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1話目です(*^^*)

ご覧頂ければ幸いです(*^^*)

「ここは、どこだろう。」


”白い空間”、としか言いようがないところに私はいた。いつの間に移動したのだろうか、全くわからなかった。私がこの状況に気が付いたときにはここでふわふわ〜と浮いていたのだ。そして目の前には子供……多分男の子だろう……が、やはり浮いていたりする。


先程まで、私はフツーに仕事をしていたはずだが?一体何が起こったというのか?


「僕が君を呼んだんだよ。」

「……あなたは?」


目の前にいる男の子が楽しそうな声で話しかけてきた。光の加減のせいか子供の顔はよく見えなかった。


「君たちの認識でいうと”神”という存在だよ。」

「……はあ、そうですか。」


言葉がうまく出てこなかったのはしょうがないことだろう。相手の話す内容を私の心が素直に認めなかったからだ。私は今まで神の存在を認めていなかった。否定もしていなかったが。


その神が……存在しているとは。信じられるだろうか?しかし、こんな状況ならば、この子供の言葉を信じないわけには……


いや、”信じる”ことにしよう。”信じる”という言葉は適切ではないかもしれない。言葉を替えるならこの子供は神であると”仮定する”ことにしたのだ。これで判断基準ができ、今後の会話がスッキリするはずだ。


「急で悪いけど、君には妹の世界に行って欲しいんだ。あっちは少し、困ったことになっていてね。魔王とかが発生しちゃってさ。」

「それは、つまり……」


これは、小説などでよくある異世界を救う”勇者”のお仕事を依頼されているのだろうか?


私が?私などが?


「いやいや違うよ。勇者は別にいる。君には先に行って色々用意して欲しいんだ。」


ここで私の心が読まれたのことなど、驚くほどのことでもない。相手は”神様”なのだから。そうか、いわゆる”協力者”か。魔王と戦うという1番危ないであろう勇者のお仕事は誰かがして、私の仕事はその下準備というわけか。


情報が足りないな。危険度は”勇者”より高いか低いかなど、聞きたいことは山ほどある。だがまずは、神様の方からの情報提供を最後まで聞くことが重要だ。それらの情報には提供者の意図が必ず存在する。そこを押さえないで質問しても結局は無駄、いや、旨く誘導されて悪い方向に向かう可能性が高い。


「そうそう協力者だよ。君にやって欲しい最初の仕事はね、妹の世界で冒険者になって周りに信用される人物になってもらいたいんだ。戦いの実力なんてソコソコでいいからさ。妹の加護も得られるし楽な仕事さ。」


楽な仕事か。その言葉をいきなり信じるのは不用心かもしれないが、神様だと仮定した以上ここは信じる方向で考えよう。しかし、私としても無料(ただばたらき)というわけには……。


「なるほど、……ですが。」


「報酬のことだよね。大丈夫だよ!報酬は君の人生への助力。富も名声も健康も大抵のことは約束するよ。ちなみにこっちには元の時間、元の状態で帰れるから。」


ふむ、まあ私は小市民だから、名声は程々でいい。お金は……それなりに欲しいな。健康もありがたい。今の私の仕事はリスクの割にリターンが少ないし、ノルマも半端じゃあない。心も体も病むのは時間の問題だ。報酬としては悪くない、むしろ願ってもない幸運かもしれない。


……やるか。


「やる気になってくれてありがとう。まあ、拒否権は無かったけどね。」


まあ相手は神様だ、それは想定の範囲内。


「じゃあ、妹が部下を君に付けるはずだから細かいことは現地で。別に面倒くさいからじゃあないからね。」


そう言われた途端、物凄い加速感……何処かに吹き飛ばされたような感じがした。感覚が麻痺したかのように五感が消えていく。


まだ、細かいことを聞いていないし、質問タイムも無しか。最後にこれも想定しておくべきだったかと思いながら、私は意識を失った。



・・・・・・



妹「兄様、今受け取りました。ところで勇者は?」

兄「ああ、今送ったそいつだよ。」

妹「やっぱり……嘘つき。」

兄「仕方がないさ、仕事が”勇者”では絶対に承諾しない奴だったからな。」

妹「けど……。」

兄「まあ時期をみて話してくれ。予定が変わってしまったとでもね、ははは。」

妹「可哀想。」

兄「ふふふ、お詫びに僕の加護も与えておいた。上手くやれるさ。」

妹「……生きて帰してあげたいな。」


お読み頂きありがとうございます(*^^*)

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