『私立なろう図書館』へようこそ! そこのあなた、例え人気者になれなくても、未来の読者の選択肢の為に、あなたの蔵書を寄与してくれませんか?
『小説家になろう』サイトを楽しんでいる皆さん、はじめまして!
私はこのサイトの中に併設されている、『私立なろう図書館』の館長です。
まずは、『私立なろう図書館』へようこそ!
それでは早速、『私立なろう図書館』へのアクセス方法をお教え致しましょう。
『私立なろう図書館』には、『小説家になろう』サイト、『小説を読もう』サイトのトップページから小説を検索、或いは新着小説一覧に飛ぶ事で入館出来ます。
ズラッと並ぶ作品タイトルと作者名、ジャンル表記は、蔵書の背表紙ですね。
そして、『∨』マークをクリックすると蔵書を本棚から引き出し、表紙に貼られたあらすじが読めるという訳です。
画面をスクロールさせれば数多の蔵書を眺める事が出来ますが、マナーとして蔵書は本棚に戻していただきたいので、あらすじを読んだ蔵書はもう一度『∨』マークをクリックして下さいね。
そして、『小説情報』をクリックすれば、その蔵書の奥付けを確認する事が出来ます。
つまり、一見無機質に並んでいる様に見えるWeb作品は、それぞれが立派な電子書籍なのです。
私は、この図書館の館長を務める様になってから、このサイト全体にやって来た頃の自分自身を回想する事が増えました。
皆さんは、このサイトにはどんな目的で来られましたか?
小説や詩、エッセイを書きたくてここに来た。
小説や詩、エッセイを読みたくてここに来た。
誰でも最初は、このふたつの理由しかなかったと思います。
作者はやがて、自分の作品をより多くの方々に読んで貰いたい、評価やブックマーク、感想が欲しい、ランキングを上がって書籍化を狙いたい……という想いを強くする時期が来るでしょう。
読者はやがて、近い趣味、近い意見を持つユーザーと交流したい、好きな作品や作者を応援したい……という想いを強くする時期が来るでしょう。
ですが皆さん、ちょっと身近な書店に足を運んでみて下さい。
書籍がズラッと並ぶ光景は壮観で、本好きな方ならテンションが上がると思いますが、実はそれら書籍の大半は、皆さんの興味のない作品ですよね?
大ベストセラーになる作品もあれば、売れずに返本されるものもあります。
更に細かく分析すれば、大ベストセラーになっても1年で忘れ去られてしまうものや、売れずに返本されても、ニッチな需要から数年後にプレミアがつくものもあるのです。
しかし、自分の興味のない作品が全て書店から姿を消し、自分の興味のある作品のみが目に見える書店というものが出来てしまったら、それはそれでとても寂しいと感じませんか?
これは書店に限らず、コンビニや家電量販店などにも当てはまります。
時には目移りしたり、見識や趣向を拡げられる余地が必要なのだと思うんですよね。
私も作者として、読者として、この図書館を活用しています。
私の作者としてのスタンスや作風から、なかなか信じて貰えないのですが(笑)、私がこのサイトに来たばかりの頃は、自分の作品を書籍化したいという気持ちが結構強かったのです。
その理由は、このサイトに来てすぐに原因不明の体調不良で休職し、復帰の目処が立たなくなってしまったからでした。
堅気の仕事が出来ない身体になってしまったら、どうやってお金を稼ぐのか。
身体がダメになってしまえば、いつかは生活保護が貰えるかも知れませんが、そこから自分の無力感とどう向き合えばいいのか。
リアル世界の不安が大きくなると、夢やギャンブルに賭けてみたくなる人の気持ちが良く分かりますね。
その後体調が回復し、生まれ変わった気持ちで仕事に取り組んだ結果、今の仕事に支障を出してまでプロの作家を目指したいとは思わなくなりました。
書籍化やランキングにこだわらない趣味系作者や、周囲を気にせずに自分の書きたいものをひたすら追求する唯我独尊系作者の中には、紆余曲折を経て、リアル世界に居場所を見つけた方が多く含まれていると感じます。
それはそれで、とても幸せな事だと思いますね。
さて、そうして経験を積んだ私が新たに得たモチベーションは、この巨大な『私立なろう図書館』に、私の作品を蔵書として寄与しようというものでした。
この『私立なろう図書館』は、装丁は全て味気ない電子書籍であり、大人気の書籍化作品であろうが、0ポイント作品であろうが見た目に違いはありません。
両者にあるのは貸し出しが多いか少ないかの違いだけで、それは一般的な書店や図書館の現実と全く同じなのです。
私はこの2ヶ月程、看板の連載小説に集中しており、時折詩は書きますが、短編小説やエッセイは殆ど書かなくなりました。
初めのうちは、ポイントやブックマーク、感想の動きが少ない作品に集中しているとランキングに顔を出せなくなり、このサイトから忘れられてしまうのではないか、新たな読者が増えないのではないか……と不安になっていましたね。
そこで、手っ取り早く相互ユーザー様からポイントを稼ぎ、ランキングで存在を誇示出来る作品を書こうとしていたのですが、書けませんでした。
一生懸命集中している看板作品の執筆が楽し過ぎて、邪念から書いてみた作品のまあ、つまらない事!
私が『小説家になろう』サイトで活動を始めた頃は、このサイトの人気傾向と自分の作品の方向性が余りにも違っていた為(笑)、他のサイトに移った方が良いのかと考えた事もありました。
しかし今、『私立なろう図書館』に蔵書を寄与するというモチベーションを得てからは、そうそう簡単に潰れる事のない規模とユーザー数を誇るこのサイトは、私の活動には最適であると確信しました。
自分の作品が読まれない、正当に評価されないと嘆く権利は、誰にでもあります。
しかしながら、それは作品を曲がりなりにも最後まで形にして、新たな読者獲得に備えてこの『私立なろう図書館』に残しておいてこその権利ではないでしょうか。
そして、いつの日か自信作を知って貰い、新たな読者に読んで貰う為には、時代やトレンドの変わり目に、マイペースであっても活動を続けている『現役作者』である事が重要なのです。
活動に悩んでいるそこのあなた。
このサイトで人気者になるのは、そもそも大変なんですよ。
人気者になれなかったからと言って作品を途中で投げ出してしまったり、削除したりしてしまうのは、あなたが折角0から1を生み出した功績を、また0にしてしまう事と同じです。
何作書いても、自ら0を掛け続けてしまう計算は0になってしまいますからね。
最後にもう一度お願いします。
あなたの大切な作品を蔵書として、この『私立なろう図書館』に寄与してくれませんか?
書店や図書館の文化を守り、趣向や見識を拡げ、未来の読者の選択肢を維持する為には、あなたの作品が必要なのです!