6話 pvp
ふう。場所は、第二の町か。
あ、結愛にメッセージ送っておこう。
しばらくすると、結愛…ゲーム内だとユアか。
ユアがやってきた。
「じゃあ、第五の町に行きましょうか。」
「ああ、よろしく。」
ユアは転移用の結晶の前に立つと、行き先を変更した。
すまん、名も知らぬ第三、第四の町とボス。
目を開けると、第ニの町よりずっと賑やかな町に着いた。
すると、ユアがいきなり俺の手を握って来た。
「ユア?」
「ユウヤさんは私の彼氏なんですっ!誰にもあげませんからね!」
そう言うと、楽しそうに歩き始める。
他のプレイヤーからは、
「嘘だろ…?あの虐殺姫があんな笑顔に…」
とか聞こえてきた。
2つ名、虐殺姫か…。
カッコイイな。
「私おススメの経験値上げの場所に案内しますね!」
言われるがままについて行くと、ダンジョンに着いた。
「ここって俺のレベルでも大丈夫なのか?」
「えっと、適正レベル50なので、50になるまでは私が戦いますね!」
「分かった。よろしく頼む。」
ダンジョンに入ると、リザードマンと呼ばれる、骨格はは人間で
皮膚や顔の形などは竜のモンスターが出て来た。
レベルは…50か。高いな。
「ユウヤさん、ちょっと後ろに下がっていて下さい。」
ユアは、服をいつもの服から赤黒いロープに替えた。
そして武器を取り出して…ん?
ユアが取り出したのは、黒い柄の、真っ赤な刀身の鎌だった。
死神が持っていそうな大きさの鎌だ。
すると、奥からリザードマンの群れがやってきた。
数は…10か。
「ユア、大丈夫か?」
「問題ありません。私が虐殺姫と呼ばれる所以を見せてあげます。・・・不本意ですが。」
その二つ名、不本意だったのか・・・。
「消えなさい、【血塗られた刃】」
ユアがそう口にした途端、ユアの鎌の刃が・・・消えた?
いや、消えてない。良く見ると、とても細かくなって空気中に浮いている。
リザードマンたちが呼吸をすると、刃の欠片が体内に入って行った。
全員の体内に刃が入った時、ユアが一言、言葉(キー)を口にした。
「【破壊せよ】」
すると、腹の中にあった刃が全て元のサイズになり、
全てのリザードマンがズタズタに切り裂かれた。
そして、光になって消えていく。
【レベルが50になりました。職業の進化が可能です。】
嘘!?
「めっちゃカッコいいな。ところでユア、職業が進化できるみたいなんだけど…」
「私の虐殺がカウントされて条件を満たしたのかもしれませんね。」
えーっと、職業はっと。
【血塗られた狂魔剣士】
ポチッ。
【全ステータスが1・5倍。STR、INT、AGIは2倍
【固有スキル】血塗られた破壊剣 終焉魔法 世界の時計】
「わあ、お揃いですね!それにしても、強すぎませんか?」
強いどころの話じゃねえ。
もはやチートレベルだ。
固有スキルが三つもある。
まず、血塗られた破壊剣から。
【血塗られた破壊剣】反射型の剣技。攻撃を食らった時に、次の攻撃を倍の威力に
することが出来る。ただし、HPの25%を一度に削られた場合のみ発動可能。
強すぎないか?HPの制限はあるけど。
【終焉魔法】MP消費が通常の魔法の3倍の代わりに、威力が桁外れな魔法。
どんな魔法なんだろ。今度使ってみるか。
【世界の時計】スキル保持者の実力によってレベルが上がっていく、特殊な魔法。
【LⅤ1】超加速(10秒限定でAGIが2倍)
最早言葉も出ない。
レベル1でこれって…
この先どうなるんだ…?
あ、ステータス振り分けるか。
結果…。
名前 ユウヤ LⅤ50
職業 血塗られた狂魔剣士 副業 魔導闘士(NEW)
HP 6500 MP 6500
STR 720(560UP) DEF 15(5UP
INT 760(560UP) MIND 150(10UP)
AGI 660(390UP) DEX 15(5UP)
LUK 15(5UP)
SP 0
SKILL【固有スキル】蒼氷魔法 創剣 血塗られた破壊剣終焉魔法 世界の時計
氷魔法 LⅤMAX(5UP) 闘術 LⅤMAX(2UP)【進化可能】
所持金 500000kor
進化。
【闘術から闘術・改が派生しました】
新しく使えるようになったアーツはっと。
【アジリティブースト】強化魔法。魔法効果が切れるまで、AGIが1・5倍
強い。結構使えるな。
「そうだ、ユア。」
「はい、何でしょう?」
「対人戦の経験も積んでおきたいから、PVPしようぜ。」
「はい、良いですよ。じゃあ、バトルのハンデでレベルを30下げますね。」
ユアからPVPの申し込みが届いた。
OKっと。
【それでは、PVPを始めます。決着方法はHPの全損、賭けるものはありません。】
すると、俺達は闘技場に転移した。
「見学はいないので、思いっきり戦って下さいね。」
「了解!」
【レディー・ファイト!】
俺はすぐさま後ろに下がり、スキルを発動した。
「【アジリティブースト】」
すると、向こうも強化を使い始めた。
「【ブラッド・ブースト】」
「ちょ、それなんだ?」
「防御力を犠牲にして、攻撃と素早さを上げるスキルです。」
「じゃ、行きますね!」
「【血塗られた刃】」
俺はユアから距離をとる。
「【鮮血の光雨(ブラッド・ミリオンレイン)】」
なっ!?言葉が違う!
すると、ユアの周りに漂っていた刃の欠片が深紅の光に変わり、こちらに飛んできた。
「ッ!【超加速】!」
それでもすべては避けられない。
でも、ダメージを喰らいながらも攻撃を耐えた。
光が実体化したまま刺さっているのを見て、反射的に【クイックステップ】で飛び退いた。
「その判断は合っていますよ。【破壊せよ】」
…ッ!
体力がもう20%も削れた。
「まだ、ここからですよ。【形状変化・片手剣】」
すると、ユアの持っていた鎌が、剣に変わった。
間に合った!
やっと詠唱期間が終わった。
「【死の祝福】」
すると、俺の前に冥界の扉が出現し、そこから亡者達の手が這い出てきた。
これで拘束!
「【アジリティブースト】【超加速】【白銀龍の剣】!」
創剣と、蒼氷魔法を組み合わせた、融合魔法だ。
今のでMPを殆ど使った。
が、まだアーツを使えるMPは残っている!
「【クイックステップ】」
俺は一瞬でユアのもとへ近づくと、手に持っている二刀で、ユアの体を切り裂いた。
「流石です、ユウヤさん。」
そう言うとユアは、倒れた。
同時にユアのHPが全損した。
【勝者、ユウヤ】
バトルフィールドが解除されると、ユアが近寄ってきた。
「ユウヤさん、凄いです!でも…」
「ありがとう、ユアも滅茶苦茶強かったぞ。でも?」
「結構怖かったです…最後の方笑ってましたし。」
「マジか、ごめん。笑ってたのか…。」
「あとこれはアドバイスですけど、剣技も覚えた方が良いですよ。」
「分かった、アドバイスありがとう。それで、怖がらせちゃったお詫びじゃないけど、
ちょっとログアウトしよう。」
「分かりました。別にお詫びなんていりませんが、ユウヤさんがしてくれるなら、
貰いますね。」
そう言ってユアがログアウトしたので、俺もログアウトする。