2話目です(*^^*)
開いてくれてありがとうございます。
(……ンゾー様。ケンゾー様。)
?誰かの声がする。
私は意識を失っていたのか?
急速に意識が冴えてきた。目を開けて今の状況を確認すると、ここは木々に囲われた林の中のようだ。私は小さな泉のふちの柔らかい草の生えた場所に横たわっていてた。なんというか、都会と違い自然の空気が濃いような気がする。
(やっと起きましたね。ケンゾーさん)
はて、この声は、頭の中から響くこの声は誰だろう。
(私は小天使ユリス、貴方のお手伝いを女神より仰せつかっています。姿を見せることは出来ませんが、いつもお側に控えております。)
そういえばあの神様、妹の部下がどうとか言っていた。それが彼女か。しかも天使と言っている。
(そうですか、有難う。)
(先ずはお立ちください。移動しながら説明します。)
(ああ、了解した。)
私は立ち上がると、ユリスに導かれて林の中を歩き出した。
(このまままっすぐ向かえば、30分ほどで林を抜けて道に出ます。その間にいくつか説明したいと思います。宜しいでしょうか?)
(ああ。)
(まずはこの世界のことです。ケンゾーさんのいた世界の神様とこの世界の女神様は兄妹であるため、自然や動植物の体系はほぼ一緒とのことです。主な違いは魔法を”オープン化”しているところなどです。その他はまた後日お話します。)
なるほど、全てが未知ではないというのは助かるな。ものを覚える意味ではかなり楽ができそうだ。
(次はケンゾーさんの身体の事についてです。我が主であるこの世界の女神の加護のおかげで、ケンゾーさんは”最高身体能力固定”の状態になっています。ケンゾー様史上、過去最高の状態になっているのです。具体的には、その……ウエストなどを触られるのがよいというか、理解が早いかと。)
おお確かに!最近少しメタボが気になりだしていたお腹が引っ込んでいる!これは……今の私の身体は社会人になりたてのころにフィットネスに通っていたときのような。いや、より引き締まっているように感じる。
(また、今のケンゾー様の身体は鍛えれば鍛えるほど強い体になって行きます。そして”衰える”ことはありません。)
それはすごいな。
(次に、私とケンゾーさんの関係についてです。私達は今、心と身体が繋がっている状態なので、私は色々とケンゾー様に対しての助力、こちらの言葉で”アシスト”と呼ばれることができます。まずは私の一部知識を写しておきました。この世界で一番使われている共通語の会話・読解ができるようにしてあります。)
何と優れたアシストであろうか!まず言葉の壁にぶち当たるのが相場であろう。すでに会話、読解が出来るなら本当に助かる。
ん?
(……この世界の知識も授かっているみたいだな。)
(はい。)
私は知らないはずのこの世界のことをある程度知っていた。貨幣制度や尺度、単位などのごくごく当たり前の知識が頭の中入っていた。
(はい、私の知識から一般知識を写してあります。あまり多く写すと脳の負担になりますので本当にわずかですが。でも、私が常にそばにいるのでわからないことがあれば、いつでも聞いてくださいね。)
知識も有難いな。なんというか、この辺りユリスは気遣いができる秘書タイプのようだ。女神様は優秀な部下を手配してくれたらしい。
間違いなく、私がこちらで不便がないように女神様はかなり気を使われている。そのことに自然と感謝の念が心に浮かんでくる。
本当に女神様、有難うございます。ここまでして頂いた以上は、私は与えられた仕事を誠心誠意頑張りたいと思います。
・・・・・
妹「この方……いい方です。兄様が送ってくれた以上、私が気にいる性格であることは確定事項ですしね。」
お読み頂きありがとうございました(*^^*)