第一幕 第1話 暖かい家
初めて書いたので見苦しいかもですが、どうか最後まで読んでいただけると嬉しいです!
――この世界は偉大なる創造神カラファによって生み出されました。彼女は大地を、植物を、そして動物、そう。我々人間もその時に生み出されたのです。
この世に生きる人間、獣、魔獣、その他の亜人も――
「何回読むんだよこれ...」
ため息混じりの呟きを先生が聞きつけて、俺はまた反省文を書くこととなった。
ここは村唯一の学校。ここでは6歳から12歳までの子供が教育を受けることができる。
『できる』というのも、国家の方針に基づいて一定の金額を国に収めた家庭のみがうけられる。と定められているからだ。
しかし、収めなければならないのは家庭の子供一人につき小金貨1枚というなんとも優しいものだ。
ちなみに小金貨1枚は市場で1日分の食材を買えるか買えないか程度のものなので、余程貧しい家でない限り払えないものではない。
現にこんな田舎の村でも子供全員が教育を受けられている。
………………
…………………………
「では、授業を終わりましょう。」
先生が言うと、皆はわっと席を立ちそれぞれに動き始めた。
「お前、反省文何枚目だこれ...」
お、ジョルだ。これはチャンスだな。
「ジョルくーん、たすけてぇー」
しかし、今日はダメだったようだ。
ジョルは優しく微笑みを浮かべながら首を横に振った。
今日は帰りが遅くなるな。
下校の時間を1時間ほど過ぎた頃だろうか
ジョルがやってきた。いや、きっと待っていたのだろう。
にやにやしながらやってきたジョルは椅子に腰掛けた。
本日第2回目のお説教タイム開始だ。
「ったくよぉ。最上級生としての自覚はねぇのかよ?もうすぐでここから出るんだぞ?
いいか?次の四の月にはもう卒学なんだ。
まあ、今回は3人しかいないけど...ってまだ書き終わんねぇのかよ!?」
まったく、忙しいやつだ。
真っ白で美しい紙を無言で差し出すとジョルは諦めたようにため息をこぼし、元からこうなるとわかっていたかのように笑いながら言った。
「じゃあ、今日で最後な」
帰りは予定より早まりそうだ。
………………
……………………
太陽が景色を橙色で塗り始めた頃、やっと先生のお小言から解放され、外で待っていてくれたジョルの元へと行き着いた。
「お待たせ。どうした?」
呼びかけても返事はない。
ぼーっとしたままどこか遠くを見ている。
「おーい、生きてるかー?」
「あ、ああ。遅ぇぞ? 帰ろうぜ。」
やっと気づいたようだ。
まったく、騒がしいと思ったら突然静かになるなんて忙しいやつだ。
「なんか失礼なこと考えてねぇか?」
「いや〜?何を言ってるのかよく分かりませんね〜。帰りましょうよ〜。」
「まあいいか...。」
仲良く帰路に着く頃には空にはくすんだ月が見え始めていた。
「まったくよぉ、何回反省文書きゃ気が済むわけだ?歴史に残るぞあれ。」
「だってもう夢の中でも暗唱出来るぞ?
あんな『世界誕生紀』なんかよりももっと読むべきものあるだろ?」
「例えば?」
「『転生賢者』とか!」
「お前それ好きだもんなぁ。どんな話だっけ?俺それ学校入る前に母さんが寝る前に読んでくれてたらしいけど全く覚えてねぇよ。」
「えっと、この世界が出来てしばらくして、突然異世界から賢者様が現れて、今は常識になってる色んなものを異世界の知恵でどんどん定めていくって話。かな。」
「おお、そういえばそんな話だったな。」
「俺も賢者様みたいになりたいなぁと思ってみたり。」
「ハッ」
「鼻で笑うのやめてくれ...。」
「ごめんごめん。やっぱお前は賢者様大好きなんだなーと思ってな。」
「そりゃもちろん?大好きに決まってるだろ
だってあの賢者様―――」
「あ!お兄ちゃーん!早くー!お腹空いたー!」
いつの間にやらジョルの家の前まで来ていたようだ。
暖かい家の光に照らされて、ジョルの妹のアエラが窓からこちらに手を振っている。
「アエラちゃんって確か二つ下だよな?」
「そうだぞ〜。自慢の妹だ。」
「嬉しそうだな?」
「まあな。優秀な妹を持つ兄は大変だぜ?
いつもいつも妹が――んがっ!」
目の前で魔力弾が爆発した。
魔力弾は学校で扱い慣れていたので防御もすんなりと出来たようだがさすがに痛そうだ。
長話が過ぎたようでさっきまで笑顔だったアエラちゃんが真顔で、いや、こころなしか怒ったような顔で窓からこちらを見ていた。
「いででで...。あいつ腹減るとすぐ怒るんだよ。」
「無事か。」
「日常茶飯事。」
「こわ...。じゃあ、また明日な。」
「ああ。うん、また...。」
何だか歯切れの悪い返事が返ってきた。
さっき遠くを見つめていたことと何か関係があるのだろうか?
ここは親友であるこの僕が聞いてやろう。
「どうしたんだよ?」
「いや、別に...。」
「嘘だな。お前は嘘をつく時左の眉を触る癖がある!」
「そこまで見られてると気持ち悪いよ!」
いつも気になっていたことなのでこの際言ってしまったが気持ち悪いと言われるとは思いもしなかった。
少しガッカリだな...。
しかし、打ち明けるきっかけにはなったようだ。
「なあ、この村に足りないものってなんだろうな。」
「は?」
何を言い出すかと思えば訳の分からないことを言い始めたな。
ほんの少し。
気味が悪い。
まあ、聞いたのは僕だ。答えてやろう。
「金。だな。」
「お前もそう思うか?」
「まあ、足りないっていうとそれぐらいじゃないか?
あ、あとはもう1人の同級生ぐらいだろ。」
「ああ。リアーだろ?どこいったんだろうな。結構前から行方不明だけど...。
まあ、式の日にひょっこり帰ってきたりしてな。ハハハ。」
「ハハハってなぁ...。んで、考えてたのってそれだけ?」
「まあそんな感じだよ。気にかけてくれてありがとな。」
悩みが解決したようだし、そろそろ帰ろう。
「じゃあ、今度こそ。また明日な。」
「ありがとな、ベル。また明日。」
………………
……………………
もう空はすっかり夜に染まっていた。
ここから5分ほど歩いたところが自宅だ。
1人だと5分は意外と長く感じる。
人と別れたあとは尚更だ。
向こうにぼんやりとした灯りが見えてきた。
「おかえり。」
あたたかみのある女性の声が後ろから聞こえてきた。
「ただいま。母さん。」
「遅かったね?また反省文とか?」
楽しそうな笑顔で核心を突いてきた。
なぜ分かったんだろうか...?
隠しても無駄なのだろう。
「まあ、そんな感じ。」
「あはは。やっぱりか。帰ったら詳しく聞かせてね?」
この人の笑顔は世界を救えるんじゃないだろうか?
どこからか後光が差してもおかしくないほどに眩しい。
「帰ろっか?」
「うん。」
帰ろう。暖かい家へ。
いかがでしたでしょうか?
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ここまで読んでいただきありがとうございました!m(*_ _)mペコリ




