プロローグ ― 覚醒
覚醒
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プロローグ ― 覚醒
今日、目を覚ました。
まぁ…「目を覚ました」というのは大げさか。
正確には、目を開けた、というところだ。
そして、ちょっと信じられないことが起きた。
僕は――赤ん坊になっていた。
いや、赤ん坊になること自体は別におかしくない。
何十億という人間が経験することだ。
問題は、自覚していることだ。
しかもさらに不思議なことに――
前世の記憶のようなものがあった。
少なくとも、生きた経験があるという感覚だ。
そう、分かってる。
君たちはこう思うだろう。
「転生したんだな」と。
どうやら、その通りのようだ。
すごくないか?
これなら、ダンジョンやギルド、モンスター、魔法、クラス、そしてチート級の能力がある、
そんなファンタジー世界にいる可能性もある。
いいぞ、期待しておこう。
前世の記憶が正しければ、こういう話の主人公は、
必ずチートな力やステータス、そして伝説的な運命を手に入れる。
「ステータス!」と叫べば、青いウィンドウが出てくるかも…?
だが現実的に考えよう。
僕は赤ん坊だ。
指一本上げるのもやっとだ。
まあいい。
時間はたっぷりある。
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それに、気づいたことがある。
僕の隣に、誰かがいる。
別の赤ん坊だ。
もしかして…兄弟?
双子だったら面白いな。
ただ、あいつに主役を奪われないことを祈るだけだ。
今のところ、僕は小さなベッドの中で夢を見ている。
冒険の世界のことを――
…そして、これが魔法のない世界の転生ではないことを願いつつ。
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最後に一つだけ。
寝る前に気づいたこと。
二つの影が、扉の前に立っているように見えた。
いや、もしかするとタンスの前の置物かもしれない。
赤ん坊だから確信は持てない。
でも、もし本当に護衛だとしたら…
僕は金持ちの家に生まれたのかもしれない。
やった?
…待て。
変だ。
意識がふわふわと飛んでいく感じがする…
いや、いや、いや!
まだ消えたくない!
転生の感覚を楽しんでいたのに!
あるいは…
ずっと夢を見ていたのか?
――沈黙。
そして、それがすべて闇に戻る直前の最後の思考だった。
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「初めての投稿です。楽しんでいただければ嬉しいです。」
「この作品は転生×魔法の物語です。よろしくお願いします!」




