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詩集 手をつないだら

君のために

作者: 小日向冬子

僕のことならいいんだよ

やり残したこともべつにないし


ここまで生きてこれたこと

それだけでもう充分過ぎるくらいだし


ただ気にかかるのは

君のこと


だってさ

僕を失ったら

君が生きていけないことぐらい

逆を考えたらすぐわかる



おはよう、よく眠れた? って

互いの笑顔で始まる一日


子どもの目を盗んでは

いってらっしゃいの小さな口づけ


体調はどう? 無理しないでねって

昼休みに交わす短いメール


気の向くままに散歩をしながら

夕飯の献立や仕事の悩みや

幸せの意味を語り合った

数え切れないほどの日々


何もないところから始まった僕たちは

惨めな思いもたくさんしたし

お金の苦労も嫌というほどしてきたね


ときおり自滅しそうになる弱っちい僕の心にも

いざというときには容赦ない君だから

ときにはその強さが辛くて

そして淋しくて

泣きたくなることもあったけど


知ってる

そんな君でなきゃ僕は

あのままダメになっていた



だからこそわかるんだ

君がいなけりゃ僕が生きて来れなかったように

僕のいない日常に

君は耐えられないだろう


強がっていても

本当は僕なんかよりずっと

繊細で臆病で

そして淋しがり屋な君だから


そんな自分を励ましながら

奮い立たせながら

無理やり走ってきたこと知ってるから


そうやって君は

いつだって僕を守ってきてくれたんだ



だからね


僕は生きるよ

生き続けるよ

ただ君のために


僕自身を失うよりも

君の心が壊れることが

ずっと辛いから


あきらめないよ

君を守るために


これからも君と

ずっと生きていくために




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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして よくわかんない状況みたいですが ジーンと胸が暖かくなる詩でした。 この詩の二人のように、互いに意味を 持たせあえる関係を築けたらいいですよね。
[一言] どうも、藤井まやです。 こっそりということでしたので、感想だけ残させて頂きますね。 誰がために生きてるわけでもない私ですが、誰かのために生きてるって、本当に生きがいを感じる人生なのだと思…
2015/11/04 18:34 退会済み
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