思考を柔らかくする文
『星をつかもうと手を伸ばしても、なかなかつかめない。だが少なくとも、星をつかもうとして、泥をつかまされることはない。』という言葉をご存じだろうか。高い目標を立て、そこを目指して努力していれば底辺まで落ちることはない。という風にとれる。
実際、人間というのは努力できない生き物なのである。ただ、漠然と勉強をしなければならないと言われても、することはできない。勉強することができる人は皆、受験に合格する、や、資格を取る、新しいことを知りたい、など何らかの同期があるはずだ。
その動機に合わせて、努力の値も変わってくる。それ以上の努力はできないが、それ以下の努力で満足してしまうことはたびたびある。
だから、目標は高くもて、というのだ。
だが、なぜ泥をつかんではいけないのだろうか。泥は必ずしも悪いものなのだろうか。そうではないように思う。
星をつかもう。泥もつかもう。
楽しいことばかりで、人生は本当に楽しいといえるのだろうか。つらいことを経験しているあなただからこそ、楽しいことばかりの人生こそが楽しい、というだろう。
だが、楽しいことばかりでは楽しくないのだ。
初め楽しいと思っていたことも、常にその状態に置かれると、それが当然のように感じ、むしろ鬱陶しく感じてしまうときも洗う。
最も幸せなものに慣れてしまうと、その人生にはもう幸せはない。
この言葉を否定しているのではない。むしろ肯定しているのだ。
星をつかもうとしてつかめないのである。
言い換えると、つかんではいけないのである。
泥をつかまされることはないのである。
言い換えると、自分の意思でつかみに行くことができる。
幸福を目指すのはもちろん、辛いことさえも自ら進んで経験することができるようになれば、それは人生としては大成功なのではなだろうか。