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神の遊戯

「やあ神崎仁くん。神殿にようこそ。」

「ここは…ここはどこなんだ。」


周りにはどこまで続いてるか分からないほどの道があり、まるで自分が現実にいないような感覚だった。

まあ異世界なんて現実じゃないんだけど。

そして前には明らかに神には見えない、男の子が立っていた。


「君は異世界転移したわけだけど。何故だか分かる?」

「お前は俺のことを知っているのか?何故ってそれは特別だからじゃないのか?」

「特別って本気で思ってる?いや面白すぎるんだけど。」


目の前にいる自称神は爆笑している。いやなんか腹立つんだけど。年下のくせに。


「じゃあ何なんだよ。」

「それを説明するには少し長くなるんだけどいいかな?」

「そんなこと言われてお預けされても困る。早く話してくれ。」

「じゃあ話すよ。

あるところにゼウスと言う名の神がいました。ゼウスはたった一人で生きていくのはつまらないため。たくさんの神を作りだしました。その中には僕こと悪戯の神ロキも入っていました。神は仲間ができたことで長い間楽しく暮らしました。しかしその生活にも飽きて来ました。そこで神は仲間を募りあるゲームを始めます。そのルールはまず二人の人間に魔王と勇者の力を持たせます。そして勇者と魔王の二人が揃っている世界に他の世界から人を連れて来ます。そして異質な人間が三人揃った世界で神々は誰が生き残るかの賭け事を始めました。しかし問題が起きます。勇者の力を与えるはずの人間に大した力を与えないまま神のゲームに参加するよう言いに行くと言うミスを犯します。」


長い話をしだしたが、俺は一言一句聞き逃さないような気持ちで聞いていた。多分三人のうち異世界から連れてきた人間というのが俺なのだろう。


「ですが魔王にはしっかりと力を与えたため勇者と魔王の差は大きなものとなりました。よって賭けは魔王か異世界から来た人間との二択になりました。」

「なあその変な口調やめてくれ。」

「え?わかったよ。おとぎ話をするときはこういう口調なはずなんだけど。まあいいやそして異世界から人間を連れてくる日になったの、そこでね僕は魔王に勝てなさそうな弱い人間を選ぶことにしたの。何故だかわかる?」

「そしたら魔王が勝つって決定して賭けに勝てるからだろ?」

「大正解。」


ていうか俺弱そうって理由で連れてこられたの?

最悪なんですけど。


「まあ僕も悪いと思ってるんだよ。だからさつぎこの空間に来たら元の世界に返してあげるよ。」

「俺はこの世界に満足している。だから返してくれなくてもいい。」


これはおれの本心だ。おれは日本なんかよりこの異世界の暮らしの方が好きだ。友達もいて恵まれている。


「そう言うわけにはいかないんだよ。まあこの空間に来なければいいだけの話だよ。」

「それって」

「君は自分で考えるべきだ。じゃないとなんも面白くないだろう。じゃあ君を心配している人もいることだしもう目を覚ましな。」




「大丈夫ですか。仁! 仁!」

「レイ?ああ大丈夫だ。少しおかしな夢を見ていたがな。うっ、痛…」

「まだ痛みは引いてないのですから落ち着いてください。」


俺は多分ガナルから受けた攻撃が痛すぎて気を失ったのだろう。たしかに目立った傷はない。ソードリアルってすげぇな。


「大丈夫だ。それに俺は勝ったぞ!」

「ええ。とてもかっこよかったです。」


やばい惚れちゃいそう。可愛すぎだろ!


「当たり前でしょ。私が剣術を教えたのよ。勝ってもらわなきゃ困るわ。」

「サナお前もありがとな。」

「べ、別にあなたのためじゃないから。」


サナのツンデレも相変わらずだ。


「あの、神崎くん。すごかったね。僕感動したよ。僕の名前はフィルド=リュートだよ。」

「俺も感動した。俺の名前はスクリプト=サクリだ。

改めてよろしくな。」


クラスメイトからいきなり仲良くしてくれアピールをたくさん受けた。とても嬉しかったが、誰一人名前を覚えてねぇ。


「坊主すごいじゃねぇか。」

「あんたは迷子の。」

「迷子じゃねぇっつうの。」

「あんた負けたんだろ。俺はあんたを凄腕かと思ってたよ。」

「うるせぇ。本気出してないだけだ。あと三日後にA組のラン=ハードリアとの対戦だぞ。お前もまあまあ頭が回るようだが、流石に勝てないだろうな。」

「A組のランか。」


神との話でわかったことがある。神々が遊びのために三人の人間に力を与えていること。そして勇者に力を与えるのを忘れたままゲームを開始したため、魔王とパワーバランスが取れてないこと。そして俺が魔王を勝たせるために最弱枠として異世界に召喚されたことだ。あと二人の勇者と魔王は誰なのか気になるが探しようがない。


「なあ坊主、気を失って意識を取り戻した時に最初に話したのがレイって女の子じゃなくて残念だったな。」

「え?お前何言って…」


気になる発言をしたまま、名を知らない屈強な男は去っていった。


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