第11話「契約ざまぁ再び──商会令嬢リゼ、再登場」
王都商会──
石造りの重厚な建物に入った瞬間、受付嬢が硬直した。
「……“雷の審判者”レオン様ですね?」
その二つ名、誰がつけた。
通された応接室には、見覚えのある人物がいた。
黒髪ショート、スーツ風の服、金縁眼鏡。冷たい視線。
商会令嬢──リゼ・ヴァルシュタイン。第3話で一度会ってる。
「素材の売却と、領地契約の件ですね」
「あと、ギルドの“嫁一人まで”規約についても相談したい」
「……それは後ほど。まず契約書を」
リゼが差し出した契約書は、分厚くて条文が細かい。
第17条、第22条、第41条──罠だらけ。
俺は黙って読み進めた。社畜歴30年、契約書で人生吸われ続けた男だ。
罠の構造、見抜いた。
「第22条の“素材評価基準”が、商会側に有利すぎるな」
「……そこまで読まれましたか」
「あと、第41条の“領地税率”も、王都基準じゃなくて辺境基準になってる。詐欺やん」
「……あなた、何者ですか?」
俺は契約書を閉じて、ゆっくりと名乗った。
「レオン・シュヴァルト。現代のバシレウス・アウグストゥス──契約と魔法の皇帝って呼ばれてるらしい」
「皇帝……?」
「まあ、前世では社畜だったけどな。契約書で死んだ男だ」
「……死因が契約書……?」
リゼの視線が揺れた。魅了スキル、微妙に効いてる(10回目)。
「だから今は、契約書で逆転する。俺の人生、転生してからの方が効率いいんだよ」
「……あなた、面白い方ですね」
「よく言われる。だいたい、ざまぁの直前に」
契約交渉は、俺の勝ち。
素材は王都基準で売却、領地税率は“王女直轄枠”に変更された。
「ちなみに王女枠に入れるってことは、貴族連中は口出しできないってことだな」
「……ええ。王都商会としても、異議はありません」
リゼが静かに頷いた。契約ざまぁ、王女巻き込みで貴族も沈黙。
「契約上、私はあなたの補佐官です。領地経済の顧問として、協力を申し出ます」
「それって、仲間ってことか?」
「……契約上は、そうなりますね」
魅了スキル、微妙に効いてる(11回目)。
俺、契約でヒロインを仲間にしたらしい。
ギルドの“嫁一人まで”規約?
リゼが契約で抜け道を提案してくれた。
「嫁一人?契約と法務の力、なめんなよ──ざまぁ。」
今日のざまぁ格言:
『契約書は剣より強し。ただし、読めるやつが持ってないと意味ない』
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