2話輪目です(^_−)−☆
おはようございます(*^^*)
ドラグナイトは静かに語り出した。
「ワシはこのダンジョンを制御し、管理する存在。主な仕事は迷宮内に試練を用意すること。多くのモンスターを配置し試練に挑む者の”力”を試してきた。そしてここ最下層に到達した者とのみ、最後の試練を課す。つまり、主であるワシと戦うことだ。ワシを倒した全ての試練に打ち勝ったものにのみ加護を与えてきたのだ。
ワシはずっとこの仕事をしておった。はるか昔からずうっとだ。
しかし最近、正体不明の何者かによってこのダンジョンは侵略されてしまってな、すべてを奪われかけておる。
私が迂闊だったのだ。その何者かはこのダンジョンで最も大切な”力の源”を暴走させようとしたのだ。だが、それはワシの気を引くための囮にすぎなかった。ワシはその暴走を止めようと必死になっていて……その隙を突かれ、その何者かに身体を乗っ取られてしまったのだ。もうあと少しで、ワシはワシでなくなる。」
そう説明したドラグナイトはとてもそんな……乗っ取られようとしているような雰囲気はなかった。ただ、その瞳に宿る輝きが、それが真実で、全てを受け入れ覚悟を決めている者の意思を私に伝えてきた。
「このままここを奪われてはいけない。全世界に恐怖をバラまく拠点にされることとなろう……カークスのダンジョンがそうなったように。故にこのダンジョンを消し去ることにした。じゃがな、それにはワシが消滅せねばならぬ。ワシは自害出来んし、それに普通にここで倒されてもしばらくしたら復活してしまうのだ。よってワシを本当の意味で殺せる力を授け、倒してもらうことにした。強引で誠に済まぬが、引き受けてくれ。」
ドラグナイトが右手をあげ、パチンと指を鳴らすと、2本の剣が私たちの前に現れた。
「その剣でのみワシを”殺す”ことができる。是非に頼む。」
辛い依頼だ。私は何の敵意も向けられていない相手を殺せるだろうか?憎むべきは”何者か”であろう。その”何者か”は今どこにいるのか?
そして気になることがある。
「ひとつ、いいですか?なぜ私達なのでしょう?他にも優れた冒険者はいるでしょうに。」
「そこのキュンとやらは間違いなくこのダンジョンに挑んだ者達の中でもスーに次ぐ実力を持つと見受けたからだ。
汝は、はて?…………いや、君はまだダンジョン2日目の初心者ではあるが、天使の守護持ちだから。」
キュンちゃんは本当に凄いようだ。もっともキュンちゃん自身は複雑な顔をしている。自覚がないだけに余計に辛いのだろう。
それはそうと……
(ユリス、何か引っかかる。私をここへ連れてきた理由が随分と弱い気がする。天使の守護持ちなだけで呼ばれる?)
(……はい、おかしいです。ケンが熟練の冒険者ならともかく、今の実力では足手まといにしかなりません……私なら呼びません。)
そのとき、急にドラグナイトが顔をしかめた。
「……ぐぅ!……ま、まさ……か。」
「「ドラグナイト!」」
突然、私達の前で、ドラグナイトは苦しみ出しその場に伏した。そして、その身体から黒いオーラのようなものが出てきてドラグナイトの上で人型を形成する。髭を生やしてシルクハットを被っているその姿は、気品よりも不気味さをうかがわせる。
黒い人型は、馬鹿丁寧な仕草で帽子を脱ぎながら頭を下げ挨拶をし、いかにも見下したようなに腕を組んでから、自己紹介を始めた。
「初めまして、脆弱な人間の方々。魔王メーカーのゼクロノームと申します。短い間になりますが、ご承知おきを。」
「ゼクロノーム?」
キュンちゃんは小首をかしげてそう呟いた。
(ユリス、知っている?)
(初耳です。魔王メーカーという存在も今初めて知りました。)
「そう、ゼクロノームですお嬢さん。いやなに、この木偶の坊を魔王をにしてさしあげることが私の仕事でしてね。
それ自体は私の実力からすれば大したことではないんですがね、生贄として天使と純粋な乙女が必要でございましてね。
この木偶の坊は既に私に操られていたとは気がつかなかったようでね、くっくっく。
……ああ、お気づきですか?生贄は、あなたたちのことですよ。」
やはり……
「あなた!最低です!!」
キュンちゃんがそいつに剣を向けて叫んだ。私も頷いて身構える。
「お褒めに預かり、身に余る光栄でございます哀れな子羊様。
では、そろそろ儀式を始めましょう。」
ゆらりと、ドラグナイトが起き上がった。その目は紅く輝き、殺意たっぷりの視線を私たちにぶつけてきた。
ドラグナイトは先ほどまでの、好々爺とした雰囲気はない。完全に殺戮マシーンと化してしまったようだ。
「ゼクロノーム。さっきのドラグナイトがしゃべっていた内容だが、私を転移させた理由がイマイチだった。アレは君の考えじゃあないのか?。」
「私も気が付きましたぁ!変でした!」
「正解ですよ、御二方。今更どうにもなりませんがね。」
やはり、2人して連れてこられたことは理由があり、ドラグナイトは半分利用されていたのだ!だがこいつは余裕があったはずなのに、あの剣だけは想定外で焦ったのだろう。だから急いでドラグナイトを乗っ取ったのだ。
ドラグナイトからの殺意が膨れ上がった。
「来ます!はぁっ!」
「ガアアア!」
ここからキュンちゃんとドラグナイトの壮絶な戦いが今始まった!
……私?聞かないでくれ。
読んでくれてありがとうございました(*^^*)




