9話目です(≧∇≦)
おはようございます(*^^*)
冒険者ギルドの練習場で、ゴメスさんが胸を貸してくれることになった。
スキンヘッドでムキムキ筋肉の大男のゴメスさんが相手だ。正直昨日までの自分だったらすっ飛んで逃げる状況である。だが、いいチャンスだ。ここで自分の実力をしっかり把握しておかないと。自分の力を把握せずダンジョンに潜るにはとても不安だし。
「かかって来い。」
「行きます!」
お互い刃を潰した模擬剣と盾という装備で相対している。じっとしていても始まらないし、何より私は戦闘の素人だ。こっちから向かって行き経験値をあげるしかない。
カン、キン。
私の攻撃は簡単に防がれてしまう。逆にゴメスさんの攻撃は、いくぞと声をかけてもらってからなのに受けるので誠意一杯。しかも、下手に受けると盾ごと吹っ飛ばされる。
「はあ、はあ。」
「動きは悪くないが、素直すぎるな。実戦経験がほとんど無いんだろお前。」
「そのとおり!」
ユリスのアシストでそれらしく剣を振れるだけ。素人に毛が生えた程度の実力。自分の実力がどの程度なのか、少しわかった気がする。
もう疲れて動きの悪くなった身体に気合を込める。最後に一撃だけでも!と、思いっきり振り下ろした剣撃を、ゴメスさんは軽々と剣で受け止めた。
「大振りするな!」
「ぐあっ!」
盾で殴られて吹っ飛ぶ。予想出来なかった、あれは防具ではないな。純粋な撲殺武器だよ。
「まあ、ここまでだ。今日はもう寮に帰って寝ろ。」
そう言って、ゴメスさんは去って行った。
(ユリス、ゴメスさんの実力はどのくらいだ。)
(冒険者の中では、中の中くらいでしょうか。)
全くかなわなかったゴメスさんでも、中くらいか。
神様の言っていたソコソコの実力ってあのくらいかな?よし、目標にしよう。やっぱり本当は簡単な仕事ではないようだ。でも、私は色々と恵まれてはいるようだし……なんとかなるかな。
この日、私は寮に戻ると泥のように眠った。
・・・・・
兄「チュートリアルは終わりに近づいているようだね。そろそろ僕の加護を試すように言ってくれないかな。」
妹「部下の加護もまだ教えてないのに……。」
読んでくれてありがとうございます(^-^)/