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捕食者

作者: しろた こお

随分前に友人に書いたものです。

ホラーともいえないし、短編というには短すぎますが、よろしくお願いします♪

何食わぬ顔をして捕食者は獲物の群れを見ている。

気を付けなければ、否、気を付けているつもりでもそれはつもりであって、己の身を守るという事にはならない。

いつでも獲物は狙われていて、いつ捕食されてもおかしくはないのだから。


ハリスが何をし、何を考えているのか、マークは知らない。

知らない事が自分の身を守ると知っていたからだ。

それでもハリスの度重なる言動や奇行には興味がない訳ではない。

マークはハリスの普段の生活に於いて何かが欠落しているような気がしていた。

果たしてそれが何なのか、マークには皆目見当がつかなかったのだが、ある日ハリスがマークの席を訪れた。

「マーク、君は何が必要で何が不要か考えた事はあるかね?もちろん仕事の上では考えているだろ。人間は時間の中で生きているのだから。しかし、果たして人間は時間の中で生きているのか……答えは違う。人間は時間の中を生かされているにすぎないのだよ。結局人間は自ら生きる事など無理な話だ。だが、生きる事を意識する事によって自我を保っていられるのだよ。我が友マーク、君は生きているのかね?それとま生かされているのかね?」

ハリスはそう言うと何食わぬ顔で懐から出したナイフをマークの首に突き立てた。

何が起きたか把握しかねているマークを見つめ、ハリスは溜め息をこぼした。

「やれやれ、スーツが汚れてしまうね」

そう言ってハリスは退屈そうな欠伸を噛み殺しながらマークに背を向けた。

意識のある……といっても薄れいく意識の中でマークはハリスの背中を見つめた。

しかしやはりハリスの事を理解する事など出来なかった。


「ハリスは特別なケースという訳ではない。皆が皆、少なからずハリスと重なる部分を内に秘めているのだが、それを表面上に出す人間とそれを意識しない人間、そしてそれが当たり前の行動だと認識している人間がいることは疑いようがない。」

そう語る老人の首にはナイフを突き立てたような傷痕があった。



完。





読んで下さってありがとうございます(*´∇`*)

拙い内容ではありますが、精進してまいります。

ありがとうございました♪

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