第28話『婚約演舞が国家報告されたので、俺が魂の中心になった件』
前書き【今話、魂が動きます】
ただの見学者だった俺が、“国家案件”になりました。
王家、外交、信仰――すべての魔法が俺に向いてる。
でも一番怖いのは……魂の感情波が、俺の意思を超えてること。
今、あなたの読書ログも、共鳴してます。
「魔法省より緊急通達! 本日の婚約演舞、三件すべてが国家報告対象に認定されました!」
講堂がざわつく。学生たちが一斉に騒ぎ出す。
「魔王倒したときでもここまで騒がんかったぞ…」
「婚約演舞って、国防級の魔力出すんか?」
「婚姻で国家システムが反応するって、どんな政略やねん…」
俺――レオン・シュヴァルトは、ただの見学者のつもりだった。
だが、どうやら“ただの見学”では済まないらしい。
「俺のどこにそんな起爆スイッチがついとるんや…」
最初に舞台に立ったのは、王女セレスティア・エルグレイス。
王家式契約――それは王族にのみ許された、格式高い婚約魔法。
「王家式契約、発動します」
彼女が魔法陣を展開すると、空に王紋が浮かび、光の柱が天を貫いた。
荘厳な旋律が流れ、王族の魔力が空間を支配する。
「この契約、レオン様に捧げます」
講堂が静まり返る。誰もが言葉を失っていた。
俺はというと、椅子に座ったまま固まっていた。
「いや、俺ただの見学者なんだが?」
王族が感情で契約選ぶとか、ルイ16世かよ。
首飛ぶぞ。
(思わず)「…お前、王族やのになんでそんな顔で捧げてくるねん」
威光より乙女の恋が勝ってるやん。王家の人事、感情採用なん?
続いて、悪役令嬢リリアン・ド・フォルディナが登場。
外交演舞――他国との魔法的同盟を象徴する、戦略的婚約魔法。
「外交演舞、始めます」
異国の魔法陣が展開され、使者たちが拍手を送る。
魔力の波が空間を揺らし、華麗な演舞が繰り広げられる。
「あなた以外に興味はないわ」
その言葉に、学生たちがざわついた。
「フォルディナ家が…他国との魔法同盟を…?」
「いや、これ婚約演舞だろ…?」
俺は頭を抱えた。
「他国との同盟? いやいや、俺そんな外交カードちゃうからな…」
「心を差し出されても、俺に返礼品なんてないぞ?」
社畜時代、契約書の“想定外条項”に泣かされたの思い出すわ。
あれや、備考欄に“情緒的判断あり”って書いてあったやつ。
最後に、ミーナ・ルクレールが前に出る。 掃除魔法信仰契約――家事魔法を神聖視する、信仰系婚約魔法。
「掃除魔法信仰契約、発動します」
教会の鐘が鳴り、聖なるモップが輝いた。
空間に清浄な魔力が満ち、講堂が一瞬、神聖な静けさに包まれる。
「レオン様の部屋、毎日磨きます」
一部の学生が感動していた。なぜか泣いている者もいた。
「うお…なんか…ありがてぇ…」
「俺も魂、磨かれたい…」
「光が…優しい…」
その瞬間、学生たちの“何か”が洗われていた。
たぶん、魂の下のとこ。
俺は震えた。
「それ、信仰契約っていうより、社畜の朝礼やん。俺、勤怠管理されるん?」
その直後、講堂中央の魔力測定陣が暴走を始める。
三つの契約魔法が、すべて俺に向かって共鳴していた。
教授が顔を青ざめさせながら呟く。
「これは…多重契約共鳴…!? 前代未聞や…!」
魔力の波形、完全にバフスタック暴走やん。
MMORPGなら、これタンク即死案件やぞ。
てか、俺ヒーラーもいないのに全体ヘイト取ってるやん。
俺は椅子から立ち上がり、深呼吸して、ため息をひとつ。
「契約ってのはな、数じゃなくて質や」
(間)
「でもな――全部SSRなら、話は別だろ?」
講堂が凍りつく。俺は続ける。
「魂の共鳴? そんなもん、俺に惚れた時点で完了してんだよ」
「婚約演舞? 俺に向けてやった時点で、国家報告じゃなくて世界報告にしとけ」
ざまぁ格言①:
「魂が重なった瞬間、契約は魔法を超える。 読んでしまったお前も、もう見学者やないで?」
ヒロインたちは、俺をまっすぐ見つめていた。
その瞳に宿るのは、確かな意思と、揺るぎない好意。
俺は頭を抱えた。
「めんどくさいから、まとめて嫁にしていいか?」
講堂が静まり返った。
そして次の瞬間、魔法省からの第二報が届く。
「レオン・シュヴァルト殿、婚約候補として国家登録されました」
俺はただ、見学してただけなんだが――。
歴史煽り: 「婚姻が国家を動かす時代は終わった。今は魂が国境を越える。カトリーヌ・ド・メディシスも泣いてるわ」
ざまぁ格言②:
「契約は魔法じゃない。惚れた瞬間が、世界のルールを書き換える」
後書き【婚約候補、国家登録済み】
いやいや、俺は見学しに来ただけなんよ。
次回、契約制度そのものがアップデートされます。
逃げようとしたら、Excelに“婚姻エラー”が出ました。
魂の中心から、逃げられると思うなよ。
次回―― 第23話『婚姻制度、王族ごとバグった。俺、フランス革命の気配を感じる』 婚約演舞の余波で、国王が「個人誓約婚もええな…」とか言い出してもうたで!? 臣下らが「制度崩壊まで秒読みです!」って焦ってる中、俺は「これ…革命の火種やん…」って青ざめてる。
制度がバグるとき、恋も国も揺れる。俺、ただの社畜転生者やったはずやのに、なんで国家改革の中心におるんや…




