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『第38話 婚約契約、ログから成立しました』

リゼとの再会により、72時間の猶予を得たレオン。

しかし、契約問題の解決策を見つける前に、新たな危機が襲いかかる。

今度は逃げることすら許されない、完全に追い詰められた状況へ。

果たして彼に残された選択肢とは。

王都の広場。昨日、リゼから72時間の猶予を告げられてから一夜が明けた。

青空が広がる穏やかな朝だったが、レオン・シュヴァルトの心境は晴れなかった。


「昨日は『契約破綻リスクがどうこう』って頭が痛くなる話ばかりやったけど…結局、具体的な解決策は見つからんのか」


レオンの周りには、いつものようにセレスティア、リリアン、ミーナがいた。

三人とも「残り71時間でこの問題をどう片付けるか」と真剣に議論しているが、打開策は見つからない。


その時、見慣れた顔がスッと現れた。無表情なリゼが、いつも通り手に水晶を持って立っている。


「緊急事態です。新たな契約ログが自動発生しています」


牛飼い娘事件の発覚


リゼの言葉に、レオンは嫌な予感を覚えた。

水晶の表面に光が灯り、UIログが立体的に浮かび上がる。


【未処理婚約契約】

【申請者:牛飼い娘マリー】

【成立条件:レオンが笑顔を見せた時】

【ステータス:自動成立済み】


レオンは飲んでいた水を吹き出しそうになった。


「待てや!あれはただ牛がかわいかったから笑っただけやろ!?」


「神域法第284条により、相手への好意的反応は婚約意思として自動登録されます」


リゼの冷静な説明に、ヒロインたちの顔色が変わった。


「ちょっと待って、それって…」


セレスティアが青ざめる。リリアンも眉をひそめた。


「つまり、レオンが誰かに笑いかけただけで婚約成立するってこと?」


「正確には、相手が『好意』と受け取った場合です」


ミーナが不安そうに呟く。


「それって…とても危険ですよね」


逃亡の封鎖


レオンは立ち上がった。


「ほな、俺はもう街から出るわ。これ以上おったら、また誰かと契約させられる」


その瞬間、リゼの水晶が赤く点滅した。


【警告:逃亡行動検出】

【逃亡契約:自動発動】

【効果:逃亡先でも契約追跡継続】


「逃亡したら逃亡契約が発動するんかい!」


「はい。そして逃亡契約には特殊効果があります」


リゼが淡々と説明を続ける。


「逃亡者には『魅力値強制MAX』が付与されます。どこに逃げても、現地の住民全員から好意を寄せられるようになります」


レオンの顔が真っ青になった。


「それって…」


「逃げれば逃げるほど、婚約者が増える仕組みです」


セレスティアが溜息を吐いた。


「つまり、逃げることも、留まることも、どちらも危険というわけですのね」


「完全に詰んでるじゃない」


リリアンが苦い表情を見せる。


ヒロインたちの本音


この絶望的な状況に、ヒロインたちの本音が漏れ始めた。


ミーナが突然、いつもの明るさを消して真剣な表情でレオンの袖を掴んだ。


「レオン様、もう誰にも笑いかけないでください。私だけを見ていてください」


その真剣な眼差しに、レオンは驚いた。普段の天然なミーナとは別人のようだった。


セレスティアも優雅な仮面を脱ぎ捨てて言った。


「正直に申しますと、わたくしも不安なのです。レオン様がいつ、他の誰かと契約を結んでしまうのかと思うと…」


リリアンも珍しく弱音を吐いた。


「システムが敵だなんて、どうやって戦えばいいのよ。私たちの努力なんて、全部無意味になってしまうじゃない」


レオンは三人の表情を見て、胸が痛くなった。


「みんな…そんなに心配してくれてたんか」


「当然ですわ。わたくしたちにとって、レオン様は…」


セレスティアが言いかけた時、リゼの水晶が再び光った。


最後の希望と絶望


【新規契約候補検出】

【対象:王都住民】

【予想発生数:推定200件以上】

【トリガー:レオンの感謝や親切な行動】


「昨日までの行動を解析した結果、潜在的な契約候補が大量に発見されました」


リゼが説明を続ける。


「食堂のおばちゃんに感謝した件、清掃員と一緒に掃除した件、兵士たちに声をかけた件…全て契約候補として登録されています」


レオンは絶望的な表情になった。


「つまり、俺の過去の善行が全部裏目に出るってことか?」


「そういうことです。そして72時間以内に対策を取らなければ…」


【強制統合カウントダウン】

【残り時間:70時間47分】

【統合後予想:人格消失確率99.7%】


「人格消失って…俺が俺じゃなくなるってことやろ?」


「はい。統合後のシュヴァルト殿は、200人以上の人格が混在した別存在になります」


三人の決意


この絶望的な宣告を聞いて、ヒロインたちが立ち上がった。


「それは絶対に阻止しますわ」


セレスティアの声に、強い決意が込められていた。


「そうよ。レオンはレオンのままでいなさい」


リリアンも拳を握りしめる。


「私たちが守ります!」


ミーナも珍しく力強く宣言した。


レオンは三人を見回して、小さく笑った。


「ありがとう、みんな。でもな…」


彼は空を見上げた。


「もしかしたら、これが俺の限界なんかもしれん。逃げることも、戦うことも、全部封じられて…」


「諦めるんですか?」


リゼが意外にも感情的な声で問いかけた。


「昔のあなたなら、こんな状況でも何か突拍子もない解決策を思いつくはずです」


レオンはリゼを見つめ返した。


「リゼちゃん…」


「私は監査官として、そして昔の仲間として、最後まで諦めません」


その言葉に、レオンの目に再び闘志が宿った。


「そうやな。まだ70時間もあるんや。何とかなるかもしれん」


最後の賭け


レオンは立ち上がり、決意を込めて宣言した。


「よし、みんなで知恵を絞ろう。契約システムに負けるわけにはいかん」


「そのお言葉を待っていましたわ」


セレスティアが微笑む。


「やっと、いつものレオンが戻ってきたわね」


リリアンも安堵の表情を見せた。


「みんなで頑張りましょう!」


ミーナが元気よく手を挙げる。


リゼも小さく頷いた。


「では、作戦会議を開始します。契約システムの抜け道を見つけましょう」


【残り時間:70時間46分】


カウントダウンは続いているが、五人の結束は今まで以上に固くなっていた。


ざまぁ格言:

「逃げ道を全て塞がれた時こそ、本当の戦いが始まる。」

今回は「逃亡不可避」をテーマに、レオンを完全に追い詰めてみました。

逃げることも戦うことも封じられた絶望的な状況ですが、仲間たちの絆で何とか希望を見出せたかな?


ヒロインたちの本音も描けて、特にミーナの「私だけを見て」は、普段の天然キャラとのギャップを狙いました。

リゼも昔の仲間として、レオンを支える立場になってます。


次回はいよいよ本格的な契約システム攻略編です。

五人でどんな作戦を考えるか、楽しみにしててください!


読んでくれて、ありがとうございます!

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