第0話 アンノウン
厨二的設定、及び表現がたっぷりと入っています。あらかじめご了承ください。
また、軍事的知識に乏しい方は、置いてけぼりをくらう可能性があります。ご注意ください。
2014年 8月 太平洋上空 「〝ホワイトアロー〟」
2014年ももう後半に入った頃、その「線」は現れた。いや、「面」と言うべきかーーー。その妖しい「壁」は、突如太平洋に現れたのだ。
何の前触れも無く。ただ、気がつけばあったというような具合で。恐らくソレ自体は無色なのだろう、太平洋と積乱雲と空の断片が、ソレを境として歪んでいる。
『こちら、米軍調査艦隊旗艦、空母〝ホワイトローズ〟。〝ホワイトアロー小隊〟、応答を』
「こちら〝ホワイトアロー1〟。機体は正常だ。問題ない。・・・アンノウンも見えている」
ソレがアンノウンと呼ばれるのも仕方ないことだろう。この世では、誰一人としてソレの実態を知る者はいない。アレは神がくれたサインだ、とか、宇宙人の仕業だ、とか噂が交錯していたが、証拠すら無いから何とも言えないのだ。第一、仮にソレが実態の知れたモノなら、俺たち調査艦隊は動いちゃいない。
『ホワイトローズよりホワイトアロー、哨戒飛行を開始せよ。ホワイトローズは停止し、情報収集を開始する』
「ホワイトアロー了解。ホワイトアロー1より2〜5は俺に続け」
洋上の歪みが大きくなっていく。いざ右へ旋回するとき。「向こう側」が揺れた。
そして。
ホワイトアローは、全機消息不明となった。
ちなみに、ホワイトローズはニミッツ級航空母艦、ホワイトアローはF/A-18ホーネットです。