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ねえ、君、死ぬ前に私と将棋しようよ  作者: takemot
第3章 僕の知らない死神さん
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第78話 ……お義母さんの提案だったんですね

「それでね。見かねた私が提案したのよ。魂を回収する予定の相手と将棋を指してみたらって」


「……お義母さんの提案だったんですね」


「ええ。まあ、全然上手くいかなかったみたいだけどね。人間が死ぬ直前って、寿命だったり、病気だったり、事故だったり。とにかく将棋ができない状況の方が多いから」


 確かに、死ぬ前の人と将棋ができる状況なんて、滅多に訪れるものではないでしょう。それに、その人に将棋経験があるかということも必要な条件です。それを考えると、自殺という道を選び、なおかつ将棋経験のある僕は、死神さんにとって格好の相手だったに違いありません。


「……確か、死神さんは、この辺り一帯で亡くなった人の魂を回収する仕事をしてるんでしたよね」


 僕の質問に、お義母さんはコクリと頷きます。


 おそらく僕のように、自殺という道を選び、かつ将棋経験のある人は、他にもいることでしょう。ですが、この辺り一帯という条件が追加されたのなら話は別です。


「……僕は、すごい偶然のおかげで死神さんと出会ったんですね」


「そうなるわね。これが運命の赤い糸ってやつなのかしら。ああ、早く孫の顔が見たいわ」


 お義母さんの言葉に、シリアスな雰囲気が霧散していくのを感じます。思わず呆れて笑みさえ漏らしてしまいそうな場面。ですが、僕にはそれができませんでした。まだお義母さんに聞きたいことがあったからです。


「お義母さん。冗談はそれくらいにして、続きを聞かせてもらってもいいですか?」


「冗談ではないのだけど……。まあ、いいわ。続きを話すわね」

 


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