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最強女と最弱男

「本当にすいません。明日が試合だっていうのに、サナも申し訳ない気持ちでいっぱいだと思います。」

「明日?え?大会は二日間の空きがあるのでしょう?」

「え⁉︎ 仁さんその日を入れて二日間ですよ。ですから明日が大会です。」


おいおいまじかよ。てことは俺は明日の大会に何もせずにガナル以上の相手と戦うってことか無理だろ!


「お詫びといってはなんですが、私が稽古をつけましょうか?」

「え?サナのお母さん稽古をつけられるほど強いんですか?」

「私の家は夫と私どちらも冒険者だったのです。ですがサナが産まれてからは私は育児に専念して夫が冒険者として働いているのですよ。ちなみに私のアカデミーでの成績はA組主席でしたから強いと思います。」


サナには悪いが熱を出してくれてありがとうと思ってしまった。ていうかこれもまたサナには笑いがこんなにも親が優秀なのに子供はD組なのか。


「そんなに強いのなら是非稽古つけてください!」

「わかりました。では早速対戦相手のランさんについて説明したいと思います。彼女は全属性を使いその中でも特に雷に長けています。彼女が放つ雷魔法は自然の雷レベルとも言われ、その攻撃を受けたものはショック死で必ず死ぬと言われています。もちろん彼女は日常的にそんなにも危ない魔法は使いませんが、一度アカデミーに潜入して来た殺人魔に対して使ったことがあります。」

「やばくないですか?」

「やばいです。」


自然の雷を作り出せるって何だよ!チートかよ!

ていうかそんなにも強いやつならほんともう冒険行けよ!


「雷の魔法は流石に使ってこないと思いますが、彼女はもちろんそれ以外の属性の魔法も強力なのです。

正攻法では勝てないでしょう。」

「そんな…」

「ですから正攻法ではです。魔道具を大量に使い逃げまくり相手の魔力切れを狙うなんて手もあります。

ですから今から仁さんには私が放つ攻撃を避けてもらいます。」

「はい⁉︎」

「ではいきますよ。」

「ちょっとたんま!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大丈夫ですか仁さん?」


目の前にはサナがいた。いやサナよりも大人っぽい。

ああサナのお母さんか。ていうかなんか頭の感触が柔らかいんですけど。これが膝枕ってやつか!

うっかり惚れそうになる。って、友人の母親に惚れてどうすんだ!


「攻撃強烈すぎですよ。」

「あれでも力を抜いたつもりなのですが。」


いきなり始まった稽古はサナのお母さんの魔法攻撃一発で終わった。あの速さの魔法をポーションなしで避けきれるならD組にはいない。


「あの。仁さんお願いがあるんですが。」

「何ですか?」

「仁さんがサナに修行を頼むときにデイルガンドの鱗を取りに行くのを条件としましたよね?」

「ああ、あの最強と言われているドラゴンですか?」

「こんなのを頼むのは申し訳ないんですけど、今回サナは修行の約束を破ってしまいましたが私がサナの代わりに来たということにしてデイルガンドの鱗を取りに行くのをお願いできないでしょうか?」

「え⁉︎ ていうかお母さんならそんなの取りに行けるんじゃないんですか?別に俺が行かなくても。」

「そうじゃないんです。このお願いには続きがあるんです。鱗ですが仁さんだけでなくサナも連れて行って欲しいのです。娘は一応魔法は三属性使えます。」

「え?そんなに使えたんですか?あいつ。」


驚きだ。サナは強がっているだけで一属性くらいしか使えないものだと思っていた。


「はい。ですが娘は本番に弱いのです。彼女には自信がないから、自分の魔法が剣が相手に本当に効くのかと、不安になるのです。だからいつも実力を発揮できない。でも最強と言われるドラゴンの鱗を取りに行けたならそれだけで自信になると思うのです。ですからお願いします。」


正直言ってそんなところには行きたくない。だがなこんなにも美人な人が娘を思い頭を下げているのに断るほど俺はクズではない。


「わかりました。取りに行きます。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「レイ少しいいか?」

俺はまたもやレイの家を訪ねた。もちろん理由は一つポーションを頼みに来たのだ。

「おーい、レイ!レイ!」

「あなたはレイちゃんの知り合い?」

「そうですが。」

「私はレイちゃんの隣人なんだけどね。彼女達今は出掛けてるわよ。」

「え?どこに?」

「そこまでは知らないけどでも今日中には帰ってこないんじゃないかしら。」


このおばさんの話が本当なら最悪だ。

明日の試合ポーションなしで戦わなくてはならない。


なんでこんなについてないんだ!

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