第16話「魅了スキルが暴走して、王女がプロポーズしてきた」
魔法大学、講堂。
空気が変わっていた。
空調のせいじゃない。
魔力の揺らぎでもない。
俺の魅了スキルが、“魂の奥”に触れ始めていた。
魅了スキル、効きすぎてる(19回目)。
しかも今回は暴走気味。
「なんやろ、これ…心臓の裏側が引っ張られるような…」
俺自身がうっすら違和感を覚え始めた頃――空気が、甘さを通り越して重くなる。
「魂共鳴反応、確認。契約者の意志と深層感情の一致率、上昇中」
リゼが冷静にそう言ったが、冷静なのは声だけだった。手が震えてる。
「講堂の魔法陣が、婚姻契約仕様に…」
誰の発言かわからんほどざわついた空間の中で、セレスティアが一歩進み出る。
「もう…避けるわけにはいきません」
王族としての威厳を保とうとしているのは分かる。
でも、その声は震えていた。
「私は…あなたとの婚姻を正式に申し入れます。王家の名のもとに」
俺(いや待て、俺って今、逃げようとしてたんちゃうんか?)
魔法陣が変化する。
淡い光が“契約”を象徴する輪になり、俺とセレスティアの足元に浮かぶ。
「冷静でいようとしたのに…でも、もう無理です…」
その一言で、王族の理性が崩れた音がした。
騎士団長がそっと呟いた。
「我が王女が…感情に従っただと…これは…契約よりも深い…忠誠が必要だな」
その瞬間、騎士団全体が俺に膝をつきかけて――いや、それはさすがに止めた。
魅了スキル、効きすぎてる(20回目)。
「はあぁぁ!? 嘘やろ!?」
リリアンの叫びが、講堂の緊張をブッ飛ばした。
「王女が!? 真面目にプロポーズ!? しかも公衆の面前!?」
髪が逆立つ。魔力が漏れてる。
リゼが後方で計測していたが「暴発寸前、魔力温度危険域です」とだけ言った。
「私が…どんなにロジックで積み上げたか…どれだけ…口説く準備したか…!」
俺(それ口説くって言うてもうてるやん)
「このままじゃ魔法大学、爆発イベントになるぞ…」
セレスティアが誇りを守るために婚姻を選び、リリアンが感情で爆発しかけてる。
ミーナは講堂の隅で静かに「婚姻式でも掃除魔法使えそう」とか言ってる。
俺は講堂の出口に向かって、歩を進めた。
講堂の外に出れば、さすがに空気も変わるはず――
その瞬間、講堂の扉がキィィ…と勝手に閉まった。
魔法封印陣が浮かび上がる。
俺「出口……消えてるやん」
講堂の天井には“神域転送準備中”の文字が浮かんでる。
俺「神域まで囲まれてるって…俺もう詰んでるやん」
魂が震える音がした。
これは魔力の共鳴じゃない。
感情が契約を追い越した瞬間の振動。
歴史煽り:
「王族が心を支配される時、革命が起こる。アンリ四世とナヴァール婚――恋も政略も、魂の震えには勝てんのよ」
ざまぁ格言:
「心が契約を超えたとき、国家が震える。恋も革命も、予想外から始まる」
王女が告白してもうたで!?
しかも魂共鳴で感情爆発した結果、講堂の出口まで消えてもうたわ。
俺、逃げるはずやったんやけど…神域に閉じ込められてもうて、人生ごと詰みかけてる。
ほんなら次回――
第17話『領地に“神域支部”ができた。俺の人生、神様付き』
神様が領地に研究所ごと引っ越してきよったで。しかも村人ら、神様と将棋始めるってどういう日常やねん。
戦争の始まりが“将棋一局目”って誰が予想するねん…
感想欄、ほんまに“神域”みたいな聖域になってほしいんで、ひとことでも書いてくれたらめっちゃ嬉しいで!
推しヒロイン予想とか爆発しそうな子、当ててみてな!




