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第20話 水神!海堂蘭!── 闇御津羽神の力

「エヘヘ。翔くん、逃げよう!」

 自分のことをサニワだと言った女子高生、海堂蘭は翔の腕を掴んで走り出した。

「ちょっ、まっ」

「行こ!」


走り出した2人に鉄喜が慌てて後を追う。

「おい、待ってくれよ!」


3人は街の中心地から離れ、街の脇を流れる河原まで走った。

「ハァハァ、ちょっと待て、ハァハァ、どっ、どういうことだよ」


鉄喜はたまらずその場に倒れ込んだ。

翔は膝に手をつき、蘭を見た。

「ハァ、ハァ。そうだ。お前、なんなんだ」

「エヘ。さっき説明したじゃん!アタシは海堂蘭。アンタ達と同じ、サニワだよ」


 翔は蘭に詰め寄った。

「お前、海堂って...オレのじいちゃんも海堂だ。海堂光明、じいちゃんの名前だ」

「うん!もちろん知ってるよ!光明おじいちゃん!アタシのおじいちゃんだよ!」


聞くはずのない相手から出てきた言葉に、翔は一瞬言葉を失った。

「え!?」


鉄喜は2人を指差した。

「つーことは...お前らは、いとこ!?」


翔は蘭の顔を覗き込む。

「いや...お前なんか知らねえ。聞いたこともねえ」

「エヘ、会ったことないもんね!そりゃ、そーだ!」

「...お前もサニワだって?」

「そそ!神様の声を聞く神託者なのだ!エヘ」

「あの技...じいちゃんに習ったんか?」

「うーん、習った?まあ、あれは....習ったとも言える!」

「あの正拳突き、回し蹴り、空手か?」


徐に蘭は、翔にスマホを見せた。

「そうだよ!ほれ!」


「全国...空手道選手権...優勝!?そうか、強えわけだ。」

「押忍!そうなの、アタシ超強いんだ!そして超絶かわいい!エヘヘ」


鉄喜が笑いだした。

「ガハハハ、じゃあ翔、お前は自分のいとこをナンパしたってわけか!面白え!...ん、待てよ?これは偶然か?...たまたまにしちゃあ...」

「エヘヘ、たまたまなわけないじゃーん!町に来てからアンタたちのことずーっと監視してたんだよぉ」

「監視!?」

「そ!おじいちゃんに、見てきていいぞって言われたから!」

「じゃあ、オレ達の前を通り過ぎたのも...」

「そうだよ!アタシって鬼のように可愛いじゃん?だからどっちかが声かけてくるかなぁって!」


翔は急に恥ずかしくなった。

「可愛いから声かけたわけじゃねえよ!」

「じゃあ、翔くんは、どんな子が好きなの?いとこのアタシに教えてみなさいよ、ギャル嫌い?清楚系?お姉様系?ん?ん?」

「...参った...鉄喜1人でもしんどいのに、もう1人オレの苦手なタイプが...」

「ガハハハ!お前に得意なタイプなんていないだろ!翔、まさに修行だな!お前には必要な修行だ!人間をよく知りなさい!」

「うるせえ。お前はどの立場から言ってんだよ」


「でも、サニワって翔くんだけだと思ってたけど、そこの大きいのもサニワなんだね!翔くんの友達?」

蘭は、鉄喜を指差した。


「おい!大きいのって言うな!そうだ、オレ様もサニワだ!ちなみにオレの守神は金剛力士様だ!」

「あ、ごめんごめん。テツオだっけ?金剛力士?やばーい!ぽ過ぎて、ウケるんだけど、キャハハ!」

「いや、鉄喜な!!でも翔のことはわかるとして、なんでオレがサニワだってわかったんだ?」

「え?アンタたち、わからないの?」

「わからないね」

「あ!そうか!まだ開眼して間もない、とか?」

「そうだ!この前誕生日迎えたばっかだからな!ちなみにオレは偶然にも翔と誕生日が一緒だったんだ!ガハハ!」


「....へー。テツゾウの誕生日は別に聞いてないけどね!」

「鉄喜だって言ってんだろ!!」

「にしても、お前もオレ達のタメならそう変わらんはずだけど...サニワなら守神とか、神技とかもあるわけか?」

「うんアタシの守神様は闇御津羽神様、水の神様だね!」

「水..あの黒い霧を倒す前に手が光ったのは、なんだ?」

「え、だからあんなの、水を作って、凍らせて、叩き割るだけだよ。簡単でしょ?」

「水をぶつけたとこは見えなかったけど...」

「え、そう?もういいじゃ〜ん、説明めんどくさぁい!じゃあ、ちょっとだけ見せてあげる。


そう言うと蘭は手のひらを空中にかざし、目を閉じて集中した。すると、彼女の手のひらからじわじわと水滴が浮かび上がり、ソフトボール大の水の球体が出来上がった。

「これを、こうすると!ハッ!」


蘭が気合いを入れると水の球体は瞬時に冷気を放ち氷の塊に変わった。

「わかった?」


鉄喜は目を丸くした。

「なんでこんなこと出来るんだ!?....すげえな」


「エヘ!もういいでしょ。ほいっ!」

彼女はその氷球を宙に放り投げると、その球に向かって拳を握りしめた。

「ハッ!!」

氷球は空中で砕け散り、辺り一面に氷の粒が舞い散った。


「ふぅ……久々にやったから、ちょっと疲れたかも」


 翔はキラキラと落ちてくる氷の粒を手のひらに受けながら、つぶやいた。

「...すげえ」

 サニワだと言う蘭と自分との距離が、素直に遠く感じた。

 彼女は先を走ってる──そう感じた。


すると突然、鉄喜は笑い出した。

「すげえ!けどオレは、お前がハイキックしたおかげでパンツが見えたのが最高だったわ、ガハハハ!」

「げっ、この大きいの、変態じゃん!スパッツだし!翔くん、こういう変態と付き合うのやめた方がいいよ!」

「そうだな」

「おい!!大きいのって言うな!オレは変態じゃねえ!男はみんな...」

「あ、ヤバい!アタシ友達と約束してたんだった!行かなきゃ!アタシ夏休みの間はこっちにいるから、また会おうね、翔くん!またね、そこの大きい...テツ...なんだっけ?じゃあね!」

「鉄喜だ!!覚えろよ!!」


「エヘヘ、またねー!」

そう言うと蘭は街の方へ走り出した。

「あいつもサニワだって...」

「ああ、しかもお前のいとこ」

「....」


 走り出した蘭は、何かを思い出したかのように振り返り笑った。

「そうだ!翔くん!今度デートの続きしよう!アタシら血繋がってないし、大丈夫だよー!じゃあね!」

「なっ...」

「おお、翔!よかったな!」

「いや、何が、いいんだよ!」


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