第4話「転生4日目。王都に行ったら王女と縁ができた」
転生4日目。今日は王都に来た。
目的は素材の高額売却と、ついでに領地申請。
ギルドの推薦状を持ってる俺は、王都でもVIP扱いらしい。
王都グラン=ベルクは、石畳と尖塔が並ぶ中世風の街。
人も建物も、田舎とは違ってキラキラしてる。
俺の服だけ浮いてる。まあ、気にしない。
王都ギルドに入った瞬間、受付嬢が硬直した。
「……あの、あなたが“雷の審判者”レオン様ですか?」
なんだその二つ名。誰がつけた。
素材を提出すると、ギルド長が直々に対応してきた。
「王宮から招待が来ております。王女殿下が、あなたに謁見を希望されています」
……え? 王女? 俺、まだ4日目なんだけど。
王宮は白い大理石の城。衛兵がずらりと並ぶ。
通された謁見室で、俺は彼女と出会った。
セレスティア・エルグレイス。
銀髪に蒼眼、気品と威厳を纏った完璧令嬢。
ドレスの裾が揺れるたび、空気が変わる。
「あなたが、迷宮を攻略し、魔王種を討伐したという者ですね?」
声は澄んでいて、冷たい。俺を見下ろす視線。
魅了スキル、発動。……しない。
あれ? 効いてない? いや、ちょっと頬が赤いぞ。
王族特有の“対精神耐性”? まあ、スキルの前では誤差だな。
「はい。あと、素材の売却と領地申請に来ました」
「……ふふ。あなた、面白い方ですね」
あの完璧令嬢が、笑った。魅了スキル、強すぎる(7回目)。
最初は氷みたいだったけど、笑うと意外と可愛いじゃねぇか。
「王都の貴族たちは、あなたの存在に怯えています。
あなたの知識と力は、王国にとって脅威でもあり、希望でもある」
「俺はただ、最短で気持ちよく勝ちたいだけです。
めんどくさいことは瞬殺。社畜の反動なんで」
「社畜……?」
セレスティアが首を傾ける。俺は説明した。
ブラック企業、過労死、転生、ゲーム脳、歴史知識。
彼女は黙って聞いていた。そして、言った。
「……あなたのような人材が、王国に必要です。
領地申請は、私が直々に承認しましょう」
「え、そんな簡単に?」
「ええ。あと……あなたに興味があります。個人的に」
魅了スキル、強すぎる(8回目)。
俺、王女に気に入られたらしい。
王女が笑った瞬間、後ろの宰相が青ざめてた。ざまぁ。
今日のざまぁ格言:
『王女の笑顔は、貴族の恐怖より強い』
読んでくれておおきに。 今回は王都編のスタートや。
素材売りに来ただけのはずが、気づいたら王女と謁見してたって、どんなスピード出世やねん。
セレスティア様、完璧令嬢かと思いきや、魅了スキルにちょっとずつ効いてるのが可愛すぎる。 宰相が青ざめるシーン、個人的には今回のざまぁポイントやな。
社畜の反動で王国のVIPになるって、もう笑うしかない。 次回は、契約書で貴族を論破する“契約ざまぁ”編。 俺、昨日まで残業してたのに、今日は条文で貴族を黙らせてるらしい。 続きもよろしゅうな。