23話目です(*^^*)
おはようございます(*^^*)
「ゼアアア!」
ドラグナイトが大きなモーションから放った槍の一撃は衝撃波を伴い、間一髪伏せたキュンちゃんの頭の上を通り過ぎて行った。
「やあ!」
攻撃をかわしたキュンちゃんは、目にも留まらぬ早業で剣を乱舞する。こちらは”かまいたち”のような衝撃波が生まれ、ドラグナイトに飛んでいく。ドラグナイトはかわすことはせずほぼ全ての攻撃が決まる。私はそれを見てドラグナイトは操られているせいで動きが鈍いのでは、と推測する。
その後も間を置かず一気に距離を詰め接近戦を仕掛けるキュンちゃん。素早いキュンちゃんの剣技は流れるように見事で、近距離でもドラグナイトに吸い込まれるように決まっていく。大振りの一撃が多いドラグナイトは防御を殆ど気にしない。しかし、キュンちゃんの攻撃が当たるそこだけが金色に輝きその攻撃を跳ね返しているようだ。全く傷ついているように見えない。どうもオーラのバリヤーようなもので覆われているようだ。
私はというと、光翼防御で身を丸く包み……コロコロしている。情けないことこの上ないが、二人の攻撃の余波だけでまともに立っていられない状況なのである。
(ユリス、どう?)
(ドラグナイトは竜気を纏うことで、高い防御力を発揮しています。キュンちゃんは超一流の剣士のようですが、あれを突き破るには攻撃力が……なかなか難しいと思います。
また、あの魔王メーカー・ゼクロノームという輩はシャドウゴーストと似た能力……憑依した者を操る能力を持っていると考えられます。)
(で打開策は?)
(ケンは、ドラグナイトを助けたいのですよね?)
(さすが私の相棒、よくわかっている。)
(ドラグナイトを助けて、ゼクロノームをギャフンと言わせる方法が……一つだけあります。)
私から見た2人、ゴメスさんとキュンちゃんは本当の親子のように思えた。
ドラグナイトはここで自分がすること……加護か死かを与えること……の重さを真摯に受け止めていた。
(……キュンちゃんをゴメスさんのところへと返してあげたい。それに……ドラグナイトのためにも、ゼクロノームを倒したい。)
(では……)
ユリスの指示に従い準備を始めた。まず光翼防御を展開する。今までと違うところは半透明で透き通っていた翼が金色に着色され不可視化されている点だ。
「きゃあ!」
ドラグナイトを相手に善戦していたキュンちゃんがとうとう攻撃を食らってしまい、吹き飛ばされた。
放物線を描いて吹き飛ぶキュンちゃん。このままでは壁に衝突してしまう。ここで彼女が動けなくなるのは大変まずい!
全力で壁際まで回り込み、彼女を壁際ギリギリで私がキャッチする。自分で言うのもなんであるが、よく間に合ったな。
「あ、ありがとう。ケンさん!」
「大丈夫かい?」
「はい!なんとか……ううぅ。」
「治癒!」
今の攻撃でかなりのダメージを負っていたようだ。すぐに治癒をかける。
ガキン!ガキン!
いつの間に近づいていたのか、ドラグナイトが光翼防御を叩き壊さんと槍を振るってくる。相変わらずドラグナイトの上でゼクロノームはニヤニヤとしているのが羽の隙間から見える。
「キュンちゃん、ドラグナイトの動きを止めること出来る?私が一撃を入れられるくらいに。」
「はい、できます!やります!私が必ず動きを止めます!」
私が何かをしようとしているのが分かったからであろう、即答してきた。キュンちゃんは私に向日葵のような笑顔を向けてから戦士の顔に戻り、立ち上がった。
「頼むよ。」
「行きます!」
そう言うと、キュンちゃんは物凄い早い動きでドラグナイトに攻撃を開始した。その間に私は渡されたドラグナイトキラーの剣を鞘から引き抜き、しっかりと構える。
(だいじょうぶかな?)
(お任せください。ただこれをすると……私はしばらく天界に帰って力を取り戻すまで戻ってこれなくなります。)
(ははは、そうか……寂しいな。でも、また会おうユリス!)
(……はい、ケン。)
キュンちゃんはドラグナイトを猛攻で押してていたが、ドラグナイトは防御を考えない大振りで槍を大きく一閃!そのためにキュンちゃんは一度大きく飛んで距離を取り、着地してすぐにドラグナイトの正面から斬りかかる!ドラグナイトはそれを読んで槍を繰り出した。
「剣聖流奥義”無理槍剥鳥”!」
「グァッ!」
いったい如何なる技なのか、ドラグナイトの槍はキュンちゃんの手の中にあった。そして、キュンちゃんは槍ごと高速回転を始めた。
「剣聖流奥義”無理槍剣化独楽”!」
その槍は竜気を突き破りドラグナイトの脚に突き刺さった。そのまま地面に突き刺し、縫い付けた。言葉通り、ドラグナイトの動きを止めてくれたのだ。
「今です!」
「やああああ!」
ドラグナイトをドラグナイトキラーの剣で突き刺そうと低く構えた私は突撃を開始した!私の剣技など対したことはないだろうが、身体能力は向上している。自分史上最速のスピードでドラグナイトに突っ込んでいく!
「ちぃっ!」
ゼクロノームの黒い手が触手のように伸び、私の手にした剣を絡め取る。
想定内、そちらは囮!
ドラグナイトキラーの剣を光翼防御を使って隠すようにして逆に目立たせたのだ。それが功を奏したのか、ゼクロノームはうまく引っかかってくれた。
ドラグナイトが死んでしまうから、元々それで斬りつけるつもりはなかったのだ。剣をもたないままにドラグナイトのもとに詰め寄る!
(ケン!)
(おう!)
私の手に光の剣が現れる。至近距離からドラグナイトにその光る剣を思いっきり繰り出した!
ザシュ!
ユリスの説明ではこの光剣は”ホーリーブレード”と呼ばれるもので上位の天使のみが生み出せるという。”斬れないものは無い”とまで言われる最強の剣なのだと。これならドラグナイトを倒せ、しかもドラグナイトを死なせない!
「なにぃ!」
「まだまだぁ!」
刺し貫いたあと、そのままドラグナイトを切り裂きながらジャンプして、ゼクロノームを斬りつける!
「ぎゃああ!」
見事に攻撃が決まりゼクロノームは悲鳴をあげたが、黒い身体の半分ほど切り裂いたところで光剣が消えた。
(ケン……ごめんな……さ……)
(ユリス!)
とても辛そうな、ユリスの声が頭に響いた。
綺麗な……とても綺麗な声が……。
読んでくれてありがとうございました~。
次がラストです(*^^*)




