第31話「神様、婚約戦線に介入。カブ将棋で嫁候補を評価し始めた」
「神の承認待ち」──そのメッセージの正体は、まさかの将棋盤でした。
盤上には契約書や義務感、漬物樽、魔力株券が並び、神様が婚約候補たちを評価していくという謎イベントが開幕。
一手ごとに「忠誠ポイント+3」「意地ポイント+5」など、意味不明なスコアが飛び交います。
レオンは将棋どころか、婚約制度の物理化に頭を抱えるのでした。
突然、空間が光った。
天井が割れ、神様が降臨する。
「退屈なので、お前の婚約を将棋で決める」
レオンは絶句した。
「将棋って…盤面に野菜あるんですけど!?」
目の前に広がる盤面は、もはや将棋とは呼べない代物だった。
歩:契約書(紙質が重い)
香車:義務感(黒光りしてる)
角:漬物樽(たまに汁が漏れる)
飛車:魔力株券(値動きが激しい)
玉:本人(駒がレオンの顔)
盤面は光を帯び、駒が動くたびに「契約音」「漬物の蓋が開く音」「株価チャイム」が鳴る。
空気はピリつき、盤面からは“制度の匂い”が立ち上る。
「これ、将棋というより“制度の物理化”やろ…」
レオンは頭を抱えた。
(戦雲編で制度改革に巻き込まれたあの日々…あれが前座だったとは)
(俺の婚約、もはや“神々の投資対象”になっとるやん…)
(この盤面、株主総会の時よりギスギスしてるぞ…)
神様は盤面を見ながら呟いた。
「詰みは塩分から始まる」
全員「???」
セレスティアの手番。
彼女は小声で呟いた。
「左の漬物樽…塩分濃度は高め。忠誠アピールには使える」
「角漬物を左に移動します」
駒が動くと、樽が“ポン”と音を立てて開いた。
塩の粒が空中に舞い、盤面が一瞬だけ白く染まる。
神様「忠誠ポイント+3」
セレスティア「え、たったの3!? 私、漬け込んだのよ!?」
神様「塩分濃度が足りん。忠誠は塩で測る」
リリアンの手番。
彼女はセレスティアを睨みながら、義務感の駒を握った。
「香車義務感で敵陣突破!」
駒が突進し、契約書をなぎ倒す。
盤面から“労働音”が響き、空気が重くなる。
神様「意地ポイント+5」
リリアン「もっと評価してよ!義務感で突っ込んだのに!」
神様「義務は美徳だが、株価には反映されにくい」
庶民候補が現れ、静かに手を打つ。
「漬物樽を売却して株価上昇」
駒が消え、代わりに“発酵チャート”が盤面に浮かぶ。
天界の証券取引所が反応し、魔力株券の値が跳ね上がる。
神様「商才ポイント+10」
レオン「おい、漬物ってそんなに流動性ある資産だったっけ!?」
庶民候補「今、天界で“発酵系NFT”が流行ってまして」
神様「うむ、漬物DAOは将来性がある」
レオン(制度改革よりタチ悪い…俺の婚約、もう“魂のポートフォリオ”に組み込まれてるやん…)
盤面は混沌を極め、最終的に“塩漬け状態”で終局。
神様は満足げに頷いた。
「面白くなった。次は株式公開婚姻大会だ」
レオンは叫んだ。
「また制度バグらせる気かこの神!」
場面は天界へ。
神官たちが大量の魔力株券を手に、笑っていた。
「庶民候補、漬物DAOで一気に評価上げたな」
「セレスティアは塩分調整ミスか…」
「リリアンは義務感一本で攻めすぎた。リスク分散が足りん」
「次回は“魂婚ETF”の組成やな」
「レオンの婚約、もう少しで“制度インデックス”に組み込めそう」
「インサイダー? 我ら神官にそんな概念はない」
「あるのは“神の裁量”だけだ」
「ちなみに俺、前回の“魔力先物婚”で爆損した」
「嫁候補がデリバティブだったからな…」
「それ、制度設計ミスやろ」
ざまぁ格言:
「婚約は将棋じゃない。塩漬けと株価で決まる時代や」
いやもう、神様まで婚約戦線にしゃしゃり出てきて、盤上に漬物置く将棋とか聞いたことないわ。
忠誠ポイントやら商才ポイントやら…なんやこの婚活ボードゲーム。
しかも最後は「株式公開婚姻大会」やと?ほんまこの国、制度バグるの好きやな。
次回はたぶん婚約やなくて株主総会になる気ぃするけど…まぁレオンのことやし、なんとか笑い飛ばしてくれるやろ。




