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4話 理想のメイド作り?いや、女神の羞恥責めが本番でした

ヴィーナス様は俺の目の前で指で“パチン”と音を鳴らした。その音ともに、俺の前には一つのテーブルと2つの椅子が現れた。


「えっ」


「ほら、星くん驚いてないで座ってください。

これから長丁場になりますから」


驚きながらも、俺は、ヴィーナス様と向き合うように椅子に一度腰を掛けた。


「その椅子と机を取り出したのってなんですか?」


目の前で起きた非日常な出来事にテンションが上がり気がつけば、前のめりになっていた。


ヴィーナス様、楽しそうに指を鳴らすポーズをしながら答える。


「これは、魔法ですよ。

こうやって音を鳴らすと大抵のことができます。神によってもやり方は全然違うんですよ。ほら、答えましたから次は星くんの番です!どういう特徴のメイドさんがいいんですか?」


正直、メイドよりも魔法が気になりすぎる。


そんな気持ちをグッと抑え込みメイド作りに意識を持っていく。


そうだ、まずは俺好みのメイドさんを作るのが先だこれから先、いっぱい癒してもらって2人で異世界を旅をするんだ。

俺はそんな光景を思い浮かべながら理想のメイドを答えていく。


「メイドさんの特徴ですね。わかりました。 

身長は俺と同じぐらい、髪はショートで黒髪、目はつり目でお願いします。」


ヴィーナス様はさっき取り出した紙とペンでメモを取り始める。


メモを取るために少し前のめりになる


「ふむふむ、星くんが好きそうな感じですね。性格はどうします?」


ヴィーナス様もメモとかとるのか……

なんか意外、眼鏡とか似合いそうだな。


「いえ、神でもメモぐらい取りますよ?間違いが起きないようにするにはこれが一番手っ取り早いんですよ。」


そこは、神様も変わらないんだ……

ヴィーナス様がなんかすごいニヤニヤしてる


「星くん、眼鏡が好きなのはわかりましたから見惚れてないで性格を教えてください」


この女神すぐからかって来るじゃん….. 反応すると喜ばせるだけだ、それよりも性格をきめよう!

……でも、どうしよう、マジで悩むなクール系かツンデレ系、可愛い系、ダウナー系、迷う、……これは迷うぞ、これ自分で決めても絶対、後悔するやつだ。


ヴィーナス様に聞いてみるか、助けを求めるように視線を向ける。

ヴィーナス様、ヴィーナス様!!どうしよう?

おすすめとかありますか?


顔を合わせると、ヴィーナス様の顔が少し驚いていた。

「星くん、ちゃっかり心の声で私と話そうとしないでください!」 


え、ヴィーナス様は俺の心の声で会話してくるじゃないですか!


ヴィーナス様はため息をつきながら

「……わかりました、性格は星くんが1番好きそうなのを選んでおきます。」


この女神様最高かよ!マジヴィーナス様わっしょい!これはどんな子ができるのか、楽しみ。


「ありがとうございます。ヴィーナス様」


ヴィーナスは少し照れくさそうにため息をつく。


「まったくなんですか、わっしょいって……

まだ終わってませんよ!本題はここらです。

ドジっ子属性入れますか?」


ドジっ子属性……?


ドジっ子ってあれだよなミスするってことだよな?え、必要ないだろと考えていると

ヴィーナス様は信じられないものを見たような顔をしていた。


「メイドにドジっ子属性がいらないと本気で思っているんですか?……ありえないですね」


えぇ、そんな怒るとこ?

普通のことを言ってるよな……俺?


「いや、家事全般をしてもらうならミスがないほうがいいじゃないですか?」


ヴィーナス様が不満気にしながら口を開く。


「ミスしたらお仕置きできるんですよ?お仕置きしたくないんですか?」


この女神、お仕置きを連呼し始めたぞ……

俺は、この女神の言動に少し引いていた。


「いや、神様が何を言っているんですか?

神様ですよね?」


「やれやれ、星くんはわかっていませんね?

メイド=お仕置きですよ?これがわからないなんて………あっ、星くんは、そうでした、すみません……」


今まで熱くメイドを語っていたヴィーナスはいきなり哀れむような、しかしどこか優しさを含んだ表情に変わり、謝罪を述べた。


謝罪をする姿に慌てる。

「……どうしたんですか?顔をあげてください。なんでいきなり謝るんですか……?」


ヴィーナス様は顔を上げると

「すみません、グスッ、星くん……星くんは、女性経験がないから……お仕置きも、そもそも、女性の扱いも上手くできませんもんね」


……くそ、腹立つ、下手な泣き真似までして心配して損した。


何が腹立つって反論の余地がなくて言い返せないのが悔しい。ダメだここで煽り乗ったら絶対に負ける。……今は、引くんだ星、我慢だ星、無意識に拳に力が入る。


……あとでとっちめてやる。覚えてろよ。


「ヴィーナス様、そんなことよりほかに決めることはないですか?」


ヴィーナス様は驚いたような顔をして

「あら、のってこないんですか?寂しいですね。

でも、心配してくれてありがとうございます。

そうですねぇ、メイドさんの服装はどうします?」


メイドさんの服装かぁー、いやぁ、これは譲れない!!机をダンっと叩きヴィーナス様に伝える。


「半袖でミニスカのメイド服でお願いします。ヴィーナス様」


ヴィーナスは腕を組み頷いた。

「……ふむふむ、なるほど、気持ちもわからなくはないですが却下します。

それって漫画のコスプレメイドの知識ですよね……?」


漫画のメイド服いいじゃん!

露出多くて可愛いし!最高じゃん!

なんでさ……?


「いいですか星くん、メイドというのは掃除や料理など様々な業務を行うのですよ?その際、埃や汚れ、火傷、切り傷、様々なものから身を守るのがメイド服の役割、いわばメイドの戦闘服です。エッチなことをするための服なんかじゃないんです。」


「……あっ……えっ?」


 いきなりの正論に一瞬言葉を失い、目を瞬かせる。


「いやいや、確かに正論ですけどヴィーナス様だってさっきメイド=お仕置きだなんて言っていたじゃないですか!」


「はい、言いましたよ?何か問題があるんですか?」

当然と言わんばかりに答える。


「……も、問題ありますよ?なんでそんな、え、俺がおかしいんですか?」


俺を諭すように語りかけてくる。


「星くん、いいですか?丈の長いメイド服の方がお仕置きする時にとってもエッチ……になりますよ?

それに長いスカートに暗器とか銃が隠されているほうがカッコよくてロマンがあるじゃないですか」


……確かに、スカートから暗器を取り出して戦うメイドさんって漫画やアニメでもかっこいいよな、そんなメイドさんにお仕置きができるのか、確かに、エッチだ、エッチなメイドさんいいな、とても良い……


「鼻の下が伸びて気持ち悪い顔になってます。

最後なんかエッチなことしか考えてないじゃないですか!」


ヴィーナス様の視線が痛い

ば、ばれてる、ごまかさないと……


「……そんなこと、考えるわけないじゃないですか……やだなぁ、もう!」


「……でも、でもですね、ヴィーナス様、服装はヴィーナス様の言う通りでいいんですけど、ドジっ子属性はなしでお願いします!」


ため息をつき、呆れた顔をされた。


「誤魔化してもムダですよ?全部見えてますから。」


「じゃあドジっ子属性は無しにしておきますよ?

……星くんは逆にお仕置きされたいんですもんね?」


「ち、違いますってば……!」


……って、なんで今ちょっとだけ動揺したんだ俺……?


ヴィーナスは髪を指でくるくるといじりながら、意地悪そうに笑った


「はいはい、分かってますよ(棒)そんな慌てないでください、全く、星くんは可愛いですね」


……この女神、性格が悪い。これ以上変なことを突っ込まれる前に違う話題に切り替えないと


「メイドの件はこれで終わりですよね?

ヴィーナス様、それでメイドさんが完成するまで俺は……どこで何をしたらいいですか?」 


「あっ、話をそらしましたね?まあいいですか、そうですね〜完成まで時間がかかるのでそれまでここで異世界の言語の読み書きや常識を勉強していきましょうか!」


え、それって完成するまで、ヴィーナス様と一緒に生活するってこと?


「はいそうです。よかったですね?こんな美人で可愛い女神と生活できますよ」


うわ、自分で美人で可愛い女神って言ったよ。確かに美人だけどさ……


「……ヴィーナス様、そう言えば時間がかかるって言ってましたけど、どのくらいで完成するんですか?」


ヴィーナス様は、少し考え込んでから答えた。

「ざっと、数百年ぐらいですね、まぁ一瞬ですよ」


ヴィーナス様の言葉に固まった。

「……いやいや、全然一瞬じゃないじゃないですか?」


神様と俺たちだと時間の概念が全然ちがう……?ていうか、俺、数百年もここにいるの!?てっきり長くても数年ぐらいだと思っていたのに


「我慢してください、究極のメイドを作りますから!」

どんだけ我慢するんだよ!流石に長過ぎる……


俺は無事に異世界生活ができるのだろうか。

あれ、俺の寿命もたないよな?


「……俺、本当に異世界に行けるのか?」


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