人嫌い
本作品は、ろくすっぽ改訂をしていません。
よって、かなり荒いです。
それでもよろしいのであれば、ごゆっくりとお読みください。
人嫌いな私は、いつの間にか家から出ることは無くなった。
それでも、中学校のころまでは、どうにか家から出ていた。
家の部屋にこもり、一人、パソコンの画面と向かう日々。
高校には通信制で進学した。
人と出会うのが、キライになったのは、私自身のいじめの体験からだった。
どうしようもないほど精神的に深い傷を負った私は、それに耐えることが出来なくなった。
それから、人と出会うことが嫌になっていった。
パソコンで、チャットをしていたとき、その花とであった。
「ヘクソ…カズラ…?」
チャットの流れで、ひどい名前の花という話になっていた。
私は、ただそれを見ているだけだったが、そのことに興味があった。
すぐに、『Google』で調べてみると、いろいろ出てきた。
名前だけで、私は共感を得た。
ヘクソカズラ、なんとなく、私の今の境遇と照らし合わせてしまう。
はじめてみた時に感じたのは、そのような名前をつけられた花と、いじめを受けている私だ。
「…これが、そうなんだ…」
しかし、私はその画像を見たとき、ちょっとがっかりした。
ただ、ちょっと小さな淡い色をしたきれいな花だった。
「なんだ…」
私は画像を閉じ、チャットに戻った。
翌日、私のメールに一通の手紙がきた。
それは、チャット仲間で、私がメールアドレスを教えた子だった。
彼女のメールの内容を見ると、大体こんな感じだった。
「ヘクソカズラ、いる?」
私はすぐに返事を出す。
「いらない」
ただ一言。
その子がどんなことを感じるのかを考えずに。
次に来たのは、30分ぐらい経ってからだった。
「…大丈夫?」
「なにが」
私の気も知らないで。
何が大丈夫?よ。
あなたに、私の何が分かるって言うのよ!
「…結構分かるのよ」
「どうして」
単発のメールを出し続ける。
「…あなた、学校でいじめられていたでしょ」
ビクッとなる。
「何で分かるの?」
すかさず返事。
このつながりを絶たないようにして、言葉も選ぶ。
「…私も似たような境遇だから」
「え?」
思わず部屋でつぶやく。
彼女がいじめられた経緯は、簡単に言ったら、一番弱かったからだ。
そんな理由で、と思う人もいるだろう。
だが、それが現実なのだ。
私は、弱かったからではない。
人といるのが少しいやだった。
それが、いつの間にかクラスの中で疎外されるようになり、そのままいじめという状態にいった。
最初は、まだましだった。
でも、次第にエスカレートするようになり、中学校にあがったころには、友人はいなくなっていた。
一人でも生きていける。そう思っていたが、現実はそこまで甘くなかった。
不登校気味になり、徐々に家に引きこもるようになった。
出会う人は、母親だけ。
それも、徐々に回数を減らしていた。
今では、1週間に1回、出会うか無いかぐらいの頻度になっていた。
「…いじめられていたのね」
彼女は念押しのように聞いてくる。
「うん…」
どうにか、返事を出す。
震えてくる手を押さえるのが必死だ。
「立ち向かわないと。誰も助けてくれないよ」
「分かってる、でも、どうしても…」
直後、メールが来る。
間隔は、1分をきっている。
「だめ!」
厳しい口調で言う。
「立ち向かえないと、あなたは…」
それから、メールは途切れた。
翌日、同じチャットにいると、彼女が現れた。
「昨日は、ありがとう」
メールで会話をする。
「こちらこそ。なにか力になれたの?」
彼女は普通に聞いてくる。
人嫌いの私は、これからも家にこもり続けるだろう。
でも、人と付き合っていくためには、どうしても、外の世界と接触をしていく必要がある。
私に、それは出来るのだろうか。
彼女への返事は、こう書いた。
「あなたが、知らず知らずのうちに、力をくれたのですよ。私も、ちょっと立ち向かってみます」
それから、パソコンの電源を落とした。
"http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000507.html"→ヘクソカズラ
ここからねたをとりました。
サンクス!!