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「そろそろ寝ようか」
早兎は体のだるさがさらに増した事に少し冷や汗をかきながら信にそう告げる。
(これ以上は無理だ……気持ち悪い……)
早兎は体力が無く夜更かしをし過ぎると体調が悪くなる。次の日は腹を壊したり風邪のような倦怠感と頭痛になるため一刻も早く布団に入り休みたかった。
呼びかけに反応を示さない信を少し強引に立たせて、信が昼間、家に来てから寝ていた部屋に連れて行く。
信を布団に横にさせて毛布をかけて、部屋を出ていこうとした時、信は早兎の手を握る。
先程までほとんど反応を示さなかった信の予想外の行動に、早兎の思考は止まりストレスを感じ軽いめまいを起こす。
早兎は今まで堪えていた吐き気がさらに増した事を感じながら、自分を優先し手を振り解き自室へ帰り寝るか、それとも信を優先しまだしばらくここにとどまるか悩む。
限界が近づく体にさらに強いストレスを感じ早兎の息が荒くなる。
「……はぁ……はぁ……っ!」
ツンと頭の中に鋭い衝撃を感じた後、緊張していた体の力が抜けていく。吐き気やだるさが少しずつやわらぐと同時に、手足の感覚がジワジワと無くなっていく。
(もうだめだ……うごけない……)
早兎はそのまま崩れるように畳の上で横になり意識を手放した。




