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耳からほどけて

作者: 大和
掲載日:2026/10/13

『耳からほどける、秘密のリラクゼーション』

女性向けシチュエーションボイス台本

男性エステティシャン × 女性客

耳つぼマッサージ

想定上演時間:15〜20分(施術音・間を含む)

登場人物:男性エステティシャン1名




本編


(SE:静かなドアの開閉音、落ち着いた店内BGM)


「いらっしゃいませ。

ご来店ありがとうございます。

ご予約のお客様ですね、お待ちしておりました。

本日、担当させて頂きます〇〇です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

……ふふ。

そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。

初めてのお店だと、少し落ち着かないですよね。

担当が男性で、驚かれましたか?

ご安心ください。

お客様に無理をさせる事は、一切ありませんので。

では、こちらのお席へどうぞ。」


(SE:椅子を引く音、着席)


「本日は、耳のリラクゼーションコースで間違いなかったですか?

ありがとうございます。

こちらは耳の外側を中心に、指先でゆっくりとほぐしていくコースです。

耳の周りには細かな筋肉や神経、血管が分布していましてね。

普段あまり意識しない場所だからこそ、優しく触れられる感覚が

新鮮だとおっしゃる方も多いんですよ。

……ちなみに、お客様。

耳のマッサージは初めてですか?

……なるほど。

それでしたら、今日は一つ一つ説明しながら進めてまいりますね。

もし、くすぐったかったり痛みがあったりしましたら、

遠慮なく言ってくださいね。

耳はとても繊細な場所です。

強く刺激すればいいというものではありません。

むしろ……。

優しく、ゆっくり。

丁寧に触れていくことが大切なんです。

……ふふ。


では、リクライニングを少し倒しますね。」


(SE:リクライニングチェアの動作音)


「はい、これぐらいでいかがでしょう。

首は苦しくありませんか?

……はい。

では、目を閉じていただいても構いません。

これからのお時間は、どうぞゆっくりとお過ごしください。」


(SE:手指を温める音、タオルの衣擦れ)


「まずは右耳から失礼いたします。

……少し近づきますね。」


(右耳側から小声で)


「これから耳の外側に触れていきます。

最初は、耳輪(じりん)と呼ばれる部分です。

耳の一番外側にある、くるんと丸まった縁(ふち)のことですね。

この部分を、親指と人差し指で軽く挟みながら……。

上から、下へ。

少しずつ、移動していきます。」


(SE:耳を優しく揉む音・20秒)


「いかがですか?力加減は問題なさそうですか?

……はい。では、このまま続けますね。

耳輪(じりん)は軟骨を皮膚が覆っている部分ですので、

強く引っ張る必要はありません。

指の腹で、ゆっくりと…。

……そうです。

力を抜いて。僕にお任せください。」


(SE:ゆっくりとしたマッサージ音・25秒)


「……ふふ。少しくすぐったかったですか?

申し訳ありません。

今、ほんの少し肩が動きましたので。

耳は、普段あまり人に触れられない場所ですからね。

最初は、敏感に感じられる方もいらっしゃいます。

ですが、少しずつ慣れてくると……。

こうした軽い刺激を、心地よく感じることもあるんですよ。

……いかがです?

先ほどより、落ち着いてきましたか?

それはよかった。

では、もう少しだけ。

ゆっくり、ほぐしていきますね。」


「次は、耳の上の内側にある、少しくぼんだ部分に移ります。

こちらは、神門(しんもん)と呼ばれる場所です。

神門は、心を落ち着ける目的で使われることがあります。

当店では、あくまでリラクゼーションの一環として、優しく刺激していきます。

では……。

こちらに、そっと指を当てますね。」


(SE:軽い圧迫音・10秒)


「……いち、に、さん…。

はい、離します。

もう一度。ゆっくり……。

いち、に、さん。

痛みはありませんか?

ここは、力を入れすぎないことが大切です。

ご自分でされる際も

強く押して痛みを我慢するよりも、心地よいと感じられる程度で十分です。

ほら、触れてみてください…。そう、そこです。

ふふっ…。

きちんと力を抜いてくださっていますね。

そうやって、素直に身を委ねていただけると……。

とてもやりやすくて助かります。」


(SE:軽いマッサージ音・20秒)


「……おや。少し眠たくなってきましたか?

ふふ。もちろん、眠ってしまっても構いませんよ。

僕の説明も、無理に聞いていただく必要はありません。

ただ……。もし、まだ起きていらっしゃるのでしたら。

もう少しだけ、お付き合いくださいね。」


(SE:指先で耳の内側を優しくなでる音)


「続いては、耳甲介(じこうかい)という部分です。

耳の穴の周りにある、お椀のようなくぼみです。

ここには、少し興味深い特徴があるんですよ。

お客様は、迷走神経という名前を聞いたことがありますか?。

迷走神経は、自律神経に関わる神経の一つで、

心拍や消化など、さまざまな体の働きに関係しています。

実は、耳の一部にも、この迷走神経の枝が分布しているんですよ。

まぁ今回は、難しい話はこのぐらいにしておいて、

今は、心地よさを大切にしていただければと思います。

それでは、耳の穴には入らないように、周囲を優しくなぞっていきますね。」


(SE:耳の内側をゆっくりなでる音・30秒)


「……いかがですか?

先ほどの耳輪とは、また違った感覚でしょう?

……ふふ。そうですね。

少しくすぐったいかもしれません。

このあたりは、刺激を繊細に感じる方もいらっしゃいますので。

強く押さずに……。指先を、ゆっくり滑らせて。

……そう。

ほんの少しだけ。

……もう一度。……ゆっくり。

……優しく。……はい。」


(SE:小さなマッサージ音・20秒)


「……お客様。

今、少し息を止めていらっしゃいませんでしたか?

ふふ。

そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。

深く息を吸って……ゆっくり吐いて。

そうです。

今度は、僕の声に合わせてみましょうか。

吸って……。

……吐いて。

もう一度。

吸って……。

……ゆっくり……吐いて。

……はい。とてもいいですね。

先ほどより、肩の力が抜けてきたように見えます。

……このまま、もう少し続けましょう。」


(SE:マッサージ音・30秒)


「それでは、耳たぶに移ります。

耳垂(じすい)とも呼ばれます。

軟骨がなく、柔らかな脂肪組織などでできている部分ですね。

ここは、指の腹で軽く挟んで……。

小さな円を描くようにほぐしていきます。

……失礼いたします。」


(SE:耳たぶを優しく揉む音・20秒)


「……くるくる。……ゆっくり。

……くるくる。

……ふふ。

どうされました?

……ああ。

思っていたより、くすぐったかったんですね。

少し触れ方を変えましょうか。

……こちらは、いかがでしょう。

耳たぶは、ほんの少し力加減を変えるだけでも、感じ方が変わりますからね。

お客様にちょうどいい加減を、探していきましょう。」


(SE:柔らかいマッサージ音・20秒)


「ちなみに、耳たぶには、眼点(がんてん)と呼ばれるツボがあります。

目に関係する場所として扱われているんです。

お仕事では、パソコンやスマートフォンをよく使われますか?

……なるほど。

それは、目を使う機会が多そうですね。

目を閉じて、こうして静かに過ごす時間そのものが、よい休憩になるかもしれません。

……ですから。

今だけは、画面も、お仕事も、忘れてください。

何も見なくていいんです。……僕の声だけ、聞いていてくださいね。」


(SE:マッサージ音・25秒)


「……おや。今、少し笑われました?

ふふ。

お客様が、こうして安心した表情を見せてくださると。

僕としても、嬉しいんですよ。

……それでは、もう少し。

耳たぶを、そっと包むように……。

……はい。

……気持ちよくなってきましたか?

……それは何よりです。」


(SE:施術者が反対側に移動する衣擦れ)


「右耳は、ひとまずここまでです。

次は、左耳を施術していきますね。

……失礼いたします。」

(左耳側から囁く)

「今度はこちらの耳を、ゆっくりほぐしていきましょう。」


(SE:耳輪を揉む音・25秒)


男性「右耳と同じく耳輪を、まずは、外側から。

……ゆっくり。

……優しく。

……そうです。

お客様、肩こりが気になるとおっしゃっていましたよね。

耳つぼの中には、肩や首に対応するとされるツボもあります。

今日は、その周辺を軽くほぐしていきますね。」


(SE:耳の内側を指の腹で揉む音・20秒)


「こちらの耳の方が少し…コリコリしてますね?

ふふ、そうですね。

耳の軟骨は、場所によって硬さが違います。

ですから、硬いところがあるからといって、体のどこかが悪いとは限りません。

無理に柔らかくしようとせず、自然な力加減で触れていきます。

……はい。

このまま。

……ゆっくり。

……ゆっくり。

……ふふ。

もう、だいぶ慣れてきましたね。

最初はあんなに緊張されていたのに。

今では、すっかり任せていただいて。

……ありがとうございます。

いえ、信頼していただけるのは嬉しいことですから。」


(SE:マッサージ音・30秒)


「では、左耳の神門にも触れていきますね。

先ほど、右耳でもご説明したツボです。

そう。耳の上部にある、くぼみのあたりですね。

……こちらです。軽く触れますよ。」


(SE:指で軽く押す音)


男性「……いち。……に。……さん。

……はい、離します。

……ふふ。

……心地よいですか?

それなら、もう一度。

……いち。……に。……さん。

……はい。いいですね。」


(SE:マッサージ音・20秒)


男性「……こうして、静かな場所で瞼を閉じていると。

普段より、声が近く感じられませんか?

……ふふ。

そうですよね。

今はお客様のお耳のすぐそばにおりますから。

少し声を落としたほうが、聞き取りやすいでしょう?」


(SE:ゆっくりしたマッサージ音・30秒)


男性「……気持ちいいですか?

……はい。よかった。

無理にお返事いただかなくても、大丈夫ですよ。

声を出すのも面倒なくらい、ゆっくりしていただいて構いません。

……そう。そのまま。

……ゆっくり。

……力を抜いて。

……はい。お上手です。」


「続いて、耳の後ろに移ります。

ここには翳風(えいふう)と呼ばれる、経穴があります。

耳たぶの後ろ、顎の骨と耳の後ろの骨の間にあるくぼみ付近ですね。

耳つぼというよりは、一般的な鍼灸でも使われるツボの一つです。

ただ、首や耳の周辺は繊細ですので、

軽く触れて、周囲を優しくなでる程度にしておきますね。」


(SE:耳の後ろをなでる音・20秒)


「……すーっと。

……上から、下へ。……ゆっくり。

……もう一度。

……すーっと。……はい。

このあたり、いかがでしょう?

……ふふ。

気持ちいいですか?

よかった。こちら側は特にお好みのようですね。

……ああ、申し訳ありません。

少し、くすぐったかったですか?ふふ」


(SE:マッサージ音・25秒)


男性「……それにしても。

お客様は、普段から随分と頑張っていらっしゃるんでしょうね。

……でも。

頑張る事と、休むことは、どちらも大切ですから。

ここでは、誰かに気を遣う必要もありません。

無理に笑う必要もありません。

今はただ、ご自身が心地よいと思うことを、大切にしてくださいね。

……ふふ。

余計なお話をしてしましましたね。

では、お詫びに……。もう少し丁寧に、ほぐしていきますね。」


(SE:耳の後ろから耳たぶへ、ゆっくりしたマッサージ音・30秒)


「それでは、仕上げに入っていきます。

最後は、両耳を手のひらで包むようにして、ゆっくり温めますね。

……少しだけ、手を近づけます。」


(SE:手のひらで両耳を優しく包む音)


「……はい。

いかがでしょう。

……温かいですか?

……よかった。

このまま、しばらく。

何もせずに、静かにしていましょう。」


(SE:静かな環境音・30秒)


男性「……ゆっくり。

……息を吸って……吐いて。

……そうです。

もう一度。

……吸って……吐いて。

……はい。とてもいいですね。」


(SE:手のひらをゆっくり離す音)


男性「……さて。

最後に、耳全体を軽くほぐします。

外側から、内側へ。

上から、下へ。

今日触れてきたところを、もう一度、確かめるように……。

……ゆっくり。……丁寧に。」


(SE:両耳のマッサージ音・40秒)


男性「……お客様。

最初と比べて、ずいぶん

気持ちよさそうなお顔をされていますね。

……あ。

申し訳ありません。

つい、口に出してしまいました。

でも……。

そういう表情を見られると、

きちんとリラックスしていただけたんだな、と。

嬉しくなります。ふふ」


(SE:ゆっくりと手を離す音)


「……はい。

お疲れさまでございました。

本日の施術は、これで終了となります。

……おや。

まだ、目を開けたくないですか?

ふふ。

構いませんよ。

急いで起き上がる必要はありませんから。

もう少し、そのままでいてください。」


(5秒ほど間)


男性「……いかがでしたか?

初めての耳マッサージ。

……そうですか。

それはよかった。


……僕としても、とても施術(せじゅつ)しやすかったです。」

(少し間)

「疲れが溜まったときは、どうぞまた、いらしてください。

そのときも……。僕が、丁寧にお客様を気持ちよくさせていただきます。」


(SE:タオルを整える音)


男性「……ふふ。

そんなに名残惜しそうにされると。

僕まで、もう少し施術していたくなってしまいますね。

……なんて。失礼いたしました。

では、ゆっくりと目を開けてください。

……はい。

お疲れ様でした。」


(少し間)


「……お客様。最後に、一つだけ。

今日、こうしてご自身のために時間を作られたこと。

とても素敵だと思います。

誰かのために頑張ることも大切ですが……。

ご自身を労わることも、どうか忘れないでください。

……またお疲れのときは。

いつでも、お待ちしております。

本日は、ありがとうございました。」


― END ―



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