特別編 星に願いを
特別編は季節の行事とかに関する本編に一切関りがない話です。読まなくても構いません。
今日は七夕。織姫と彦星が1年に一度会う日、そう言われている。空には天の川が広がり、やるところでは祭りが行われる。ここでもそうだ。
「海、今日は七夕祭りだね。」
「うん、皆願い事を何にするかとか、天の川見れるといいねとか話しているね。」
「ここでは、願い事をして本当に叶った人もいるらしいよ。」
「それは興味深い。」
皆楽しそうだな。俺は、リア充共がイチャイチャしているのに腹が立つ最悪の日としか思わんよ。はぁ俺も誰かと祭りに行ってみたいな〜。
「海も来る?祭り。」
「行こうよ、どうせ暇でしょ?」
「いいの?」
「ほら、さっさと行くよ。」
レイとミカに言われるがままに俺は祭りに行った。祭りは存外楽しくて、時間が経つのを忘れるぐらいだった。
「次はどこ行く?」
「たこ焼き!」
など、とても楽しく過ごしていた。そして暗くなる頃、メインイベントである。星への願い事が始まった。短冊に願い事を書いて、空へと飛ばす。異世界ならではのものだった。空へと飛ばすことで、願い事を星に聞かせる。そういうところから来ているらしい。
「レイはどんな願い事を書くの?」
「それは、秘密にするのが普通でしょ!」
「海、プライバシーの侵害。」
「そういうところ、甘い所ありますよね…」
えー、気になるのは人間の性だと思うんだけど…俺だけなのかな?まぁいいや、それよりも願い事かー、皆祭り衣装の中で俺だけ孤立してるのは仕舞っときつつ考える。平和かな?それとも仲間との永遠の絆?それは重いか。ウイルスの根絶?恋愛?それは俺には縁がなさそうだな。無限のお金?悩ましい。どんな願いにしても俺の欲望にまみれている。無難に、みんなの願い事がかないますように。とかにしよう。
「皆そろそろ飛ばすよ。」
でも、なんかしっくり来ない。そろそろ飛ばすというのに、本当にとうしよ…
「海大丈夫?」
「願い事決まらない?」
「大丈夫ですよ、どうせ誰も見ないんですし。」
「いや、自分的にしっくり来なくて、どうしたらいいのかな?」
「こうゆうのは、自分が本当に欲しいものを書くといいよ。恋人だろうが、お金だろうが。」
自分が本当に欲しいものか…、そう言えば俺は異世界に来てから、随分と毎日が楽しい。何故だろうと考えたことがある。そして今ようやく気づいた気がする。それを書こう。自分の欲望だが、それでもいい、俺を出せ!
「うん、書いたよ。」
「じゃあ飛ばすよ!せーの!」
『願い事が叶いますように!』
ひらひらと舞う短冊。その中の一つを読んでみましょう。
「皆とずっと仲良くいれますように 海上海」
その短冊は、大きく揺れて一際綺麗な星へと飛んでいきました。
終わり




