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24/24

24話目です(*^^*)

おはようございます。

最終話です(*^^*)

光の剣が消え、とても辛そうなユリスの声が頭に響いた。綺麗な声が。


声をかけたが返事はなかった。すでに天界に帰ってしまったのか。


あのホーリーブレードは大天使の技だと言っていたので、小天使のユリスではあそこまでが限界だったのだろう。かなり無理をさせてしまった。今度またあったときに、”ありがとう”と言おう、必ず。


ゼクロノームは倒しきれなかったが、ドラグナイトは姿を消した。恐らくしばらくすれば復活するはずだ。


着地して……とっ!これは?身体がうまく動かない……法力切れか!


「ケンさん!」


倒れそうになる私をキュンちゃんが支えてくれた。


「ぎぎぃっ!まさか貴様のような奴に傷をつけられるとは!」


体を半分切り裂いたのに、ゼクロノームはまだ大丈夫そうだ。というかみるみる傷が消えていく。さらに、その身体はどんどん大きくなっていくではないか。そうか、乗っ取りかけているダンジョンの力を使っているのか。


せめて、キュンちゃんだけでもゴメスさんのところへと返してあげたいが……状況は如何ともし難いものがある。あれほどの剣技を会得しているキュンちゃんでもこの状況を覆せるほどの……


ん?


「キュンちゃん、記憶が戻ったのかい?」

「はい?……えっ?」

「さっき剣術の奥義名、言ってたよね。」

「……あっ!」


キュンちゃんは全く気がついていなかったようだ。私に言われてキュンちゃんは目を閉じ、眉毛を八の字にして必死に何かを思い出そうとしている。


「さすがにもう終わりですかね?

やれやれ、無駄なことをしてくれたものだ。あの木偶の坊が復活するまで時間がかかるようです。仕方が無いですね、私が死なない程度に痛めつけて遊んであげましょう、くっくっくっ。」


にんまりとした顔で私達を見下すゼクロノーム。何か、何か方法はないだろうか。どんどんと大きく、かつ凶悪なシルエットに姿を変えるゼクロノーム。私は歯を食いしばりながら打開策を考えるが……無理か……いや!諦めたくない!ユリスと約束したのだ!また会うと!


「ケンさん思い出しましたぁ!」


私を抱えたままキュンちゃんが突然大声で叫んだため、私は素でびっくりした。私を床に座らせ、立ち上がったキュンちゃんが私を見つめ、あの向日葵のような笑顔を見せてくれた。


「ケンさん、感謝します!」


次の瞬間、キュンちゃんは光り輝き、何と!2人に別れた。


倒れこむ少女……そして、浮かび上がる少女。


2人ともキュンちゃんに似た顔だ。何と無くだが、二人の顔を足して2で割るとキュンちゃんになるような気がした。推測に過ぎないが、おそらくそうなのだろう。


浮かび上がった少女には大きな翼が4枚、そして、頭上に天使の光る輪がある。天使……?


「ケンさん、私は人間キュンではなく大天使キュンメルなのでした。」


私の目の前で、天使はフワリと浮きながら優雅に挨拶をしてそう言った。ニコリと笑った天使の顔には、やはりキュンちゃんの面影がある。


「たしか、実体を持った天使は究極大天使(アルティメット・アークエンジェル)と呼ぶと。全ての聖霊、天使が追い求める究極の姿。この世界に数人しかいないとユリスが言っていた……。」


私の言葉にキュンメルは笑顔で肯定した。それに対し、顔を歪めたものが1匹。


「なっ!アルティメット・アークエンジェルだとぉ!こんな馬鹿な!ええい、くらえ!」


そう叫んでゼクロノームは巨大な黒いビーム?のようなものを放つ!私と少女、そしてキュンメルの方に向けて!


近くでそれは大爆発を引き起こした。しかし、それは一対の黄金の翼に防がれた。当然それはキュンメルの防御の力であろう。キュンメルはもう一対の翼を2振りの剣に変え眼前に交差して構える。


それは、あまりにも美しい十字架に見えた。


「聖光十字封印剣!!」



キュンメルがそう言葉を口にすると剣より黄金の十字架が放たれる!

黄金の十字はゼクロノームの黒いビームを弾き飛ばし、ゼクロノームに炸裂する!


ゼクロノームは身体に十字の焼印を穿たれており、光る球体に包み込まれ、みるみるうちに小さくなり、やがて小さな黒いシミのようなモノと化した。あれがゼクロノーム正体なのであろう、そしてその光球は最後にふっとかき消えた。


「正義は破れないのです……。」


キュンメルが剣を振り、ポーズを決める。終わった……ようだ。そうか、そうあったのか。やはり私は協力者であり、脇役だったのだ。キュンメルこそがこのダンジョンでの勇者であり、主人公だったのだ。


キュンメルは笑顔で私に声をかけてきた。


「ケン、貴方には迷惑をかけましたね。」

「いえ、それより……」


よくわからないことが沢山ある。


「ええ、説明しましょう。その前に法力を分けてあげますね。」


そう言われた途端、身体が優しい光に包まれ徐々に力が戻ってきた。お陰で自力で立てるようになった。


「では、まずことの始まりです。

このシシンの迷宮がある者達に狙われていることを察知した私は何とかして迷宮内に潜り込みたかったのです。それもドラグナイトにも気付かれずに、です。しかし、この姿ですので悟られないように忍び込むのは不可能でした。そこで一計を案じ、この少女に協力してくれるよう頼みこんだのです。彼女は快く引き受けてくれました。

しかし、私が守護するには彼女は弱すぎました。もし憑依すれば彼女の心が壊れてしまう恐れがあったのです。

そのために、力を圧縮凍結した私と彼女との”融合”という手段を選びました。ただ、それでも彼女には荷が重すぎたようで……結果、2人してあのような記憶喪失状態になってしまったのです。」


天使キュンメルが話し終えると、彼女のすぐそばにドラグナイトが現れた。


「キュンメル殿、久しいな。この度はお世話になった。感謝いたす。」

「御無沙汰しております。スーと共に、ここの試練に挑んで以来ですものね。あの時の私はまだ中天使でしたもの。懐かしいわ。」


あの、何かすごいことを言っているような気がする。推測するにキュンメルは剣聖スーの守護者だったようだ、なるほど。ならば剣聖流を使えても不思議ではない。


ドラグナイトは今度は私の方に近づいてくると、頭を下げた。そして、


「ケン、よくぞやってくれた。礼をいう。ワシが魔王と成っておればキュンメルとて無事では済まなあったであろう。

そしてよくぞワシを倒し、このダンジョンの踏破を成し遂げた!汝にこのダンジョンの踏破の証明、竜気の加護を授けよう。」


ダンジョンを踏破した者……か。それはあり得ない。


「……有難いお話しですが、遠慮させてください。」


ドラグナイトは目を見開き、大きく口を開いた。表情は読み取れないが、驚いているのだろう。


「私が踏破したわけではありません。全てユリスとキュンちゃんのお陰です。」

「いっ、いや、だがっ!」


ドラグナイトは断られるとは思っていなかったようだ。


「また、ユリスとここに戻ってきます。ですから、それまで待っていてください。」

「……これは参った。むう、だがすでに……。」


難しい顔をして黙り込んでしまったドラグナイトはキュンメルに視線を投げかけた。コクリと頷いてキュンメルが声をかけてきた。


「ケン、ユリスは貴方の守護者ですよね。」

「はい。」


ユリス……。


「ケン……覚えていてください。ホーリーブレードは”天使自らが殺戮の道具に姿を変える”もの。それは使用者に自分のすべてを託す”信用の証”でもあります。」

「はい、決して忘れません。」

「そして……」


キュンメルは静かに歌を歌い始めた。言葉は分からないが、心に染み入る、そんな歌声だった。やがて歌に応えるように金色の光がキュンメルの掌に集まってきた。それを私の目の前に持ってきて、キュンメルは厳かに呟いた。


「ケン、これがユリスです。ユリスだった者の残り香、です。」

「!」


……キュンメルの言葉の意味することに気付き私は言葉を失った。


なんとなく、なんとなくわかっていたのだ。ただ、確認することが怖くてできなかった。……そして、その瞬間、理解(わかって)してしまった。


私は、ユリスのことを失いたくないと思っていたのだ。だから、認めたくなかったのだ。ユリスがウソをついた可能性を……死んでしまったことを。


そう、好きになっていたのだ。ユリスのことを……。


「ユリスは……死んだのですか。私の……私のせいで!」

「限りなく消滅に近い状態ですが大丈夫ですよ。ですがケン、たとえユリスが無事でも天使に復活出来るには数千年はかかります。さらに言えば記憶も何も無い真っ新な状態で、でしょう。そのことは忘れないでいてあげてください。」


そんな……でも、生きているだけでも、いい。たとえ私のことを覚えていなくても……もう会うことができなくても……。


「……生きてさ」


(いいの?)

(え?)


そのとき、私の耳元で誰かが囁いた。


(それでいいの?私は嫌よ。)

(……ユリ……ス?)

(ケン、本当のことを言ってください。貴方の気持ちを教えてください。私は貴方と会えて良かった。守護したのは女神様のご指示ではあったけど、あなたと一緒にいたいと思ったの。思わされたのよ、貴方に、ね。責任を取とってください。)


これは、ユリスなのか、ユリス、君は……天使で……


(私はあなたが好き、貴方は?ケンは?)


……情けないな、私は。先に言われてしまった。


(君には、生きて欲しい。たとえ会えなくても、私のことを覚えていなくても。それは本心さ。

そして……君に今すぐ会いたい、私のことをずっとずっと忘れないでいて欲しい。これも本心さ。

ユリス、私は君のことを)

(ストップ、それはあとのお楽しみにしようね♪)


……思わず、こけそうになってしまった。この声は、神様か!


(もう兄様!いいところなのに!ケン様、その光に触れてください。そして、ユリスを心から求めてください!心の底から!)


この声は神様が言っていた妹、つまりこの世界の女神様か!よく見るとキュンメルは微動だにしていない、ドラグナイトもだ。この場で動いているのは私だけ?私は驚きながらも手を伸ばす。


ユリスに。


ユリスだったものに。


怖い、怖い、うまくいかなかったら。


でも、頼む、頼みます神様!女神様!


ユリス!君に会いたいんだ!


私の指先が光に触れた途端、それは大きく大きく輝きだした。


「これは!」

「ぬう!」


キュンメルとドラグナイトの驚きの声が聞こえたが、私はそれどころではない。大きく輝くそれを食い入るように見つめている。



頼む、頼む、頼みます!



やがて光が収まり、そこには……



一人の女性がいた。その女性は、私に笑顔を向け、私だけを見つめていてくれた。


「ユリス……か?」

「はい……ケン。」


何と言っていいのか!ダメだ、視界がぼやけて目を開けてられない。奇跡だとキュンメルが呟くのを耳にした。正にそうに違いない。


「あ、あの、ケン?」

「なに?……ああ。」

「……わかった?」

「ああ、わかった。」


そう。さきほど言いかけた言葉があった。それを私に言えと言っているのだ。


恥ずかしいな。


「分かっているなら……恥ずかしいのですから、そんなに見つめないで、ね。」


……懸命な読者の諸君ならわかるであろう。私は、別の意味で恥ずかしくなった。それはそれは身悶えするほどに。


「あーごほん、ではワシが転送してやろう。ケンとその倒れている娘が先で良いな。……ユリス殿には服を用意してやろう。」


ユリスに視線を向けられないのでキュンメルの方を向いたら、下をむいて笑っていた。天使に笑われる私って一体……。




・・・・・



さて、神様から依頼された仕事は始まったばかり。今回はユリス達のおかげで何とかなった。だが、納得の行く仕事をできたとは言えない。まずは、着実に冒険者として実力を付けよう。


「ねえ、分かってる?私が何を期待しているか?」


……その前に、隣にいる相棒にあの一言を言える実力(ゆうき)を持たなくてはならないようだ。





・・・・・





妹「ふう、一時はどうなることかと。」

兄「心臓に悪いね。部下Cが部下Aを覚醒させる段取りだったのに、その前にいなくなるとはね。正直ひやっとしたよ。そうそう、例のものを渡して。」

妹「……はい兄様、これを。」

兄「ああ。じゃ、これは頂いていくね。」

妹「はい。よろしくお願いします。」ペコり。

兄(こいつからどの程度情報を吸い出せるかな……まあ、後悔するといいよ。誰の仕業が僕には既に見当がついてるんだからね。)



fin



実はいちゃラブ系だったというオチです(笑)。最後まで読んでくれてありがとうございました。


自分がもし、異世界にいくなら、というテーマで書きました。この場合、自動防御は外せません(笑)。


今回は先に話しを作ってからアップするカタチをとりました。追われる感じがないのがいいですね(笑)。あと見直しも多くできるのがいいです。ですが、ノリと勢いで書いた部分をかなり削除してしまったので今回の話、私の好きな、のほほん、ホンワカ、ギャグ、笑い、の要素が少なくなってしまいました。反省m(_ _)m



作品中で明らかにできなかった設定がかなりあります。お詫びとしてここにそれを書いて終わりにしたいと思います。



<設定>


400年前女神の部下であり、試練の迷宮のひとつのカークスのダンジョンマスターが魔王になってしまった。そのダンジョンより魔物が溢れ出て世界を魔物が闊歩することになる。


女神は部下に残りの4つの迷宮のダンジョンマスターに警戒を強めるように指示。


現在の少し前、大天使キュンメルがシシンのダンジョンの異変を感知し女神に報告した。


シシンのダンジョンマスターだけでなく、女神は自分の感知にも引っかからないことから、兄神様に相談。


兄神は、すぐさま異界の神々が妹にちょっかいを出した事実を突き止める。


兄神は自分の世界の人間に”万能”のチート加護を与え送り込む。ちなみに兄神はそのチート加護を遠隔操作が可能。そのためケンは知らぬ間に色々な情報を兄神に送っていた。ただ、現実の世界に神の直接介入はご法度という神々のルールを裏ワザ的に掻い潜ったかたちになる。


兄神曰く「それが何か?」


エサ……ケンを使って実行犯を捕まえることにした。途中、危ない場面があったものの成功。魔王メーカーはある意味コンピューターウイルスのようなもの。兄神はそれを改造、凶悪化、無限分裂増殖機能搭載して“元の世界“に送り返す。


なぜか、複数の世界が滅び、力を失った神々が兄神に土下座して詫びる。


兄神曰く「……妹が止めるからもう許すね。助かったねぇ。」


妹……女神は自分の世界に残る3体の魔王メーカーを駆除。しかし、既に魔王を生み出した魔王メーカーには手が出せなかった。なぜなら、魔王のいるダンジョンだけは女神の力も、部下である大天使達の力も無効化されてしまうから。


立ち向かえるは、異世界の勇者ただ一人……というすじがきでした♪


ケンがドラグナイトに立ち向かえたのも、ユリスが助かったって人間化したのも実は、万能というチート

加護のおかげでした。


最後に。


本当は、ユリスは、死んでいました。

最後は、えばんげのレイみたいな2号ユリスを出すことを考えていましたが……途中で設定を変えてラブを注入しちゃいました(笑)



最後にもう一度、ありがとうございました。

感謝です(*^^*)

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