石降る日に手を出して
頭上5メートルで石が生まれた。なんて事ない普通の石ころ。ゆっくりと落ちてくる。手を出せば、手のひらに収まるだろう。手を出さなければ地面に落ちて他の石ころと見分けはつかない。彼はただ重力に任せて地面に落ちるだけで、受け止めようが受け止めまいが彼にとって違いはなく、ただのいつもの日常で、俺にとっては大きな選択で。正解求めて、手を出しては引っ込めてを繰り返している。彼を恐れている。彼は怖くない。彼の存在で答え合わせは変わらない。俺の恐れが彼を怖いもの変えて、彼を重くした。俺の手に乗る彼は重く、俺を地面に沈めようしてる。彼は重くない。軽いはずなのに。簡単な選択で彼を重くする。でも選べなかった。もし、目を閉じて、5秒数えて目を開けて下を向いたらどれが彼かはわからないはず。彼はなんて思うだろうか、石に立ち止まらない俺を。今度は石に躓くかもしれない俺を。答え合わせは俺を二つに分けてしよう。やり方はわからないけど、君だって俺の足元でいっぱいに分かれてるでしょ?
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