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8話目です(*^^*)

おはようございます(*^^*)

ゴメスというスキンヘッドの大男に連れられて、冒険者ギルドの寮に到着した。


「さっきは悪かったな。」

「いや……」


ゴメスにはいきなり殴られたのでよい感情はない。しかし、案外まともに寮まで案内してくれたこともあり、私は彼に文句をいうタイミングを失ってしまっていた。


ゴメスは寮の管理人に私を紹介した後、私の背中をバンと叩いて、


「荷物をおいてきな新人、飯をおごろう。」


そう言って、背中を向け玄関に向かう大男。ええと……ギルドを出てからの態度はぶっきらぼうではあるが丁寧だ。本当は親切?こっちが素か?


言われた通りに荷物を置いてゴメスについて行くと、倉庫みたいな建物に着いた。中に入ると体育館のような開けた場所と軽食ブースがあり、体育館のようなところには剣を持った者たちがガチガチやっている。


「ここはギルドの練習場だ。売店のメシもそこそこ上手い。そこらに座って待ってろ。」


そう言って、ゴメスは軽食販売の窓口らしきところへと向かって行った。飯をおごる、プラス練習場の紹介、をしてくれたようだ。どうやら本当にいい奴っぽいな。


「おい、兄ちゃん!ゴメスにさっき八つ当たりされてただろ。災難だったな。」

「……ああ。」


軽装の男が笑いながら声をかけてきた。どうやらさっきのギルドでのシーンを見られていたらしい。


「俺はカールってんだ、よろしくな。ゴメスのおやっさんはさ、あれがなければいい奴なんだ。水に流してやってくれよ。まあ、あれなんだがな……」


軽装の男……カールが説明してくれた内容は衝撃的であった。ゴメスは少し前に娘さんが行方不明になったそうだ。同じ頃、キュンちゃんはダンジョンの入口付近で倒れているのをゴメスに拾われたそうだ。そして彼女は記憶を失っていた。ゴメスとその妻がキュンちゃんを娘さんとだぶらせたのか、その当時かなり甲斐甲斐しくキュンちゃんの看病をしたそうだ。


今ではキュンちゃんは冒険者ギルドが身元引受人になり独り立ちしている。が、今でもゴメスは彼女を目にすると保護欲の塊のようになるそうで。結果、私が目撃したようにゴメスはキュンちゃんの前でだけ、ちょっと……いや、だいぶ変人なるらしい。


あれでもキュンちゃんのことさえ除けば、このシシンの冒険者ギルドでも最も人望がある古参の冒険者の1人だとカールは言っていた。


ゴメスが戻ってくる前にカールは私から離れて行った。私は今ちょっと複雑な顔をしている自覚がある。


「ほれ、うまいぞ新人。」

「……ああ。」


よこしてきた串肉は、本当に美味かった。


「カールからいらんことを吹き込まれただろ。気にしないでくれ。」

「……別にあんたのことは話していないさ。」

「ふん。そうか。」


我ながら下手な芝居だなとは思ったが、相手もそれに突っ込んでこない。


「シシンでの仕事は、ダンジョンとそれ以外、どっちをメインにするつもりだ?」

「しばらくはダンジョンのつもりさ。」

「よし、腹ごなしに稽古をつけてやろう。」


ゴメス……さん、どうやらいい人確定のようです。

お読み頂いてありがとうございました(*^^*)

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