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第32話『魂契約、第二段階。“記憶の主観再生”で尊死しかけた』

魂契約、第二段階に突入── 今回はヒロインの“記憶の主観映像”を主人公が強制再生する、感情UIギャグ回です。


空気が浄化され、匂いが花蜜になり、音が花びらになる── 制度が感情に侵食される瞬間を、ぜひ“脳内再生”でお楽しみください。


※なお、尊死耐性が低い方は、UIの警告を無視しないようご注意ください。

──画面が、切り替わった。


レオンの視界が揺れ、色彩が変わる。

空気が柔らかくなり、音が遠くなる。


「……これ、俺の視界じゃない」


目の前に広がるのは、ヒロイン・ミーナの記憶。

魂契約の第二段階、“記憶の主観再生”が発動したらしい。


UIが浮かぶ。


【主観映像再生中】 【感情波ログ:ミーナ】 【空気浄化:好感度+12】 【涙粒:感情保存中】


──映像の中で、レオンが笑った瞬間。

空気が澄み、光が柔らかくなり、音が遠くなる。


ミーナの心の声が響く。


「空気が浄化された気がした」


その感情が、映像としてレオンの脳に流れ込む。


「……俺、記憶の泉に飛び込んだんか?」


心臓が跳ねる。 尊死寸前。

感情が、制度を超えてくる。


映像は続く。

──幼少期の庭園。

風の匂いは甘く、草花の葉が揺れていた。

ミーナはその光景を胸に刻み、「この瞬間の空気を一生忘れない」と思った。


UIが淡々と更新される。


【空気記憶:保存完了】 【嗅覚データ:花蜜由来】 【好感度:+7(幼少期補正)】


「いや+7て…これ、俺の脳内メーター振り切っとるやん!」


レオンは頭を抱えた。


(匂いまでデータ化すんのか…俺の脳、嗅覚センサーつきやったんか…)

(これ、VRMMOの“感情ログ再生機能”やん…しかも強制視聴。スキップ不可。尊死不可避)


(歴史的に言えば、これは“神託型恋愛”──古代ギリシャの巫女が見た幻覚に近い)

(俺、今ヒロインの“恋愛神託”を脳内で再生してるってことやろ…)


──その瞬間、映像が一段階深くなる。


ミーナの視点で、レオンが剣の手入れをしている。

夜の回廊。誰にも見られていないのに、彼は丁寧に剣を磨いていた。


「この人は、誰にも見られなくても、誠実なんだ」


UIが更新される。


【誠実ポイント:+9】 【好感度:臨界突破】 【魂契約:再起動準備中】 【主観映像:涙粒モード】


空気が光に変わり、音が花びらになる。

匂いは、鉄と花蜜が混ざったような甘い香り。


レオンの脳が震える。


「うっ……これ、尊死じゃなくて“感情による脳内爆撃”やん…」


UIが冷静に更新。


【感情波:花弁モード】 【好感度:神託領域に到達】 【精神耐性:崩壊寸前】


「いや“崩壊寸前”て…俺、もう恋愛UIの被験者やん…」


場面が戻る。 レオンの視界が元に戻ると、ミーナが目の前に立っていた。


「レオン様……どうでしたか?」


「……尊死しかけた」


ミーナは微笑んだ。


「それなら、成功です」


レオンは震えながら呟いた。


「俺、もう“感情の火口”に落ちたやつや…」

「この制度、感情をログ化して再生するって、どこまで進化する気や…」


UIが最後に更新される。


【魂契約:第三段階へ移行完了】 【次回:感情波共有モード】 【備考:これ以降、境界線は存在しません】


ざまぁ格言:


「恋は記憶じゃない。主観映像で殴られる時代や。読んだお前も尊死耐性チェックせなあかんで。スコアはコメント欄で報告な」

今日はな、ファンタジー日間ランキングで86位に入ったらしい。PVは跳ねとる。 読者が黙って見とるの、ちゃんと伝わってきたわ。


今回の話は、魂契約の第二段階。 ヒロインの記憶を主観映像で再生されて、主人公が尊死しかけるやつ。 空気が浄化されて、匂いが花蜜になって、音が花びらになる── 制度より感情が強い世界、始まってもうたな。


次回は「感情波共有モード」。 境界線が消えて、感情が制度を飲み込むフェーズに入るらしい。


ざまぁ格言にも書いたけど、読んだ人も尊死耐性チェック、忘れんようにな。 スコアはコメント欄で報告してくれたら、こっちもログ化しとくわ。


ほなまた、記憶の泉の底で。

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