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「……ふー……」
夜中の一時、早兎は眠る事ができず自室で音楽を聴いていた。
(ここまで眠れないのは久しぶりだな……信くん来たから少し緊張してるのかもな)
早兎は自分の人見知りさを思い出し、同じ家の中に祖父母以外の人が居る事に少しストレスを感じているのかも、と思った。
「にゃー」
「うん?」
声の方を向くとそこには飼い猫のシラユキがちょこんと座りこちらを見ていた。
(遊びたいのかな)
早兎が立ち上がるとシラユキはサッと部屋を出て行って、顔を半分だけ覗かせる。
(これは……ごはんか)
シラユキは夜中にたまに腹減ったと早兎もとに来る事がある。早兎は自室から廊下に出てキッチンへ向かう途中、ちょうど居間のガラス付きのふすまを開けようとした時にふと玄関の方を見る。
そこには全身茶色の毛に覆われた早兎と同じ獣人の子が玄関の戸に手をかけた状態でこちらを振り向いていた。
「…………」
「…………」
予想もしていなかった状況に脳の処理が追いつかず、早兎と茶色の毛に覆われたその獣人はしばらく目を合わせたまま固まる。
そして最初に動いたモノは茶色の毛に覆われた獣人の方だった。