とっとと終わらせようか!」

「何で社長が偉そうに……」


 廊下に出た三人が客間に戻ろうとしたとき、足立さんに肩を掴まれた。


「ん」

「ん?」

「ん」


 アゴで階段をクイッと。これがアゴクイですか?


プリンセス呼んで来なさいよ。全員揃ったでしょ」

「……マジか」

「マジよ」


 こうして夜を徹した吸血鬼会議(初耳)は幕を上げた。






「それでは会議を始めましょう」


 切り出した足立さんの声音はしゃんとしている。正座する姿勢は真っ直ぐで、目線を逸らしてしまうほど鋭い。


「あの……、まだ話の展開が分からないんですけど」

「……zzz」


 小さく挙手して問いかける。分からないことはすぐに聞かないとね。「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」ってね。


「ちょっと姫を起こしてもらえる?」

「あ、はい……。姫ー、起きてー」

「……むむ」


 ガッツリ寝ている姫を傷心しながら起こす。ごめんね姫、足立さんが恐いんだ。


「で、そちら側の意見は大体聞かせてもらったが、どうも飲み込めんな」


 俺と姫を横目に社長が勝手に会話を始め出した。


「あら、吸血貴の貴殿なら理解していただけると思っておりましたが」

「昔のわしならそうだったいたかも知れんが、今は社長だ。この社会に溶け込むのも悪くないと思っておる」

「それは貴方だけではなくて? 会社を経営して裕福で、今の生活に満足しているのは限られた者だけよ!」


 後ろの連れの男二人が頷く。語調が強くなる足立さんは、前のめりになりながら熱弁を続ける。

 で、何の話?


「きっちゃんきっちゃん、何の話? 会社のストライキ?」

「俺聞いてないよ? ストライキだったら喜んでやるのに」


 でもストライキではないだろう。足立さんのような人は会社で見たことがないし、聞いている限りもっと大きな話のようだ。


「それじゃあクーデター?」

「いやいや、それは規模が大きすぎるでしょ」


 ないない。今さら吸血鬼のクーデターなんて何百年も前に潰えたことが平成の世の中であるはずがありませんよ。あり得ない、クーデターアリエナイ。

 俺と姫が頭を捻っているとき、社長と足立さんの論争は激しさを増していた。


「──クーデターよ!」


 ……へ?


 今足立さんの口から「クーデター」とかいう物騒な死語が飛び出たような。


「落ち着きたまえ。今さら吸血鬼のクーデターなど通用せん時代だ」

「意味はあるわ! 一矢報いることはできる。この社会に傷跡を残すのよ!」


 冷静に対処する社長と、業火のように叫びたてる足立さん。今までのイメージとは一変してかなり感情的になって、これはこれで恐い。


「まさかこの『吸血鬼会議』って、クーデターの話し合いだったりします?」


 燃えたぎる足立さんに訪ねる。

 焼き殺されそうな視線を向けてきた足立さんは「そうよ!」と怒号を飛ばして返事をする。八つ当たされた……。


「だったら止めておきましょう。クーデターなんて今の状況でできる筈がない」

「……その事は問題ないわ。私たちには切り札があるじゃないの」

「どういうことです?」


 ふと熱が冷めた足立さんは、黒髪をフワリと流して長い指を伸ばした。


「ほぇ?」


 指を指された姫は、思いもよらないご指名に垢抜けた声を出す。


「彼女、正真正銘の『吸血姫』がいるじゃない。彼女を新たな女王として前面に押し出したら、身を潜めている吸血鬼は集まる筈よ」


 不敵な含み笑いで、己の作戦を宣言する。


「それって……」

「ええそうよ。新たな吸血鬼の国を作るのよ!」


 足立さんはどこか誇らし気な表情だ。連れの男たちは声は出さずとも満足げに頷く。


「そうじゃないだろ。姫を前に出すってことは、全てを姫に押し付けるってことだろ?」

「そうだ龍。だからわしも賛成せんかった。今のわしらに必要なのは革命じゃない。協調だ」


 社長が太い腕を組んで俺の意見に補足を加える。しかし足立さんは引かない。


「話がこうなるのは見えていたわ。けど、多数決で言えばまだ私たちの方が有利よ。三対二といった所かしら?」


 口元一杯の、皮肉にも美しい笑顔で足立さんは言う。足立さん一票、後ろの男たち二人で占めて二票。

 対してこちらは俺の一票と社長の一票。あくまで姫に意見を言わせるつもりらしい。そしてその意見をねじ曲げてでも引き寄せようとするのだろうか。


「さぁ、プリンセス。貴女の意見を、思いを聞かせてちょうだい!」


 再び火の着いた足立さんは黄金の双眸で姫を見据える。

 燃える白刃を向けられた姫は、視線を落としながら答える。


「私は……、喧嘩はいけないと思う。やるべきではないことには反対」


 足立さんの圧力に圧されて、姫の声は今にも消えそうな蝋燭のようにか細い。一方の足立さんはその火の勢いを衰えさせることなく弁舌を振るう。


「私たちは、ずっと昔から苦しんできたの。単純な理由よ。他の人と違うから。逃げて逃げて……、果てまで逃げてここに来たの。それでも楽な道のりじゃなかったってことは分かるわよね」


 何かを悟ったかのように話し出す足立さん。姫を説得するようでそうではない。


「貴女だって感じるときがあるでしょ? 例えば、私たちは人間と違う時の中にいるのよ」

「っ!」


 そこで姫が微かに動いた。今姫が持つ周りとの最大のコンプレックスだ。小学校の時期にそれに悩まされ、やっと中学まで来た。

 それでも思い軋轢は、姫の心に響くには十分すぎるだろう。


「止めんか! 姫の答えは出ておる、これ以上の話し合いはなしだ。とっとと帰れ!」


 危機を察した社長が巨体を起こそうとするが、足立さんの連れの男たちに押さえ込まれる。


「ぐぅ……。貴様ら、ただの吸血鬼ではないな」

「もちろん、クーデターだの言うのならば力が必要でしてよ。彼らは人間式の戦闘法『CQC』を体得しました」

「軍人ということか……。龍! 仕方ない、お前がやれ!」


 社長に俺が呼ばれると、男の一人がこちらに臨戦態勢を取った。


「待って!」


 間に飛び込んできたのは姫の叫び。先程までの弱々しい声から一転、姫は何かを決意したのか紅眼で足立さんを見据える。


「足立さん。あなたはどうしたいの?」

「……え?」


 姫の突然の質問に虚を衝かれる足立さん。答えはすぐに出てこない。


「あなたはクーデターをしたとしてどうしたいの? 今までのことはリセット出来ないし、時間は戻ってこないよ?」

「そっ、そんなのいらないわ! 私は人間に吸血鬼としての誇りを見せてやるのよ。この世に、隣にいるかも知れない吸血鬼の存在を強く刻み込んでやるの! それだけでも意味のある反旗じゃなくて?」


 激情と冷静さが入り乱れる足立さん。本人も突然の質問で動揺しているらしい。

 足立さんの一連の答えを聞いた姫は、優しく微笑んだ。


「私はね、友達にノートを借りたわ」

「……へ?」

「今度返しに行かなくちゃならないの。それに音楽の授業でペアも組んだし、掃除だって当番でやらなくちゃいけない」

「……プリンセス、一体何を?」


 姫の言葉に疑念を抱いた足立さんは身構えながら問い返す。


「だから私はこの社会に居たいわ。今、決めたよ。私は明日も学校に行く」

「……」


 言葉もなしに、強く握られた足立さんの手がほどけた。

 真っ直ぐで、歪みのない視線は足立さんの心を撃ち抜いた。この世に絶望した心を癒し、凍り付いた心をゆっくり溶かし、燃える激情を静かに鎮める。そんな姫の真心が、足立さんを少なからず変えたのではないだろうか。


「……あれ? 何で私、泣いてるのかな?」


 静かに流れる涙を不思議に拭う。それでも止めどなく溢れる雫に膝を折り、とうとう膝に顔を沈めて泣き出す足立さん。張りつめた糸が緩んだのだろう。


「ふっ、ふざけるな! 俺はやるぞ、例え殺されようとも吸血鬼の恐ろしさを世界に思い知らせてやる!」


 さっきまで俺と睨み合っていた男Aが声を荒げる。


「俺もだ。何のために人間に戦いを乞うたと思う。この数百年に渡る屈辱果たさずにいられるか!」


 社長を押さえ込む男Bも叫びを上げて、猛る。

 今にも暴れだしそうな二人を見た社長は、精一杯の言葉で俺に向かって叫んだ。


「龍、やれ!」


 社長の号令に合わせて二人の視線がこちらへ向く。


 ──俺がいた筈の場所を向いた。


「っ!」


 無音の所作で男Aの脛椎をトンッ。気を失った男Aは顔から倒れる。


「えっ?」

「なっにっ!?」


 目を疑う足立さんと男B。危機を察した男Bは社長から離れ、懐から拳銃を出した。


「この野郎!」


 有無も言わせず発砲。弾ける音に一同は耳を塞ぎ顔を歪める。男Bは反動を受けながらもしてやったりという顔だ。

 だがそれもその程度。


「ああああり得ない! 銃弾を掴んだ!?」


 カランと投げ捨てられた銃弾を見て男Bは目を丸くする。

 そして俺の怒りが最高潮に達した。後は感情に任せるだけか……。


「壁に穴が空くだろうが!」


 おりゃぁぁぁ!


 最早全身全霊。これ以上壁から風が入り込むのは御免だ。


「つ、強い……」


 号泣だった足立さんが涙を止めて唖然としている。

 姫に呼ばれて我に返る。


「穴を空けられたら修理させるチャンスだったのにねー」

「はっ!? その手があった!?」


 意外! それは修繕費の詐取っ!

 くそ! 後悔先に立たずか!


「何でこんな人が、こんな……。え? これ何?」

「まぁ驚くのも無理はないわな。ぃてて……」

 戸惑う足立さんに、老体を起こしながら社長が何か語りかける。

「龍は凄いだろ」

「……はい。どうしてあんなのが、あんななんです?」

「『吸血騎』ってのは知ってるか? 吸血の騎士」

「王宮内で最も強い吸血鬼に与えられる称号、ですよ、……ねぇ!? まさか!」

「そのまさかだ。龍は歴代最強と謳われた吸血騎。なのにあんな感じの駄目男になったのは、きっと姫のお陰だろうな」

「吸血騎を変えた、プリンセス……」


 お? どうやら足立さんも復活したらしい。社長と何を話していたのかは鮮明には聴こえなかった。


「社長、お身体は大丈夫ですよね。そりゃよかった」

「おい、少しは気配らんか。シバくぞ」


 そして丸太のような腕でどつかれた。何だよこの超ヘビー級パンチは。アラスカのグリズリーかよ。


「それにもう片方の腕は負傷した」


 え? マジで? 超嬉いんですけど。


「だから明日からわしの分も働け」


 え? マジで?


「どういう理屈ですか!」


「ええい、小さいことで五月蝿いな!」

「小さいことが積もっているんですよ! もういい! こうなったらストライキだ!」


 やるぞ。俺は一人でもやるぞ。ってそれはストライキじゃねぇや。

 何としてでも社長という名の絶対王政を、邪智暴虐の社長を取り除かなければならぬ! と決意して走り出そうかと思う頃、姫が呆然とする足立さんに歩み寄る。


「きっちゃんも社長も楽しい?」

「ええ、凄く馬鹿馬鹿しいわね」


 そしてクスリと笑った。今までで一番の笑顔は、まるで長年の蕾が、やっと花咲いたようだ。そこに本当の彼女を見た気がする。


「今からお茶でもしようよ? きっちゃん、何か出して!」


 合点承知の助! 返事をして台所へ行く。……トマトジュースしかねぇや。


「こんな夜中からいいのかしら? 迷惑じゃ……」


 足立さんが承諾を渋るが、姫が最後の一押しだ。


「いいのいいの。吸血鬼は夜に騒いでなんぼでしょ、あだっちゃん」


 出た~! 姫のジゴロ戦法『ニックネーム』! あんな美少女にニックネーム付けられたら誰でも落ちるわ。……後で男子のクラスメート調べ尽くして片付けねぇと。


「ありがとう姫。……どうせならもっと可愛いニックネームをちょうだい」


 ニッコリとした足立さんは、先程までの荒れ狂う様子は微塵もない。誰が見たって「淑女」の一言に尽きるだろう。


「オッケー、あーちゃん!」

「ありがとう、プリンセス


 どうやら一件落着。これからは吸血鬼のパーティーが始まる。


「よし! 『吸血鬼の吸血鬼による、吸血鬼のためのトマトジュースパーティー』始め──」

「龍! 俺にはビール頼む!」

「龍さん、私もそれで!」

「きっちゃん、私コーヒー牛乳~」


 俺が乾杯の号令を取ろうと缶ジュースを掲げると、各々好き勝手なオーダーを始めた。

 ってトマトジュース以外ないんですが……。


「「「コンビニへGO!」」」


 寸分違わずGOサイン出ました~!



 結論を言おう。夜にテンションのピークを迎える吸血鬼にとって、24時間営業のコンビニは必須なものになったとさ。めでたしめでたし……、トホホ。

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