無の桜
これは私の人間として生きた事を大雑把に記した日記のようなものです。私が思った事を綴っています。読者様に合うかはわかりません。そこは個人で起きてください。
私は、太宰治の人間失格の主人公よりも人間失格なのかもしれない。
学力は低く、運動もできず、信用できる友達もいない。誰にでもでもすぐに人見知りが発症して、周りに迷惑をかけてしまう。そして、何よりも人の心がわからない。
人間失格の主人公は、お道化して生きていき、上辺だけでも友達と呼べる存在がいたが、私はお道化としても生きていくこともできず、友達もいない。否、いたのかもしれないが、自分はわからないのだ、友達と言う関係が。
でも私は、人間失格の主人公みたいなお道化でなくても、違うお道化になろうとした。
そしてなろうとした結果がこれだ。人に愛されず、特技も何も無い社会のゴミという事になった。
でもこの方が気楽だと自分は、思った。何故なら誰にもあてにもされない、期待されないこれ程いいことは無いと思っているからだ。
期待されない分、絶望の大きさが和らぐとおもたっている。
自分は、小さい時からお世辞が嫌いだった。
何故心の中で思っていることと反対のことを平気で笑顔で接することができるのかとても不思議でしょうがなかった。
その光景は、自分から見たら恐怖でしか無かった。お互い、機嫌を損なわないように手探りをしている光景はとても恐怖だ。目が死んでいて感情なんて入っていない、顔が笑っていても目が笑っていないのだ。
話が終わり相手が帰ると笑っていた顔は一変し、怒りや、無表情等正反対の表情に変わるのだ。
自分は、お世辞はされる側だった。
家が名家だったからだ。
皆、感情を読み取られないように笑顔で声のトーンを高くして話しかけてくるのだ。その威勢に自分は驚き良く後ろに下がってしまう。
その行為が相手の気に触れてしまう。でも、親が権力者だから表にはなるべく出さずにいるが、親がいない時に良くとても冷ややかで鋭い視線を良く感じていた。
「あら、梅村社長さんちの一人娘の桜華ちゃんよ。親が頭が良いのに、桜華ちゃんは全く勉強できないらしいわよ。それに、人見知りが強くてとても会話が進まないとよく聞くし、何て可哀想なのかしら...。きっと梅村さんちに生まれてきてしまった事を悪く思われるんだわ。」
と、1度聞いてしまったことがある。まぁ確かにそうだね。こんな生きてる意味が無い人間がとても皆に慕われている家に生まれてしまったのだ。
神がもしいるのならば、自分は神が悪戯・遊びで創った失敗作・劣化品なのだ。
何も優れてない、只名家だと言うだけで周りにチヤホヤされてる出来損ない。一生心から愛されず上辺でしか良くしてもらえず、皆から哀れみの目で見られ裏では嘲笑いされる、大手の会社が出した失敗作の商品のようなものだ。
もうヤダ...。こんな世界。
自分は、16の時自殺未遂を起こした。この件はニュースになる程大きく報道になった。親には大打撃を与えた事になった。
自分は、何もできないくせに、何も役に立ててないのに、何も褒められないのに、何も喜ばせていないのに、何も楽させてないのに、親に迷惑をかけてしまった。唯一自分を、死んだ目ではなく、信頼した目で話を聞いてくれたりしていた。
どうして自分はこんな事をしてしまったのだろうか...
何故自分の生きる事を認めてくれている人を、信頼している人を傷つけてしまったのだろうか...
自分は、生きる事も死ぬ事もできないただの塵だ。
自分は、改めて自身の無能さに気がついた。
自分が病院に入院していた時、母親は見舞いに来てくれた。母親は怒りはしなかった。ただ「生きてて良かった。死ななくてよかった。」と、悲しんでいながらも心配してくれた。
自分は初めて親の大切さを知ったのだ。
父はテレビで謝罪会見をしていた。とても心が苦しんだ。どうして父は悪くないのに謝って罰当されているのかはわからない。犯罪も何もしていない。悪いのは全て自分だ。
自分は大人になってからは、家を出て一人暮らしをした。仕事は何もできない自分にはとても辛かった。だが、親はいつでも応援してくれた。
自分は親に言いきれないほど感謝と愛を感じた。
自分は職場で仲のいい人ができた(名前はもう覚えてないのです。それに友達かも自分にはわかりません。)。自分と同じく良く失敗をしいつも怒られている、同類だった。良く2人で話したり休日には一緒に出かけたりするようになった。
好きな物をお互いに勧めあって2人で好きになったり、仕事でどちらかできなかったりしたら協力し合い完成させたりしていた。
お互いダメ同士、励まし合って頑張って来た。そうやってお互い困難を乗り越えて来た。
姉妹のように。
だが、親の死は無理だった。乗り越えれなった。
最初に父が会社で倒れた。皮膚がんだったらしいが、本人は全く気づいていなかったらしく重症化してから知ったのだ。自分は父の死後に教えられた。とてもショックだった。
その1年半年後に母が亡くなった。死因は孤独死だそうだ。父が亡くなってからショックで何も口にしなくなったり、認知症が悪化したりしていた。もう周りからは駄目だと言われるほどだったらしい。
自分は親が亡くなってしまったので働いていたところを辞め、親の会社を継ぐことになった。
当然仲の良かった人(次からはAと呼ぶようにしましょう)とは、離れることになった。だが、今の時代はネットがあったのでネットで会話をしていた。
自分がいなくなってから、Aは会社内でパワハラ等に会うことが多くなったらしい。それでも辞めずに頑張って会社に行っているらしい。自分は何度か自分の会社に来ないかと誘ったが、来ようとはしなかった。
ある日Aからの返信が途絶えた。忙しいのかと最初は思っていたが、いつになっても既読すらつかない事にだんだん不安を覚えた。
その数日後、ある日警察が自分の家に来ていた。理由を聞くと、Aが自宅で首吊り自殺で亡くなった状態で発見されたらしいのだ。
警察は遺書に自分の名前が書いていたから事情聴取に来たらしいのだ。自分の名前の書いていたところの内容は遺書の中で唯一楽しそうな事が書いてあったらしい。
嗚呼...。また自分の事を信頼していた人が亡くなってしまった。どうして自分だけ死ねないのだ...もう自分の事を誰も信用しないでほしい。また自分のせいで犠牲者が出てしまう。
その後、会社は不幸に見舞われ地に陥った。赤字が続き倒産する羽目になってしまった。
それは大々的にニュースに報道されるようになった。自分の会見も生放送で報道されるほどだ。
自分は親の築き上げた会社を唯一の物を失ってしまった。自分はまた大切なものを失った。全てを失ってしまったのだ。
5月初旬
この地方では桜が散り始めている季節だ。
自分は、もう人が寄り付かなくなった夜の山の桜の場所に来た。山は地上より涼しいからまだ桜が満開な木が多くあった。だが山は危険等とかで寄り付く人は少ない。
自分は、もうこの日記のようなものを読んでいる読者が予想している事をしに来ているのだ。自殺をしに来たのだ。
しばらく、桜を見ながら歩いていた。そうすると、1本だけ桜の花弁1枚も着いていない、傷だらけの木を発見した。何故か自分は、その木にとてつもない執着心・興味が湧いた。
自分の様に周りが優れていて、1本だけ周りとは違っていて孤独感があった。嗚呼...この木は自分に似ていて、一人ぼっちなのだ。そして、ただ自分だけが違うだけで雑に扱われているのだな...可哀想に。
そして自分は決めた。
「この木で首を吊ろう...。」
自分は、無能だ。だが無能の分何かを得ようとしたかったのだ。
さよなら。
母さん、父さん、A今行くからね。待っててよ。
読んでいただきありがとうございます。
これは、作者の私の経験に近いものです。まぁ残念ながら私は名家には生まれておりませんが(笑)
私は、優れている人は多少性格に難があっても良く使われ、劣っている人は身代わりのように悪く使われて、劣っていたり、性格に難があっても財力があると上の地に行けてしまう社会はおかしいと思うのです。この主人公、桜華も名家の一人娘の為社長になっています。
私は、まだそんなにこの社会については詳しくありません。ですが、今はネットがあります。ネットでいろいろな人の感じ方等が見れたり感じたりできます。
そうすると、社会問題はかなり多くあるとわかりました。私は、私なりに社会問題を多くの人に知ってもらいたいのです。
起承転結がきちんとしていない作品をお読みになってくださりありがとうございました。